昨年以来、米ドルで資産運用を志す方々からのコンサルティング依頼が急増しています。
弊社ではアメリカ不動産コンサルティングに加え、州規制当局に登録されるRegistered Investment Advisor (RIA)としてアメリカ国内での資産運用全般のコンサルティングも提供しており、内容は不動産投資以外となりますが、初心者の方々からのご質問を総括する意図で株や債券に関するまとめ記事を1月7日から期間限定であげさせて頂きます。
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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
入口戦略に引き続き、中途戦略に特化して適した性格として
「勢いはないけれども細部にこだわる管理肌タイプ」
と同時に、後天的にでも身に着けておきたい能力として
「コミュニケーションスキル」
を挙げました。
補足すると、
「細部にこだわるタイプ」
とはより厳密にいえば
「システムにこだわるタイプ」
の意味です。
「他人の動きに逐一目くじらを立てて指示を出す」
このような他人の行動を自己流儀に合わせてもらうタイプは成功率を自ら下げる傾向があります(佐藤個人の感想です)。
細かくこだわるべきは人の動きではなく「管理システム」そのものであり、
「全体の作業フローにほころびはないか」
「一カ月間の運用結果に数字上の問題はないか」
等の管理システムにこそ拘るべき。
この点は恐らく会社経営のそれと寸分の違いもないように思います。
社長自身が雇う人々のスケジュールを事細かく管理し、仕事の詳細に逐一口を挟んでくるような場合、従業員の息苦しさはかなりものです。
早晩、残る社員はイエスマンや指示待ち人間ばかりになるでしょうし、本当にやる気のある社員はそんな会社をさっさと見限って出ていくもの。
もちろん仕事そのものの事細かい管理は必要ですが、管理されるべきは「システム」であり、「人」そのものをギューギューに管理してしまうと伸びる事業も伸びなくなります。
そしてこのことは不動産管理でも同じです。
不動産投資とは不動産事業そのものであり、ポートフォリオの一部である単体の物件そのものが一つの小さな事業と言えます。
特に全米各地にポートフォリオを広げる場合、自分がバラバラに所有する物件はそれぞれの場所でそれぞれのチームにより管理・運営がなされているはずですし、オレゴン州のプロパティマネージャーがテネシー州の物件を管理することはあり得ません。
そうすると単体の物件を運用する上ではそこには独自のチームが存在するはずであり、物件オーナーとしてはその運用に携わる人そのものではなく、管理システムに細かく拘る必要があるのです。
プロパティマネージャーを雇う本当の意義
そこで不動産運用の要となる中途戦略を整え、かつ継続的に実行していく上で必要不可欠な存在がプロパティマネージャーです。
このプロパティマネージャーと上手にコミュニケーションをとりながら、プロパティマネージャーが実践している「管理システム」そのものを細部にこだわって確認し続ける必要があります。
一度しっかりと確認すれば、あとはそれが維持されているかの定期的な確認のみです。
ちなみにプロパティマネージャーとのコミュニケーションとなると
「自分は人付き合いが得意ではないし、プロパティマネージャーとのコミュニケーションは避けたい」
「何よりも年間の管理料が削減できる」
として自己管理の道を選ぶ人々もいます。
もちろん物件管理そのものが自分の性に合っているというのであればそれでもよいかもしれませんが、少なくとも不動産をして老後に備える自分基金を確立していきたいのであれば、物件の自己管理は避けておいた方がよいと思います。
自己管理を選んで多少の経費を削減したところで物件管理に費やす費用対効果としてはこれほど効率の悪いものはありませんし、不動産管理業という分野そのものがさほど利益の高い商売ではないのです。
そして実を言えば、プロパティマネージャーを雇わないことは経費の話以上に大きな損失があります。
その大きな損失とは
「プロパティマネージャーの経験値」
です。
日本でも「人的レバレッジをかける」という表現を耳にすることがあると思います。
レバレッジとは小学校で習うテコの原理のことですが、人的レバレッジとなると
「その分野で経験のある他人様の力を借りることで、自分が望む成果をより効率よく上げていく」
という意味です。
その人的レバレッジとしては
1.自分でもそれなりのレベルでこなせるけれども、あえて他人に依頼することで時間を節約する(その時間を自分にしか出来なことに使う)
2.自分が得意としないことを、その分野を得意とする人物に依頼して大きく成果を上げる
という二通りが考えられます。
そしてプロパティマネージャーを雇うとは正に、この後者のことです。
プロパティマネージャーはその地域市場に長年携わっている者であればそれなりのレベルに達しています。
- その市場の各物件タイプの市場賃貸価格
- 高いキャッシュフローが期待できるスポット
- 地元の良質な業者
に始まり、それぞれの細部にわたりその地域市場に特化した管理能力を蓄えています。
そして長年にわたり高評価が続いているとすれば、高い確率でそのプロパティマネージャーその人が
⇒ 質の高い管理システムを所有している
⇒ 管理システムの維持とその点検に余念がない
証拠です。
これをもしも自分自身でゼロから不動産管理に携わったとしたらどうでしょうか。
もちろん右往左往しながらも長年経験を積み上げて自分自身がプロレベルのプロパティマネージャーになれる場合もあると思います。
けれども果たしてそれが本当に望むべき成果なのかは疑問が残りますし、それよりも然るべき対価を支払ってレバレッジ度の高い物件管理を実現した方がよいに決まっています。
「なるほど、そんな管理の仕方があるのか」
「そうか、ここではこんな風にテナントに対応すればいいのか」
そんな風に、デキるプロパティマネージャーを雇うことはそのプロパティマネージャーの経験値をもって不動産運用力にレバレッジをかけることに直結するのです。
明日に続けます。
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