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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
今月1月20日に第46代ジョー・バイデン大統領が正式に誕生し、米国は新しい政権による舵取りが始まりました。
閣僚の顔ぶれはほぼオバマ大統領時代のメンバーとなり、第3期オバマ政権とも揶揄されています。
連日メディアでも報道されているとおり前トランプ大統領の匂いを消すかの如く、或いはオセロをひっくり返すがの如くに
「パリ協定」復帰
WHO脱退手続きを停止
等、次々と前政権とは正反対の大統領令に署名が行われました。
そして就任翌日の21日に行われた最初のスピーチで発表されたのは$1=100円換算で190兆円もの予算を組んでの
「American Rescue Plan(アメリカ救済計画)」
です。
この計画は二段階に分かれ、
第一弾:Rescue Plan(救済計画)
第二弾:Recovery Plan(回復計画)
と名付けられた二つの計画をもって目先のコロナウイルス対策に尽力していくとのこと。
190兆円という大規模な予算は
100兆円 ⇒ 市民への直接的な救済
44兆円 ⇒ ビジネス救済
との割り当てになるようで、市民に対する救済措置としては早速
「三回目のStimulus Check(スティミュラス・チェック:景気刺激政策としての現金支給)」
が発給される案が検討され始めています。
第二回目の$600は昨年末に実施されたばかりですが、
「それでは全く足りない」
との新大統領の強い主張から、第三回目は$1,400として第二回目と合わせて$2,000となるようです。
このような新大統領の動きに民主党派の人々は
「悪夢の4年間が終わった」
と胸をなでおろしているでしょうし、反対に共和党派の人々は
「この国は終わった。どんどん共産主義に近づいていく」
と構える人々が多い様子。
私(佐藤)自身はどちら側でもなくこの国の行く先を見守るだけの立場ですが、最もよい形に軟着陸することを願うばかりです。
不動産市場に関わる救済措置は
そこでバイデン新大統領が打ち出した
「American Rescue Plan(アメリカ救済計画)」
の中でその第一弾となるRescue Plan(救済計画)が迅速に進められていますが、発表された計画の中で不動産市場に大きく関わってくる項目に注目してみましょう。
Pandemic Unemployment Compensation(パンデミック失業手当)
仕事を失う人々が多い中
- モーゲージ支払い
- 家賃支払い
を継続する為にはそれを賄うためには必要です。
失業手当の制度そのものは米国にも元々ありますが、このパンデミックの状況下においては追加の特別支援となるパンデミック失業手当が用意されています。
このパンデミック失業手当は減額されつつも延長されており、前回は年末の
2020年12月26日
に期限切れとなる予定だったものが、追加救済案を受けて
2021年3月14日
まで延長されていました。
しかしながら今回の新大統領の命令により3月14日以降も延長とし、現時点では本年の9月末まで延長となることが決定しています。
その金額は現行の週$300から$100プラスの週$400です。
まとめると、ここからのパンデミック失業手当は
~ 2021年3月14日:週$300
2021年3月15日 ~ 9月30日:週$400
となります。
もっぱら失業者全員が等しく毎週$400を支給されるわけではなく、失業前の収入に応じて金額が定められる中での最高額が$400です。
実際のところ家賃を支払い続けるとなると足りない人々がほとんどだろうと思いますが、それでも一カ月で$400増えるのであれば生活の足しになることは間違いありません。
Eviction Moratorium(エヴィクション・モラトリアム:強制退去の禁止)
そして賃貸物件を所有する人々にとって最も気になるのはエヴィクション・モラトリアムについてです。
この点は旧年中に出された追加救済案の中でエヴィクション・モラトリアムはそれまで
2020年12月31日
で期限切れであったはずが、救済案により
2021年1月31日
まで延長された経緯があります。
過去とは違い、1カ月しか延長されなかった様子に
「これ以上の延長は難しいとの判断では」
と予想していましたが、案の定新政権ではより寛大に進める方針の様子です。
結果として今回は前回の延長期間よりも1カ月長く、
2021年3月31日
までの延長となりました。
これにより、賃貸物件のオーナーは仮にテナントが家賃支払いが出来なくなった場合でもそれがパンデミックの影響が理由であれば、3月31日までは強制退去が出来ないことになります。
結局のところ、新大統領がそのスピーチの中で強調していたとおり
「食と住の確保」
を絶対基準とする上では今後も必要なだけドル紙幣を刷り続け、また強制退去の禁止も必要なだけ延長が繰り返されるのではないでしょうか。
ただし、エヴィクション・モラトリアムの効果は3月以降は効き目がなくなってくる可能性があります。
なぜながら、エヴィクション・モラトリアムは強制退去を禁ずる一方で「契約更新を義務付ける」としているわけではないからです。
すなわち、賃貸契約である以上はそこには賃貸契約があります。
米国の住居賃貸契約の中で最も多い契約期間のパターンは年間契約ですが、この契約が切れるときはテナントは物件に暮らし続けたいのであればオーナーとの交渉の中で家賃値上げ分を定め、その新しい価格をもって更新契約を行うことになります。
ところがエヴィクション・モラトリアムは更新契約を義務付けているわけではありませんから、強制退去が出来ない場合はその物件のオーナーは「本年は契約更新はしません」とできるわけです。
このエヴィクション・モラトリアムは昨年3月末に制定されたケアーズ法の一つとしてスタートしましたが、今回発表された本年3月31日までの延長で1年が経過することになります。
そうするとこれまでにも更新をしないパターンはすでに多く発生していたでしょうし、騒ぎから1年が過ぎた3月31日の期限切れの前にさらに延長が発表されたとしてもそこから先は
「オーナーが契約更新をしてくれずに退去になった」
というパターンが増え、実質エヴィクション・モラトリアムの効果がなくなると予想されるのです。
もしもオーナーによる契約未更新がトレンドとなる場合、実質の強制退去となる人々が4月以降に更に増えてくるかもしれません。
バイデン政権による不動産市場への影響について、引き続き観察していきましょう。
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