こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
オークションモデルについてお伝えしています。
数日前に速報でカリフォルニア市場の今をお伝えしましたが、アメリカ不動産市場において価格が下がる気配が徐々に強くなってきました。
その意味では不動産購入を検討されている方々はしばらく様子見を続けた方がよいとは思いますが、それでも資産運用の観点から
・タックスプランニング上、今の時期に不動産を購入したい
・日本の資産運用の都合上、今の時期にアメリカ不動産にドル転しておきたい
という希望がある場合、先日お伝えしたように買い手市場の勢いに乗ってかなり安く購入することが推奨されます。
そしてもう一つの有効な方法が、ここ数日お伝えしているオークションモデルです。
2007年に誕生したauction.comはネット上でオークション物件の詳細が確認できる魁けですが、今日はこのauction.comを使って実際にオークションモデルの概念をみていきましょう。
また、オークションモデルを検証するにあたり今回はあえてアメリカ人目線の投資手法でみていきます。
あくまでも一般論ですが、日本人投資家の中には
・綺麗な物件
・治安が良好な地域
・学区の良い地域の物件
を好まれる方々が多いように思います。
もちろん投資基準は様々ですし、そこには良い悪いはありません。
学区が高い方が将来の価値が高くなりやすいことは事実ですし、治安が良いにこしたことはありません。
日系のフリップ業者が整える物件もこのレベルですし、遠く日本から資金を投下する上では安全な物件にしたいと誰もが思うもの。
事実、私(佐藤)もまた不必要に冒険はして頂かないように、とりわけ初心者の方々にはごく安全な地域と物件にしかおつなぎしていません。
けれども不動産をもって将来の資産形成を図るアメリカ人投資家の場合、その投資活動の絶対基準は
綺麗な物件でもなく、
治安が良好な地域でもなく、
学区の良い地域の物件でもありません。
その基準はあくまでも「キャシュフロー」です。
もちろん物件であれば何でもよいということはありませんが、
・他人様(金融機関等)のお金を使い
・安く購入して
・プラスのキャッシュフローで運営する
この条件を満たすことが一般的な基準なのです。
このあたりは書き出すと長くなりますのでここでは割愛しますが、今日はこのアメリカ人投資家タイプの基準でケースをみていきましょう。
ケーススタディ:オークションモデル1
まずは下記の物件をご覧ください。
86096 Palmeras Cir, Coachella, CA 92236
こちらの物件は7月にオークションに出される予定です。
スタートが$45,000とあり、売却した際の価値は$156,000とされています。
2ベッドルームで見込み家賃は$1,200です(実際はもう少し高くてよいと思います)。
960スクエアーフィートと小ぶりで手頃なサイズになります。
不動産投資においては
「そこに賃貸需要はあるのか?」
という視点はとても大切ですが、この地域でこのレベルの家賃とサイズは非常に手頃です。
ここで、先日も言及した治安についてみてみましょう。
86096 Palmeras Cir, Coachella, CA 92236
上記をご覧ください。
薄いブルーに囲まれていますね。
ここから西、また西北にいくと青が濃い地域が多いことが分かります。
私(佐藤)はこの地域を知っていますが、この物件の立地は「可」です。
一つの証拠として周囲の地域も見てみましょう。

十分に価値の高い物件に囲まれていますね。
キャッシュ・オン・キャッシュ リターンまで含めた不動産投資の場合、絶妙なキャッシュフローはこのあたりに出てきます。
内装をチェック
次にこの物件の中見がどうなっているのかですが、例によってオークション物件の場合は事前に中を見ることは出来ません。
そこでrealtor.comを使ってみましょう。
今度は下記をクリックしてください。
86096 Palmeras Cir, Coachella, CA 92236
いつの写真か分かりませんが、えらくボロボロに見えますね。。
でも私(佐藤)にはお宝に見えます(笑)。
修繕してピカピカにするわけですから、構造そのものが破壊されていない限り内装の状態はこれで良いのです。
恐らく、サイズからすると予備費を含めて修繕には$25,000を見積もれば十分だろうと思います。
数字を試算
そこで数字を出してみましょう。
仮にこの物件に出す条件を$55,000としましょう。
落札額:$55,000
各種手数料:$5,500($55,000 × 10%)
修繕見積もり:$25,000
合計 $85,500
カリフォルニア市場でこの金額であれば悪くありません。
そこで毎月の返済を抜いた収入と支出を並べてみると
収入
家賃:$1,200
支出
固定資産税:$187
管理費:$80
保険:$120
修繕:$50
キャシュフロー:$763
と、毎月$700以上のキャッシュフローが期待できます。
実際には修繕が完了した段階で価値が高まっていますので、$156,000以上の価値がつく可能性は高いと思います。
結果として、賃貸に出せる物件に仕上げた時点ですでに$70,000以上の含み益が出ているのです。
。。。
かくして、オークション物件の場合はここから価値が下がったとしても市場が回復するまで長期保有する前提であれば十分理に適う投資になります。
理論上は、ここから先にご近所の物件価値が$60,000台まで下がったとしても損はしていないのです。
ちなみに、資産形成を試みる投資家の場合はこの手の物件をすぐに売却することはしません。
それは金の卵を産む鶏に例えれば、これからポコポコ生まれてくる金の卵を受け取らずにさっさと売ってしまうような行為。
すぐに売却するよりも減価償却を始めとする「隠れ利益」を毎月享受し続けた方が良いに決まっています。
しかも現実には、上記にかかる費用も他人様(金融機関)から借りると今の金利では毎月の返済は$570程度です。
その場合は自分のお金はほとんど使わずに
$193($763 - $570)
のキャッシュフローを実現することになります。
「え、月にたったの$193?」
と思われるでしょうか。
現金だけを見ればそうですが、
「自分のお金はほとんど使っていない」
「$70,000以上の含み益が十分に出ている」
「減価償却で家賃収入からの所得にかかる税金は消える」
「余った減価償却費用は他の所得にぶつけて費用計上できる」
等の要素もみてみると、
「お金を産み出す資産が自己成長していく」
ことが分かると思います。
自分のポッケからほとんどお金は出さずに、複数の卵(利益)を定期的に産みだしてくれる鶏がバタバタと羽ばたきだすのです。
不動産で資産形成を試みるアメリカ人投資家の多くが、このような金の卵をポコポコ産み出す鶏をたくさん所有する(交換する)手法をとっています。
オークションモデルについて、明日はグレードの高い物件を使ってのケーススタディをみていきましょう。
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