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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨年のパンデミック以降、価格上昇が続いていた建築コモディティの一つにLumber(木材)があります。
Lumber(木材)は建物の建築や修繕に必要不可欠な要素であり
1.木を伐採する
2.製材工場で整える
3.市場に卸す
の手順で不動産市場に流れてきますが、このLumber(木材)の価格が昨年から高騰し続けていた流れがあります。
その理由は上記の工程を見て想像がつくとおり、
1.木を伐採する
2.製材工場で整える
この2つの過程で作業そのものがパンデミック下に大きく制限された為にLumber(木材)の供給が例年を大きく下回ったこと、また運送費が高騰したことです。
そこでまずは昨年以降のLumber(木材)価格の変化を見てみましょう。
このとおり、昨年のパンデミック発生直後の3月から4月まで価格は約10%の下落。
けれどもも翌月5月に回復を見せた後は一気に価格が上昇しはじめ、ピークの2020年9月までにはなんと5月時点から80%も価格が上昇しています。
前述のとおり木の伐採や製材行程がパンデミック下の制限により進まなくなった結果、供給が極端に減ったのです。
その一方でアメリカ不動産市場は2020年5月以降、不動産価格が大きく回復してそのまま資産バブルの領域に入り始めたのは記憶に新しいところです。
この点はFRB(連邦準備制度理事会)によるゼロ金利政策の影響が最もインパクトが大きく、
「物件を購入するのは今だ」
とばかりに全米各地で物件購入者が増えた結果、物件価格上昇が続いてきました。
すなわち昨年は
⇒ 材木の需要が大きく増える
⇒ けれども資材の供給は減る
という式で資材価格が急上昇していたわけです。
そしての上のグラフのとおり2020年10月と11月には一旦価格が下がり落ち着きを見せますが、本年に入り再びLumber(木材)価格は急上昇し、5月まで破竹の勢いで価格が上昇してきた経緯があります。
紛れもなくLumber(木材)市場はかつてないバブルに見舞われていたわけです。
結果として、Lumber(木材)価格の上昇を吸収できないデベロッパーはそのまま物件価格に上昇分をスライドさせるしかなく、米国不動産の一戸建て新築物件では平均$34,000ほどの価格上昇が確認されていました。
また新築物件のみならず、物件管理でもその修繕において多くのLumber(木材)が必要となります。
その為に不動産管理においても物件修繕費が高くなる現象が起きています。
急速にLumber(木材)価格が下がり始める
ところがこの夏、ここまでの資材高騰の流れが大きく変わりました。
一言でいえば「Lumber(木材)価格のバブル崩壊」です。
冒頭のアメリカ合衆国労働省労働統計局の統計によるグラフは2021年5月分までですので、その先を見せてくれるグラフを俯瞰してみます。
上記の如く、2020年5月以降は価格が雪崩を打つかの如く下がり続けていることが分かります。
参考までにLumber(木材)価格の単位ですが、アメリカやカナダのLumber(木材)市場では
board-feet(ボードフィート)
と呼ばれる単位が使われています。
1board-feet(ボードフィート)は
厚さ … 1inch(インチ)
縦 … 1feet(フィート)
横 … 1feet(フィート)
の板材の体積です。インチだけで言えば
12インチ × 12インチ × 1インチ
であり、体積をメートルとセンチで表せば
0.002359737216立方メートル(m³)
2359.737216立方センチメートル(cm³)
の容量となります。
ごく普通に手で持てる大きさということになりますが、このサイズの価格が
2020年3月30日 … $264.10
2020年5月10日 … $367.10
2020年8月31日 … $948.00
2021年4月19日 … $1,292.50
2021年5月3日 … $1,686.00
と6倍以上の価格になっていたものが、
2021年5月24日 … $1,309.50
2021年6月28日 … $756.70
と本年5月以降から本項の時点まで8週連続で価格が下がり続けており、5月初旬の最も高騰した時期からなんと57%も価格が下がっています。
1カ月でこれだけの下落はアメリカのLumber(木材)市場では1978年以来の最も大きな下げであり、正に
「Lumber(木材)市場バブル崩壊」
が現在進行形で起こっているのです。
この価格がどこまで下がるのかといえば、普通に考えればパンデミックに影響される以前の
2020年2月10日 … $451.40
あたりの水準に戻ると考えるのが自然ではないでしょうか。
いずれによせ、Lumber(木材)下落の傾向は
「新築価格高騰、修繕費用高騰の落ち着き」
をもたらすことは間違いありません。
またもう一つ重要な事実は、
「パンデミックがきっかけで高騰した価格は元に戻る可能性が高い(高騰は一過性である可能性が高い)」
ということです。
この点は語るまでもない至極当然な現象ではありますが、実際に暴落の様子を見るとこの予想は確信に変わるものではないでしょうか。
今回のLumber(木材)価格の暴落を見ていると
「コモディティの価格はパンデミック以前の推移に戻る」
このことはほぼ間違いないでしょうし、大局をみれば今の資産バブルがどのように着地するのかも実感として見えてくるように思うのです。
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