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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
Eviction moratorium(強制退去禁止)に関する最新情報を確認しています。
本年7月31日に失効されたはずだったEviction moratorium(強制退去禁止)はその3日後の8月3日、
「限定的な強制退去禁止」
とやや名称を変えて新たに
CDC(Centers for Disease Control and Prevention:アメリカ疾病予防管理センター)
から強制退去禁止の勧告が出されています。
これまでにもEviction moratorium(強制退去禁止)に関する延長措置は繰り返されてきましたが、今回は
- 失効前の延長ではなかった(失効から3日後に再施行)
- 限定的な措置との名称
という点が違います。
ポイントをもう一度おさらいすると、
● コロナウイルスの拡散が甚大である地域(https://covid.cdc.gov/covid-data-tracker/#county-view)のテナントを強制退去禁止の対象エリアとする
● 強制退去禁止は8月3日から10月3日までとする。同地域の中でコロナウイルスの拡散が収束したとみなされる地域では強制退去禁止の対象から外す。
● 対象地域の対象テナントは物件オーナーに誓約書を提出すること。すでに提出している場合は再度提出の必要はなし。
● 過去の累積家賃について免除はなされない。
CDCによる限定的な強制退去禁止施行内容(2021年8月3日)
と上記リンク先から分かるように限定的というよりは全体的な地域が対象となり、全米90%以上のテナントが対象となります。
私(佐藤)自身はこの措置を全面的に否定するつもりもなく、実際に混乱が予想される上では然るべきサポートはなされるべきだろうと思います。
けれども強調しておきたいのは、
「テナントは守られるけれども、その一方で物件オーナーは守られていない」
という事実です。
平等に救済措置を取るのであれば物件オーナーに対しても
- 固定資産税の割合的減額
- 水道光熱費の割合的減額
等、何らかの支援があってもよさそうなものです。
現時点では物件オーナーは負のスパイラルの受け止め役になっており、かなりの負担を強いられている現状があります。
かくして混乱が続くアメリカ不動産市場ですが、この繰り返されるEviction moratorium(強制退去禁止)の延長を受けて全米各地で訴訟の動きが見られる様子。
その一部を見ていきましょう。
ロサンゼルスにて大型訴訟
全米各地の中でもロサンゼルス地域の実例を挙げてみます。
ロサンゼルスにジェフリー・パルマーという著名人がいます。
不動産開発業者であり、GHP Management Corpという不動産管理会社を率いる人物です。
GHP Management Corpが管理するのはマルチファミリー物件であり、南カリフォルニアで管理する物件は15,000棟を超えています。
15,000棟以上というと途方もない数ですが、これらマルチファミリー物件がパルマー氏が長年かけて育ててきた不動産事業の中核なのです。
そのアパートの一部は
上記リンク先でも紹介されていますが、所有するのは見てのとおり大型のアパート複合施設。
そして昨年のパンデミック以降、恐らく南カリフォルニアではGHP Managementほど経済的打撃を受けた企業はないかもしれません。
当ブログでも昨年からEviction moratorium(強制退去禁止)に関しては再三お伝えしていきていますが、このGHP Management社に暮らす数多くのテナントが
「パンデミックの影響で家賃が支払えない」
として家賃を滞納しており、GHP Management社はそのまま物件に暮らし続けるテナントを数多く抱えています。
その訴状によるとパンデミック以降、所有する12のアパート物件において家賃収入に対し合計20億円以上の未払いがあるとのこと。
また自社の運営費を合わせると、実に100億円以上の損害があるとの訴えです。
最初の訴訟に関してはロサンゼルス市の方に軍配が上がり訴状は退けられていますが、これに続けてGHP Management社は2度目の訴訟を、今度はロサンゼルス郡サンタクラリタ市のアパート物件において50億円からの損害があるとして起こしています。
この2度目の訴訟が出されたのはカリフォルニア州ニューサム知事が独自に
「本年7月31日以降もカリフォルニア州は9月30日まで自主的に強制退去禁止を延長する」
と打ち出してから間もなくのようですが、ここは民主党の州であるカリフォルニア州にあってパルマー氏は筋金入りの共和党とされているので合点がいく話です。
同氏は2019年にはトランプ大統領を支持する寄付金集めを主導しており、カリフォルニア州内ではトランプ氏への献金者としてのトップに名前を連ねています。
その反対に今回のパンデミック以降の対応を受けて州内でEviction moratorium(強制退去禁止)を先導する
カリフォルニア州ギャビン・ニューサム知事
ロサンゼルス郡ジョージ・ガスコン検事長
両名の解任働きかけにそれぞれ2000万円以上、1100万円以上を費やしています。
そうすると少なくともGHP Management社によるEviction moratorium(強制退去禁止)に関する南カリフォルニア最大の訴訟には、単に経済的な損失のみならず政治理念の違いも大いに絡んでいるといえそうです。
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