昨年以来、米ドルで資産運用を志す方々からのコンサルティング依頼が急増しています。
弊社ではアメリカ不動産コンサルティングに加え、州規制当局に登録されるRegistered Investment Advisor (RIA)としてアメリカ国内での資産運用全般のコンサルティングも提供しており、内容は不動産投資以外となりますが、初心者の方々からのご質問を総括する意図で株や債券に関するまとめ記事を1月7日から期間限定であげさせて頂きます。
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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
「金融知識を高めて将来に向けた準備を」
との趣旨で、アメリカ不動産金融に特化してお伝えしています。
およそ世界中の教育システムで惜しむらくは、子どもたちのどこの教育カリキュラムにも
「お金」
に関する授業がほとんどないことではないでしょうか。
世の誰もが現代社会でお金とつき合って生きていくわけですから、本来であれば小学生のカリキュラムでも
国語、算数、理科、社会、お金
と「お金」が一つの科目として存在してもよいくらいです。
実際に世の不幸の多くはお金に絡むものですし、アメリカの場合は大学生になってクレジットカードを手にした途端、借金のサイクルにハマり始める若者のパターンに枚挙に暇がありません。
社会そのものが消費者に対し
- 電化製品
- 美容系
- 健康志向系
等、あらゆる商品を「借金をして購入できる」ように仕掛けられていますし、お金の知識がゼロのままでそんな社会に飛び込んでしまえば誰だって「狩られてしまう」のです。
本来は基本的な金融知識は社会に出る前に身につける環境が整えられているべきでしょうし、現代社会はあたかも
「社会で借金の罠に掛かってもらう為にわざわざ金融知識を学ぶ機会が抜かれている」
ようなもの。
このような時代にあっては自分で知識武装するしかないでしょうし、いわんや不動産投資にしても
不動産投資のプロになる = 不動産金融のプロになる
といっても過言ではありませんし、、十分な金融知識を身に着けてこそ
⇛ 補助輪なく全力で自転車をこげる
⇛ 重力を無視してモトクロスで自在に妙技を見せる
ことが出来るようになるものです。
そこで本シリーズではアメリカ不動産金融のほんの一部ですが、基本的な部分についてお伝えしています。
実際には前知識はもちろんのこと、自分で不動産投資を実践してみないことには分かりようのない金融知識があることも事実です。
それでもアメリカで
- (投資を兼ねた)住居用物件購入
- 投資用物件購入
のいずれか(もしくは双方)を検討する方々にとって少しでもその前知識となり得ますので、ポイントを押さえて要点をお伝えしていきたいと思います。
今日はLLC用の融資に関する質問についてです。
LLCで30年固定金利の融資を受けるには
LLCで物件を所有する方々から質問を受けることがあります。
「LLCでは通常のローンが受けられません」
「LLCでは変動金利で融資を受けられても、固定金利融資が引けず困っています」
「LLCの融資審査で多額の費用がかかるのを避ける方法はありますか」
という類の質問です。
それ以前に、
「物件をLLCで所有するべきか否か」
という話になると、私(佐藤)自身は自分基金構築の目的と目標の意味で圧倒的に有利になり得る法人形式を選んでいます。
このあたりは不動産投資に対する本人の
- 目的
- 目標
- 現状
に大きく委ねられる部分があるために個別コンサルティング時には
LLCをお薦めする場合
LLCはお薦めしない場合
の双方がありますが、さしあたりここでは
「LLC名義で固定金利で融資を引いて物件を購入したい」
或いは
「LLCで物件を所有している(現金で購入し、これからLLC名義で固定金利をもってリファイナンスしたい)」
という場合について見ていきましょう。
ちなみに通常はLLCで融資を受けるにはその審査だけでも
$1,500 〜 $5,000
の審査手数料がかかるものです(法人の規模により違いがあります)。
そこで審査に落ちようものなら結構な痛手を被ることになりますから、そうするといよいよ
「自分の目的と将来のことを考えればLLCで所有した方が良い」
と思えたとしても、審査料ですら高額になるのならば躊躇してしまいます。
けれども、このあたりは法律違反でもなくグレーでもありませんので遠慮なくこの公のブログでお伝えしますが、
「LLC名義で30年固定金利で融資を受ける方法」
「高額なLLC審査料を支払うことなく融資を受ける方法」
はあります。
教科書にも出てこない、LLC名義で上手に融資を受けるその方法とは
「個人名義で融資を引くこと」
です。
物件名義 … LLC
モーゲージ名義(債務者)… 個人
この形であれば、普通のモーゲージ会社ですら
30年固定金利
で融資をしてくれます(自分の経済状況に当てはまるかは、ご自身が利用されるモーゲージ会社に直接確認してください)。
ただし、厳密にはこの個人名義での融資が可能なのは
1 〜 4戸
までの住居用で分類される物件に限られます。
より厳密には5戸以上の商業物件と分類される物件でも30年固定金利はあり得ますが、この商用レベルで融資してくれるのは
プライベートバンク
等であり、同じ30年固定金利でも通常のモーゲージ会社よりも金利が
1〜2%
は高くなると思います(それでも変動金利よりはリスクは低いはず)。
そしてもう一つの絶対条件は、
「そのLLCを自分が100%所有している」
ことです。
資産形成の意味ではもしもそれが
「自分基金の一部を構成するLLC」
であれば、LLC所有者に配偶者は入れたとしても他人様は入れない方が良いと思います。
自分基金の一部ではなく単体のプロジェクト用のLLCであれば他人様とお互い分割して所有権を持つこともあると思いますが、自分基金ではまず他人様は入れるべきではありません。
そして自分(と配偶者)が100%所有するLLCであれば、個人名義でも問題なく融資は可能なはずです。
そこでもしもあなたが
⇛ 1 〜 4戸までの住居用物件をLLC名義で購入したい(すでに購入している)
⇛ LLC名義で購入した1 〜 4戸までの住居用物件をリファイナンスしたい
という場合、真っ先に手続きを予定している(すでに契約している)
- モーゲージ会社(或いはその他銀行等の融資機関)
- 保険会社
の双方に確認をしてみましょう。
「所有権100%のLLCを所有しています」
「この100%所有のLLCで個人で融資を引きたいのですが可能でしょうか?」
「この100%所有のLLCで所有する物件に個人が被保険者となることは可能でしょうか?」
そんな風に確認してみてください。
大抵のモーゲージ会社と保険会社では答えは「Yes」ですし、問題なくLLCで30年固定金利で融資が実現するはずです。
免責
本稿は佐藤個人の知識と経験を共有するものであり、読者の状況に対して何ら成果を保証するものではありません。
実際に適用される前には必ず自分の状況に当てはまるかを確認してください。
特にLLCをS Corporationでタックスファイリングされる方は税務上で問題が出る可能性が高いため、公認会計士にご相談ください。
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