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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
年末にあたり、良質なご質問を数多く頂いています。
本日はその中から、ご質問者様にメールでお答えした内容をそのまま記載してみたいと思います。
質問
目的により、答えが変わってくるとは思いますが、佐藤様のご意見をお伺いしたいです。
同じくらいの予算で
A)SFH、築浅、学校もまあまあいい
B)Duplex、築1970年前後、学校は良くて3くらい
もし、レントにした場合、多少Bの方が若干良いくらいもしくは、大体同じくらいだと想定します。
いづれも Buy & Hold で、できるだけ長期の保持です。
佐藤様ならどちらをご購入なさいますか?又その理由も教えて頂けますか?
【注釈】
SFHはSingle Family Homeの略で一戸建て、またDuplexは二世帯住宅のことです。
お答え
![](https://wedgerc.com/wp-content/uploads/2021/12/shutterstock_1714931941.jpg)
A)SFH、築浅、学校もまあまあいい
B)Duplex、築1970年前後、学校は良くて3くらい
の2つの異なる条件の物件があれば、どちらを購入するかとのご質問ですが、ここは
「目標に向けたロードマップの中で
たった今自分はどこにいるのか?」
で判断すると良いと思います。
ここに絶対解ではありませんが、不動産投資の王道は
「最初は小さい物件で慣れる」
そして
「徐々に大きい物件い」
の順番です。
過去記事で、投資家としての進化を乗り物で
1.三輪車
2.補助輪付き自転車
3.自転車
4.モトクロス
の流れで例えましたが、最初はやはり
「ベイビーステップ」
と呼ばれる進め方で小さい物件から開始し、
「これが投資物件を購入する取引の流れか」
「ローンオフィサーとはこうやってやりとりをするのか」
「こうやって他人様のお金は自分の口座に入ってくるのか」
「なるほど、このレベルの物件だと修繕はこれくらいの頻度で発生するのか」
「ほぼ予想どおり。この物件にこの家賃だと、これくらいキャッシュフローが毎月出るな」
と、不動産投資とは何たるかの感触を掴みながら徐々に規模を大きくしていくのが王道です。
私(佐藤)の場合は投資物件は
「2ベッドルーム」
がスタートでしたが、徐々に慣れる中でやがて大きい物件とも付き合えるようになりますので、最初は小さい物件から開始して、ある程度慣れてきたら複数世帯に進むのがよいように思います。
ちなみに矛盾するようですが、稀に初心者の方でも5戸以上の商業物件に分類される複数世帯にご案内することもあります。
クライアント様の中には
「この方は金融リテラシーが相当高いな」
「最初から複数世帯でも大丈夫だな」
と思われる方々が一定数おられ、
⇒ 金融リテラシーが最初から相当なレベル
⇒ 不動産投資に相当な意欲をお持ち(多少の冒険を厭わない)
という条件を満たされる方に対しては、一軒目から複数世帯にご案内することもあります(もちろん、佐藤が終始付き添います)。
そしてここが重要ですが、もしも不動産投資をして
「ポートフォリオを拡大し続けていきたい」
「毎月のキャッシュフローは1万ドル単位で欲しい」
「不労所得で暮らせるレベルになりたい」
と思うのなら、どこかの時点で複数世帯に進む必要は確実にあります。
もちろん
「私は不動産投資は一戸建て数件で満足」
「不動産事業からのキャッシュフローだけで暮らそうとは思っていません」
というのであれば、適切にエクイティも期待できる一戸建て物件を数件で留めるので良いと思います。
けれども
「老後は一切働かなくていいくらい、何があっても大丈夫なレベルの自分基金を構築したい」
と思うのであれば、複数世帯に進むことはおそらく避けられません。
それを前提に
A)SFH、築浅、学校もまあまあいい
B)Duplex、築1970年前後、学校は良くて3くらい
このどちらを選ぶかといえば、
1.自分は初心者(リスクは極小化したい)
2.数件だがすでに所有している(或いは過去に経験がある)
このどちらのステージに今自分がいるのかがポイントとなり、もしも自分が「1」であれば
A)SFH、築浅、学校もまあまあいい
こちらを選んだ方がよいことになります。
けれども今自分が「2」のステージにいるのなら、間違いなく
B)Duplex、築1970年前後、学校は良くて3くらい
こちらが良いです。
![](https://wedgerc.com/wp-content/uploads/2021/12/shutterstock_1152136358.jpg)
余談ですが、ポートフォリオを拡大していく不動産投資家達がすべからく複数世帯に進んでいく理由は、複数世帯は一戸建て物件と比べると
⇒ 1 sqf(スクエアーフィート)あたりのリターンが大きく、投資効率が良くなる傾向
⇒ 売買の絶対取引回数が少なくなる為、投下する時間効率が良くなる傾向
⇒ 家賃収入が複数から入る為、一戸建てのように住人入れ替え時に収入ゼロにはならない
等の様々な利点があるからです。
分かりやすく名の知れた方を上げれば、ロバート・キヨサキ氏の妻、キム・キヨサキ氏は6,000戸以上を所有しています。
1戸からの純キャッシュフローを保守的に$150としても、毎月
$900,000(6,000戸 X $150)
の純キャッシュフローを手にされているわけです。
しかもこれは保守的な数字で、おそらく毎月の純キャッシュフローはミリオンを超えているでしょうし、そこにはほとんど税金はかかっていないと思います。
彼女もまた
「小さい物件(キム氏は2ベッドルームから)でスタートして、やがて複数世帯へ」
の方程式で、今では複数世帯をもって6,000戸以上を実現されているわけです。
そして不動産運用の方程式としては
一戸建て
だろうが
複数世帯
だろうが基本的な数字の見立て方に大差はありませんし、プールの飛び込み台からスワンダイブを繰り返すかの如く同じことを繰り返し繰り返し実践し続けるからこそ、回転スピードも早くなることになります。
そんな風に、
A)SFH、築浅、学校もまあまあいい
B)Duplex、築1970年前後、学校は良くて3くらい
この比較では予算がどちらに対しても十分にあり、かつ真っ当なキャッシュフローが予想されるようであれば
「目標に向けたロードマップの中で
たった今自分はどこにいるのか?」
で判断されると良いように思います。
少なくとも
「不動産投資にはある程度親しみがある」
というのであれば、
B)Duplex、築1970年前後、学校は良くて3くらい
こちらを選ばれた方がよいですし、そこからさらにポートフォリオを拡大する場合は
Triplex(3世帯)
Fourplex(4世帯)
或いは5戸以上の商業レベルに分類される複数世帯物件に進んでいかれるとよいように思います。