こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
入口戦略:中途戦略 = 8:2
の割合をもとに、中途戦略時の詳細についてお伝えしています。
この中途戦略に不可欠なパートナーは物件が立地する地域市場で活躍する優れたプロパティマネージャーであり、新しいプロパティマネージャーを探す時のコツは昨日お伝えした通りです。
もちろん自分で探すよりも以前に入口戦略で世話になったブローカーに
「誰か優良なプロパティマネージャーを知らないか?」
と紹介してもらうのでも良いのですが、それでも自分自身で判断する基準をもっておくことに越したことはありません。
ちなみに、現実には
リアルター = 不動産投資家
ではありませんし、むしろ自分自身で不動産投資を実践しているリアルターの方が少ないと思います(少なくとも佐藤の知る限り)。
その為、
「随分仕事の出来るリアルターだな。こんな人に巡り合えてラッキーだ。」
と思うことがある反面、
「クロージングまでに地元管理会社と契約したいが、どの会社が評判がいいかな?」
と聞くと、
「いやー、知らないな。。」
と管理会社までは世話してくれないことの方が多いものです。
ここもまた割り切った完全分業制の概念がありますが、リアルターはあくまでもリアルターであり「物件売買の仲介役」以外の何でもありません。
実際のところ自分が投資家として活動していない限りはリアルターが不動産管理会社に関わる理由がありませんし、とりわけ自分で投資を実践していないリアルターの場合は不動産管理会社とのつながりはないのが普通です。
以前、とある市場でかなり勢いのある大手不動産ファームに所属するエージェントの世話になったことがあります。
その時は期待以上の仕事をしてくれ、うまくディールを引き出してくれて満足な取引となりました。
その売買契約期間中に
「ところで、君の知ってる中で地元で評判のいい不動産管理会社を紹介してくれないかな?」
と聞いたところ、
「いや知らないな。自分のファームの他の者に聞いてみるよ。」
とのこと。そして数日後に返ってきた返答は
「すまない。うちは売買仲介専門だから誰も知らないみたいだ。。」
というものでした。
この規模のファームで誰も不動産管理会社につながりがないことに驚いたものです。
その周辺は穴場キャッシュフロー市場だった為に純粋な住居物件売買しか経験がないリアルターがほとんどでもおかしくないとは思いましたが、この時も結局は昨日までにお伝えした方法で自分で探したのでした。
中途戦略のキモ

かくして不動産物件を購入したら、末長く運用を続けていく上では中途戦略の要として地元のプロパティマネージャーを雇うことは必須となります。
そして中途戦略の過程で見ていく数字は自分で商売を進めるときの基本中の基本と概念は全く変わりません。
ここでいう商売の基本とは
「出る(出費)を抑えて入る(収入)を増やす」
という数字上の経営学です。
経営学というと大げさですが、現実にその通りで不動産投資とはすなわち不動産事業であり、物件オーナーとなるあなたは立派な事業主です。
中途戦略の過程では経営者として収入を増やしつつ、支出を抑える技量(と度量)が問われることになります。
そこで経営者である自分が雇うのが地元のプロパティマネージャーであり、実際に管理契約上も自分とプロパティマネージャーの関係は専門用語で
「General Agency(ゼネラル・エージェンシー)」
と呼ばれる関係で結ばれ、あえて主従関係をハッキリ語るならば
主 … 物件オーナー
従 … プロパティマネージャー(オーナーの代行手続き者)
となり、そのプロパティマネージャーへの代行権限をどこまで譲渡するかが物件管理契約書内で網羅されているわけです。
この主従関係を理解した上で、プロパティマネージャーには中途戦略成功の立役者としてしっかりと働いてもらわなくてはなりません。
余談ですが、契約上は物件オーナーの方が主従関係としては上だからと言って命令形でプロパティマネージャーと接し続けると、結構な確率で失敗すると思います。
プロパティマネージャーも同じ人間ですし、
「法律が最も重要視されるアメリカでは契約が全て。感情は必要ない」
とは真実から程遠いものです。
もちろんウォール街のような極めて競争の激しい場所では人としての感情が見えにくくなる場面も多いものですが、それでも相手はAIではなくあくまでも人なのです。
少なくとも不動産管理会社を選ぶ初期段階で自分の選択に自身があるのなら、しばらくは自分の期待値に沿って動いてもらえるようにすり合わせる期間が必要となるでしょうし、常に相手の仕事をリスペクトすることで期待以上の仕事をしてくれるものです。
結局のところ、この点は経営者と全く変わりがありません。
自分が役職が上だからと言って上から目線で接し続けていたとしたら従業員は徐々に不満が溜まってくるでしょうし、
- ミスはしっかりと注意する
- 褒めるべきはしっかりと褒める
という姿勢は常に経営者に求められるもの。
最悪の場合、どうしても会社の期待値に沿わないのであれば
「すまないが。。」
と声をかけなければならない時もあるかもしれません。
このような場面は不動産物件を所有してプロパティマネージャーと契約を結ぶ場合とほとんど差はないものです。
少なくとも初期の段階で自分の理に適う基準で管理会社を選ぶことは、会社経営で言えば会社の基準で採用面接を行ったことと同じです。
自分で納得する基準で初期に採用するわけですから、
⇒ 期待値に沿ってもらえるように忍耐強くトレーニングを続ける
⇒ どうしても難しければ新規従業員(新しい管理会社)を雇う
この繰り返しで
「この人(管理会社)なら大丈夫」
というレベルに仕上げていくしかありません。
そしてこのプロセスもまた、中途戦略には必要不可欠なのです。
かくして従業員(プロパティマネージャー)には大いに活躍頂きたい中途戦略ですが、その仕事に大きく期待したい能力として
「テナント候補のスクリーニング能力」
をあげてみましょう。
明日に続けます。
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