こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨日までアメリカ不動産市場の現状と今後の展望についてお伝えしました。
アメリカ不動産業界がエッセンシャル・アクティビティに分類された後でも
・オープンハウスは開催禁止
・内覧に関しても極力バーチャルで行うこと
という制限がつく中で、リアルター達はバーチャル方式の仲介に力を注ぎ始めています。
この流れはアメリカ国内はもとより、アメリカ国外からの購入希望者にとっても有利です。
これまでは海外からバーチャル方式での内覧を希望しても
・現地に閲覧にこれる候補者を優先される
・準備に時間がとられる為に体よく断られる(或いは返信そのものがない)
等の傾向があり、バーチャル方式の案内に対しては積極的に応えてくれるエージェントはさほどいませんでした。
けれども今の時期にはバーチャル方式こそが主流となりますから、アメリカ国内のリアルターにバーチャル方式の案内を依頼しやすいタイミングなのです。
すなわち、この時期には
アメリカ国内の購入希望者
アメリカ国外の購入希望者
この両者がほぼ完全に同じ土俵に立っていることになります。
そこでお薦めするのは
MLS上での物件検索
ライブ型の内覧
この二つのコンビネーションです。
好きな物件を選んだら、現場でライブで内覧を依頼する方が効率的に物件選択が進められると思います。
かくしてバーチャル方式の仲介体制が出来つつあるアメリカ不動産市場ですが、実際のところアメリカ国内の物件購入者の反応はどうなのでしょうか?
予想せぬコロナ騒動により物件購入の準備を進めていた人々も、今の時期は買いを控えているのではないでしょうか。
そこで今日は、コロナ騒動が本格化した後のアメリカ不動産市場の様子について確認しておきましょう。
二つの心理で市場が揺れ動く

実際のところ、現在のコロナ騒動はアメリカ不動産市場にどれくらいの影響を与えているのでしょうか?
ニュースを見ても分かるとおりにコロナウイルスの影響を受けているのは
ニューヨーク州
カリフォルニア州
といった人口が集中している地域が最も多く、その影響は地域により違いがあります。
すなわち各地域市場によりコロナウイルスの影響による変化に違いがあることになりますが、いずれにせよほとんどのアメリカ国内市場では小さくない影響を受けているようです。
アメリカ国内の不動産業を統括しているNAR(National Association of REALTORS:全米不動産協会)の発表によると
「物件を探す人々の数は大幅に減り、リスティングにも遅れが生じて市場に出てくる物件数が相対的に少ない」
とのこと。
昨日まではリアルター側の準備態勢について焦点を当てましたが、購入者に焦点を当ててみるとコロナウイルスの影響で購入意欲が削がれている人々が多いようです。
実際の数字を確認してみましょう。
コロナウイルスによる騒動が本格化した後、3月中旬(16日~17日)の時点での統計によると48%のリアルターが
「コロナ騒動により、物件購入者の意欲が低下している」
と答えています。
けれどもそれと同時に、ほぼ同じ数の45%のリアルターから
「過去最高の低金利が功を奏して、コロナ騒動を気にせずに物件を探し続けている」
との報告。
後者の人々に関しては
「今だからこそ物件を購入する好機」
と見ているようです。
全体的には買い手により気味

いつの時代も何かしらの変化が起きた時に
「これは大変だ。今は動くのを控えておこう。。」
と考える人と
「またとない絶好のチャンス。このタイミングを逃すことは出来ない。」
と考える人の大きく二つに分かれるものです。
そして実際にたった今は
・売主は物件が売れにくいだろう不安がある
・物件探しを中断している人々が多い
ということから
・全体的に買い手市場
・獲得競争が少ない
という状況に加え、
・過去最高の低金利
と条件が揃っていますから、元々今の時期に物件購入を検討して人々にとっては有利な局面なのです。
そこで実際に市場に出ている物件の価格を見てみると分かりますが、たった今のタイミングでは売主も遠慮した価格をつけている場合が多いようです。
これは多くの売主が
「今のコロナ騒動の最中にあっては物件は売れにくいだろう」
と考えていることが数字で表れています。
中には未だに強気な価格で市場に出すパターンもあるようですが、先は推して知るべしです。
この手の物件は価格を落とさないのであれば、よほど有利な立地でない限りはしばらくは市場に物件が残り続けることになると思います。
今の時期は間違いなく買い手市場であり、購入を急ぎたい事情がある方々にとっては交渉が有利に進むタイミングであることはほぼ間違いありません。
「急ぎではないが、購入出来ればそれはそれでよい。」
という方は、もしも気に入る物件が出てきたらダメもとで相当低い価格を提示することをお薦めします。
特に今の時期に市場に出してくる売主の心理面としては物件に対していくらの価格をつけるにも関わらず、内心は無事に売れるか心配であることは間違いありません。
その意味では、物件価格交渉は買主にとって終始有利に進むはずなのです。
オファーするのにお金はかかりませんから、遠慮することなく考えられる限り最低の価格でオファーしてみましょう。
そして仮に断られた場合でも、しばらくその物件を観察しておくとよいと思います。
今から一ヵ月後に物件が市場に残っていたとしたら、再度つついてみましょう。
もしも売主が反応してくるようであれば、売主は当初の希望売却額は諦めた証拠です。
そこからは何度かカウンターオファーをお互いに繰り返すことで価格の折り合いをつけることになりますが、少なくとも今は購入者にとって有利に交渉を展開できるタイミングだと思います。
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