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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
- 需要と供給
- 金利
- インフレ率
の観点から2022年のアメリカ不動産市場を予想しています。
昨日までに需要と供給のバランスを見てきましたが、この2つだけを見れば
需要
- 2021年ほどの需要は起こらず
- パンデミック以前の需要水準に戻っていく見込み
- けれどもミレニアル世代を中心とする需要が4〜5年は続く
供給
- 新築供給数は2006年以降のペースに戻る
- けれども全盛期の供給レベルには至らない
- 住宅供給不足は最低でも8年ほどは続く
等の要素から2022年も物件価格は上昇上昇基調が続くだろうことが予想されます。
不動産物件もまた「購入」という行為を実行するのは「人」です。
そして人がモノやサービスを購入する時、その最終判断は「感情」であることはよく知られています。
米国内でもコロナウイルス抑制の為に行動規制は若干あるものの、経済はそれなりに再開しつつあります。
ここ数カ月の佐藤個人の体験ですが、米国内出張で飛行機を使う時の利用者数は完全には戻っておらず、けれどもかなりコロナウイルス以前の水準に戻りつつあることは間違いありません。
そして空港に立ち寄る時に構内で目立つのが
- 完全に営業を再開している店
- 未だに閉めている店
の両極端な2つです。
空港によってはコーヒー1つ購入するにしても提供するお店が少ない分、長蛇の列に並ぶことがしばしばあります。
通常であれば誰だって(佐藤も)長蛇の列に並んでまでコーヒーを買おうとは思いませんし、理屈で考えればコーヒー1杯の為に時間を潰すことは理に叶いません。
けれども
⇒ 提供する店が他にない
⇒ けれどもコーヒーは飲みたい!
というのであれば、やはり人は(佐藤も)時間を犠牲にして長蛇の列に並んでしまうのです。
このような購入決断に感情を優先させてしまう現実は、家を買う時にも全く同じことが言えます。
当ブログではアメリカ不動産市場を語る時に投資家目線の情報にほぼ終始していますが、けれども現実にはアメリカ不動産市場で物件を購入しているのは
「不動産投資家ではない素人(普通の一般消費者)」
の方が遥かに多いものです。
不動産について専門的なことは知らない方々がほとんどですし、何度か引っ越して物件購入を複数回経験している人がいたとしても、過去の契約書の流れを事細かに覚えているはずがありません。
ましてや物件を初めて購入する人々に至っては、初めて契約書を読んでもその全容はほとんど掴めないものです。
至極当然ながら購入者の目的は契約書の小難しい内容とつき合うことではなく、
「自分が気に入った家に心地よく暮らしたい」
この感情面が全てです。
そして今のように不動産価格が上昇しつつあるとはいえ、
「結婚して子供が出来た」
「子供たちも大きくなって、部屋数が欲しい」
「けれどもここの学区からは離れてくない」
そんな、住に求める快適さへの欲求は(物件価格が上昇しているという)理屈を打ち破るものです。
特に自分のみならず子供が理由に絡む場合、
「価格が高騰しているのは重々承知だけれども、家族の事情を優先したい」
これが多くの親の気持ちなのです。
その心理的な力学は金額は大きく違えども
「空港内で長蛇の列に並んだとしてもコーヒーが飲みたい」
のベクトルとさほど代わらず、
「物件が高くなってるけれども家族の状況が変わった。家族がゆっくりくつろげる広さがほしい(賃貸を払い続けるよりも理に適う)」
という式が出来上がります。
そんな感情に絡んだ物件購入の動きはミレニアム世代を筆頭に今後も続くことが予想される為、アメリカ不動産市場への参入はまだまだいけるわけです。
加えて、今の米国で暮らす人々がそれでも物件購入に踏み切ってしまう強烈な数字的理由があります。
この数字が
「やはり自分の判断は間違っていない」
と自分の感情面からの決断を正当化する、一番の理由になっています。
その数字とは
「モーゲージ低金利」
です。
人は金利に動かされる
「金利が低い今がチャンスだ」
と人々が一斉に買いに走り、昨年のパンデミック以降に不動産市場が急激に活発になった最大の理由がこの低金利でした。
全体像を掴むべく、金利の動きを俯瞰できるグラフを見てみましょう。
上のグラフは米国のモーゲージ30年固定金利の推移です。
記録のある1971年からの動きを見ていると、たった今の時期は固定金利が米国市場で最も低い推移にあることが分かります。
前回の不動産価格暴落の時期ですら6%台から3%台に下がった程度で、記録によると最低金利は平均3.31%でした。
ところが昨年のパンデミック以降は金利がさらに大きく下がり、最低金利は平均2.65%にまで下がっています。
ここまで低い金利は歴史上ありませんから、
「物件価格が高いことは百も承知」
「けれどもモーゲージ金利が歴史的に低いことは事実」
そして購入するべき理由を
「数字を見ても購入するべきが今なのは明らか」
と結論付けて、人々を物件購入に走らせているわけです。
ちなみに先だって11月3日、FRB(邦準備制度理事会)はいよいよ量的緩和政策の引き締めを発表しました。
米国債等を大量に購入して市場にお金をどんどん流す「量的緩和」の縮小を開始するわけで、現状の
毎月1200億ドル(約13・7兆円)の資産購入
を毎月一定ペースで減らし、2022年6月をめどに資産購入を終了するとのこと。
これにより世界経済も影響を受けることは間違いありませんが、こと不動産市場にとって注目しておきたいのは
「政策金利を0~0・25%とする事実上のゼロ金利政策の維持」
この決定です。
すなわち金融政策を決定するFOMC(連邦公開市場委員会)の場でテーパリングの開始については一致した一方で、
「低金利は維持する」
との決定が確実となったのです。
今のところ、この政策金利を上げていく時期は
2022年第四四半期
とされていますから少なくとも現時点では2022年夏のピークタイムを含め、
「2022年も低金利は最低でも秋までは続く」
ことが予想されます。
「物件価格が高いことは承知」
「けれどもモーゲージ金利が歴史的に低いことは事実」
「今が買い」
このような感情面からの動機は一般消費者と不動産投資家の双方の購買意欲を刺激するもので、この低金利も理由で
「2022年も手堅い需要は崩れない」
「価格は上昇基調が続く」
と宣言せざるを得ないと思うのです。
明日に続けます。
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