昨年以来、米ドルで資産運用を志す方々からのコンサルティング依頼が急増しています。
弊社ではアメリカ不動産コンサルティングに加え、州規制当局に登録されるRegistered Investment Advisor (RIA)としてアメリカ国内での資産運用全般のコンサルティングも提供しており、内容は不動産投資以外となりますが、初心者の方々からのご質問を総括する意図で株や債券に関するまとめ記事を1月7日から期間限定であげさせて頂きます。
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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
現在のような物件価格が上昇する中にあっても
「だからこそ政府主導の救済策で物件購入の可能性が出る」
というパターンについてお伝えしています。
ここではカリフォルニア州の
「CalHFAプログラム」
を参考にお伝えしていますが、昨日までにお伝えした条件を満たす場合はCalHFAプログラムの請負金融機関の審査を通れば低金利を始めとする有利な条件で物件が購入出来る可能性があります。
例えばロサンゼルス市が所属するロサンゼルス郡の場合、年間所得の上限は
$158,000
と定められており、この年収以下であることがCalHFAプログラム支援を受けらえる条件の一つです。
また融資を受ける側の審査はもちろんですが、ここに加えて
「対象物件の条件」
なるものが3点あります。
1.物件価格
CalHFAプログラムを適用する上では物件価格はいくらでもよいということはなく、
上限$765,000(2022年2月時点)
と定められています。
本来が低所得層を対象とした救済策ですので、根本的な考え方として
「自助努力で返済が出来ること」
が前提です。
物件が高すぎる場合はそれだけ融資額が増えて返済が困難になりますから、物件価格そのものに上限を設定していることになります。
2.立地
CalHFAはカリフォルニア州のプログラムですから、必然的に同プログラムが適用される物件は
「カリフォルニア州内に立地していること」
が条件です。
また場所のみならず、
「融資を受ける債務者が自宅として暮らしていること」
が条件となります。
すなわち州外はNGのみならず投資物件も対象外です。
3.物件の種類
CalHFAプログラムでは対象となる物件の種類も細かく指定されています。
その概要は
- 1戸建てであること
- 5エーカーの面積内に1戸のみ
- 条件によってはコンドミニアム、母屋系物件も可能
です。
連邦政府支援系ローン
そこでここまでは諸条件をお伝えしてきましたが、今度は実際のローンの種類を網羅していきましょう。
CalHFA FHA プログラム
CalHFA FHA プログラムは30年固定金利を提供するFHA系のローンプログラムです。
従来のFHAローンは連邦政府による政策となりますが、このFHAローンもそれなりに厳しい基準が課せられています。
すなわちCalHFA基準に加えて、FHA基準が課せられるわけです。
けれどもその見返りはそれなりに大きく、
- 少ない頭金
- 低い金利
が期待できると思います。
CalPLUS FHA プログラム
CalPLUS FHA プログラムは前述のFHA保証のモーゲージプログラムですが、この場合は通常のFHAよりも多少金利が高くなります。
けれども金利が高い分、他の「経済支援金」との組み合わせで適用することが出来、申込者が支払う自己資金がさらに低く抑えられる利点があります。
CalHFA VA プログラム
CalHFA VA プログラムもFHAと似た性質があり、もともとは連邦政府が整えるVAローンのアップグレード版となります。
通常のVAローンと同じく30年固定金利で提供されており、退役軍人専用(実際は現役軍人も適用可能)のプログラムです。
こちらもCalHFAの審査規定に加え、VAローンと同様の審査基準が加わることとなります。
CalHFA USDA プログラム
CalHFA USDA プログラムも連邦政府主導のUSDAローンが基盤にある30年固定金利です。
USDAローンは従来農村地域で暮らす人々を対象とするローンですが、このカリフォルニア州版がCalHFA USDA プログラムであり、カリフォルニア州内の農村地域の世帯に適用可能なプログラムとなります。
こちらも同様に30年固定金利のプログラムであり、低い金利が期待できます。
非連邦政府支援系ローン
CalHFA Conventional プログラム
CalHFA Conventional プログラムは通常のコンベンショナルローンのカリフォルニア州版となります。
30年固定金利で提供され、通常はPMI(Private Mortgage Insurance:プライベートモーゲージ保険)の対象となります。
PMI(プライベートモーゲージ保険)は頭金が20%以下となる場合に課せられる融資機関に対する掛け捨て保険となり、この分は債務者が毎月の返済額に上乗せの形で支払うこととなります。
CalPLUS Conventional プログラム
CalPLUS Conventional プログラムは前述の政府系プログラムと同様に30年固定金利で提供されるものの、その金利はやや高くなります。
その代わり他の「経済支援金」との組み合わせて適用することが出来る為、債務者の支出がより少なくなるという利点があります。
。。。
ローンの種類をざっくりと見ていきましたが、ここまでで分かるとおりカリフォルニア州の融資救済プログラムは
「連邦政府プログラムや政府系以外の融資プログラムをそのままアップグレードさせたカリフォルニア州版」
と言えます。
その流れはCalHFAプログラム独自の条件が整えられる一方で、その母体となるプログラムの基準も満たす必要があり、
「全ての条件を満たせば、通常のプログラムに加えてより良い条件で融資を受けられる」
ということになります。
この「より良い条件」の分をカリフォルニア州政府が負担する、というわけです。
カリフォルニア州にお住いの方で上記プログラムに興味のある方は、最寄りの大手金融機関に問い合わせて詳細を確認されるとよいと思います。
また他州においても同様のプログラムがあるはずですので、必要な方は居住する州のプログラムを調べてみるとよいのではないでしょうか。
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