FSBO(For Sale By Owner:物件オーナー自身による売却)コンサルティング案件が増加中です。
・バイヤーエージェントの報酬はバイヤーからお支払い頂きたい
・自宅も自分で売却することでリスティングエージェントへの報酬をゼロにしたい
という方はこちらからご連絡ください。
コンサルティング料金は発生しますが、リスティングエージェント雇用よりは大幅に節約が可能です。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
コロナウイルスの影響により景気後退が進む中、FRBはその対策として早期に金利を大幅に下げる政策を実施しました。
前回の2008年以降の世界金融危機の際に実質ゼロ金利を断行していますが、今回はその時の経験を踏まえてか、コロナウイルスによる急激な景気減速が予想された段階で早期に金利を大幅に引き下げています。
その政策が世界経済に大きく影響するために何かと話題になるFRBですが、その方向性はFRB議長を中心とする選ばれた少人数で決定されています。
20人にも満たないグループが世界経済に大きく影響を与える意味ではメンバーは相当な重責です。
けれどもあれこれと協議が行われるいとはいえ、結局のところFRBが行える行動は簡単にまとめると2つしかありません。
その2つとは
金利政策(金利操作)
紙幣の増刷
です。
世界経済がFRBの政策に大きく左右されるとすれば、さしずめFRBメンバーは大型タンカーの操舵室にいる人々でしょうか。
さすがに大型タンカーとなるとその操舵の影響が次の瞬間に船全体に反映されるということはなく、タンカー全体が左右に動くのにも時間がかかります。
あえて例えるなら、金利政策は船でいう
面舵
もしくは
取舵
といえるかもしれません。
大型タンカーの場合は舵をとっても方向を変えるのに時間がかかりますが、そうこうするうちに海の様子(経済状況)が変わり、再び舵を微妙に取る必要が出てくるものです。
けれどもその影響がどのように出てくるのかはさじ加減が非常に微妙なところ。
そんなFRBの金利政策ですが、今回は最初から
「おもぉぉかぁじ」
といっぱいに振り切っています。
いわゆるFRBが持つ2つのカードの中で
「金利を下げる」
というカードはすでに使い切っているのです。
モーゲージ金利はフェデラル・ファンド金利に影響される
そしてFRBの金利政策は経済の多岐に渡り影響を及ぼすことになります。
こと不動産業界において影響が大きいのは、なんといってもモーゲージ金利です。
この構図を簡単にいえば、FRBが動かしているのは
Federal Funds Rate(フェデラル・ファンド金利)
と呼ばれるものです。
各銀行は連邦準備銀行に準備金を預託することが義務付けられています。
その準備金が足りなくなると、各銀行はお互いに貸し借りすることで連邦準備銀行にある預託金を一定に保つ必要があります。
お金を他行に貸す銀行
お金を他行から借りる銀行
の両者が出てくることになりますが、この時に各行が貸し借りする際の金利がFRBが定めるフェデラル・ファンド金利です。
そうすると銀行としては利益を出す上では民間企業や民間人に貸しに出す際、このフェデラル・ファンド金利に近づけた金利でモーゲージ金利等を設定することになります。
フェデラル・ファンド金利が2%のところ、利益を出すために2つの銀行がモーゲージ固定金利を
A銀行 … 5%
B銀行 ... 4%
と定めていたら、誰でもB銀行を選びます。
B銀行としては単純計算でフェデラル・ファンド金利との差となる2%が自社利益につながることになります。
かくして各銀行は競争相手とぎりぎりまで金利を低くし合うことでしのぎを削り合っているわけです。
1%台の金利が登場
そして今回のコロナウイルスによる景気後退の予兆から、FRBは3月15日の時点でフェデラル・ファンド金利をほぼゼロに引き下げました。
8月11日の時点でフェデラル・ファンド金利は0.1%です。
2008年以来の低金利が続いており、コロナウイルスの影響が収束しない限りはこの低金利は継続されるものとみられています。
そしてこの金利の動きに伴って各行のモーゲージ金利もどんどん下がってきているのです。
この時期にアメリカのモーゲージ史上で最も低い金利を私達は目にしていますが、先日はついに2%台に突入。
大手民間金融機関の30年固定金利でも2%台を記録したのには大変驚きました。
結果としてアメリカ不動産市場は物件価格が相当に支えられており、4月と5月には大きく下げを見せた販売数と価格ですが、これが6月からは大きく回復してたった今も活況をみせています。
このアメリカ不動産価格の持ちこたえの真因はやはりFRBの金利政策にあると思います。
「コロナウイルスはいつかは収束する」
「今の低金利を逃す手はない」
この心理で多くの人々が物件を買いに動いているのです。
そんな中、
United Wholesale Mortgage(ユナイテッド・ホールセール・モーゲージ)
が8月11日に
「30年固定金利1.99%」
と、米国市場初の1%台の30年固定金利を出しました。
長年アメリカ不動産事業に携わってきましたが、このような日が来るとは夢にも思いませんでしたが、30年固定金利でなんと1%台が登場したのです。
厳密には、この金利を扱えるのは扱うのは
Independent Mortgage Brokers(独立契約のモーゲージブローカー)
を通した手続きのみです。
それでもこの低金利を利用せんとリファイナンス組みを含め、不動産金融の動きが活発になることは間違いありません。
結果として、全米の不動産価格にも決して小さくない影響を与えることになりそうです。
このユナイテッド・ホールセール・モーゲージが発表した1%台のモーゲージについて、もう少し深堀りして理解しておきましょう。
明日に続けます。
投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。