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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
渡米してきた時に強く意識していた認識があります。
それは
「アメリカでは、とにかく自分を主張しないとダメだ」
という認識です。
結論、この認識は間違っていなかったと思います。
今の時代は分かりませんが、少なくとも私(佐藤)が高校の時までに日本で受けた教育では
「先生の話は黙って聞かなければならない」
「先生から指名された時のみ発言が許される」
というものでした。
反対にアメリカの教育では
「積極的な発言が求められる」
「答えの丸暗記ではなく、プロセスの説明が重視される」
と聞いていたのですが、実際にこれはその通りでした。
日本式でお行儀よく黙って先生の話を聞いていると、
「授業に参加していない」
はもとより
「自分の意見を持っていない」
「自分の頭で考えていない」
と受け止められ、最悪の場合
「能力がない」
とすら受け止められてしまいかねません。
アメリカの場合、平均的に10歳くらいからディベート(ここでは討論する能力の意味)の授業が学校で始まります。
「言わないと分からない」
「表現しないと相手には伝わらない」
それが当たり前の前提で子供たちは自分の考えを口で表現する教育を受けるのです。
とはいえ、ここでは
日本の教育
アメリカの教育
のどちらかの優劣を語るものではなく、それぞれに良し悪しがあると思います。
。。。
けれども強いて言えば、心の道徳面では日本の教育に軍配が上がるように思います(笑)。
「相手を慮(おもんぱか)る」
この行為一つとっても、日本人が素養とする素晴らしい感性です。
(補足: 純粋に外から日本人を見た個人的な感想です)
実際にアメリカで商売をする上でも、佐藤は最初こそ勘違いしていましたが実は日本人の感性は大いに通用する部分があります。
過去にニューヨークで暮らしながら仕事をしていた頃、社会人になって間もない駆け出しの佐藤は
「人に涙を見せてはいけない」
「不用意に相手に謝罪してはいけない」
「常に相手を論破しなければならない」
そんな認識で毎日を暮らしていました。
補足すると、基本的にニューヨーカー達もみんな根っこは心優しい人たちばかりです。
けれども毎日の仕事に追われ、来る日も来る日も
競争
競争
競争
そんな、エネルギッシュながらも勝つか負けるかのガチンコ勝負で日々を過ごすと心は疲れ、ついついお互いの言葉は険のある言い方になってしまいます。
その気負いが最も際立つ場面はやはり
「価格交渉」
です。
とりわけ
B to B(Business to Business:企業が企業に対して提供するモノやサービス)
の場面では感情面は抜きに、論理思考と数字に裏打ちされた価格交渉が展開されていきます。
余談ですが、日本を代表するある商社のトップセールスマンの方がいうには大企業レベルの多国籍企業間の交渉では
「インド人が味方につくと最強」
なのだとか。
流石にゼロを発見した国は数字に強く、論理思考に長けている為に交渉術は世界トップレベルなのだそうです。
確かにプログラミングの世界でもインド人は群を抜いている気がします(グーグルの現CEOもインド人)。
譲る心で相手に語る
そして冒頭のように
「自分を主張することが何よりも大事」
との気負いでアメリカ社会に入り、ご多分に漏れず佐藤も交渉相手を言い負かすことに全力を尽くしてきました。
けれどもある時、
「どうも違うな」
と感じるようになったのです。
それは特に不動産業界に足を踏み入れるようになってから感じたことですが、B to Bであっても
「相手を論破して打ち負かすと、結局は損をする」
「その長期的損失は計り知れない」
そんな風に気づいたのです。
例えば、普通の商売でも
「もうちょっと安くなりませんかね?」
「もう一声、あと$500下げてもらえませんか?」
このように何が何でも価格を下げて、これ以上ない低価格を獲得して勝ち誇る場面が見受けられます。
このように価格をゴリゴリ下げてくる勝気な交渉人のことをアメリカでは
Grinder(グラインダー)
と表現します。
豆をすり潰すかのように価格をゴリゴリと下げていく行為で、やられる業者にとっては精神的な痛みも伴うことでしょう。
不動産の世界でこれが起こりがちなのは、施工業者との交渉の場面です。
投資家の中にも管理会社や施工業者に対して、相当なレベルでゴリゴリと攻めていく人を見かけることがあります。
けれどもここは本当は、日本人が本来美徳とする
謙虚さ
譲る心
を用いた方が上策なのです。
若かりし日の佐藤は場所がアメリカならアメリカ流儀でとばかりに気づいていませんでしたが、施工業者に対しても
「これはちょっと高いな」
「あと$〇〇〇値下げしてくれ」
と立場を利用してゴリゴリ攻めていくことは上手くありません。
それよりも
「予算は$〇〇〇が限度なんだ」
と正直に伝え、
「あなたに今回の仕事を譲りたい(本音)」
「あなたのいつもの仕事をリスペクトしている(本音)」
「けれども予算オーバーだからこの部分の素材をグレードを下げて、予算に収まりきるようにして欲しい」
このように言うと、大抵の業者は快く味方になり
「いや、値段を$〇〇〇だけ負けるから、素材はこのままでいこう」
と言ってくれるものです。
何よりもポイントは、心からの本音で
「あなたの仕事はいつも素晴らしい」
「仕事への姿勢を尊重している」
「少しでも稼いでもらえるように、配慮したい」
そんな風に相手を慮り、自分が素材を落としても構わないくらいの譲る心で相手に接していく方が吉と出ます。
もしもこれが業者のことを全く考えずに
Grinder(グラインダー)
方式にゴリゴリ値段を下げて勝ち誇っていたとしたら、、
どうなるかといえば、大抵は次の機会からその業者は
「最初から随分高い値段で見積もりを出してくる」
ものなのです。
業者も生活がありますから、それなりに利益を出す必要があります。
そこで投資がGrinder(グラインダー)の烙印を押されてしまうと、次回から値下げ想定済の高い値段で出され、ゴリゴリ値下げた後に
「今回もやった!かなり値下げたぞ!」
と投資家は自己満足に浸りながらも、実際は業者の協力を全く得られずに値段は下がっていない結果になるものです。
そうではなく、
相手を慮る
相手の仕事を尊重する
といった譲りきる姿勢で業者に接した方が、結局は長期的に自分が得をする結果となります。
「値下げしてくれないなら、値下げしてくれる次の業者を探せばいいよね。」
という論もあるかもしれませんが、現実は甘くはありません。
特定の地域市場で腕のいい業者は実際は限られていますから、相手をゴリゴリしすぎて敬遠されてしまうとことは
「腕のいい(長持ちする)修繕作業の機会を失う」
ことになるのです。
果ては破格の値段で請け負うB級、C級の腕前の業者からの粗悪な仕上がりしか享受出来なくなってしまいます。
結果として、相手を打ち負かしてその時は気分が良かったとしても、長期的には大きな損失を被ることになりかねません。
そんな過去の経験から、
相手を慮る
相手に譲る
という姿勢はグローバルに通用すると考えるようになりました。
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