こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
資産形成のツールとして貸借対照表を活用についてお伝えしています。
昨日までは
「アメリカ不動産の評価に貸借対照表を使う理由」
また
「不動産投資視点でEquity(純資産)を高めるポイント」
についてお伝えしました。
資産形成の方法としてアメリカ不動産投資を自然界に例える時、
「透明な泉の底から湧き続ける伏流水」
をいつも想いだします。
伏流水は河川水などの地表水が周辺の砂に浸透して流れる水であり、その流れが泉の底から絶え間なく上に向かって湧き続ける姿は贅沢にすら見えるものです。
世の中のお金を水に例えた時、
「キャッシュを生み出す資産」
とは世界中を巡り廻ってきた伏流水(お金)そのものであり、絶え間なく湧き続けるかの如くそよそよと自然に水(お金)が沸き続けてくるのです。
そんな泉を
1つ
2つ
。。。
と徐々に増やせたとしたら、その数だけ湧き出す伏流水の総量は増えていくことになります。
そうすると
「気が付けば安心が積まれている」
式に、老後の安心が徐々に積み上がっていくわけです。
「自分基金はいつまで積み上げ続ければいいのか?」
といえばその答えは個人の目標により大きく違ってくるはずですが、それでも
「いつまで」
に違いはあれども、
「どのように使うのが理想か」
には恐らく然るべき共通項があり、少なくとも
「死ぬまでに一片たりとも経済的不安は覚えたくない」
と思うのであれば最善解は
⇒ 積み上げた資産そのものは原則崩さない
⇒ 沸き続ける伏流水(資産から生まれるキャッシュ)の一部だけを使う
ではないでしょうか。
貸借対照表でバランスを見る

そこで
「絶え間なく沸き続ける伏流水(世界中を巡るお金の一部)」
を豊かに受け取り続ける為のツールの一つが貸借対照表です。
複式簿記の貸借対照表としていきなり表と数字から取り組み始めると苦手意識を持ってしまう人々も少なくないかもしれませんが、こと資産形成に対しては
「Equity(純資産)を最大化させる」
という共通の目的であるEquity(純資産)に注目し、そのEquity(純資産)を徐々に効率よく豊かにする方法の一つが貸借対照表の活用ということになります。
そこでここでは
「不動産に特化した貸借対照表」
を見てみましょう。
下記に一例を挙げます。
資産 | |
当座預金口座 | $12,800.00 |
修繕準備金口座 | $3,500.00 |
一戸建て物件 | $240,000.00 |
減価償却費総額 | -$40,000.00 |
資産合計 | $216,300.00 |
負債 | |
テナントのセキュリティデポジット | $1,200.00 |
クレジットカード返済額 | $2,500.00 |
モーゲージ残高 | $125,000.00 |
負債合計 | $128,700.00 |
純資産 | |
オーナー資本金 | $5,000.00 |
利益剰余金 | $82,600.00 |
純資産合計 | $87,600.00 |
上記はかなり単純化した1戸建て物件のパターンですが、どの項目がどこに位置付けられるかを端的に表しています。
大局として貸借対照表は
左側 … 資産
右側 … 負債 + 純資産
でバランスを見るわけですが、
「Equity(純資産)を最大化させること」
の意味では、個人の貸借対照表としては上から
①資産 - ②負債 = ③純資産
で見るパターンが多くあります。
通常の貸借対照表のように左右に並べてもかまわないのですが、Equity(純資産)の結果を見る上では上記のような表を使う向きも多くあるのです。
そこで上記表の項目内容を簡単に見てみましょう。
資産
当座預金口座 … 家賃収入が入ってくる口座。
修繕準備金口座 … 修繕積立金。当座預金から毎月一定額を振替し、実際の修繕に対する支出はここから行う
一戸建て物件 … 表を作成する時点の物件価値。通常は順調に上昇するが下がる場合もある
減価償却費総額 … 減却償却費の総和。年々増えて最後は物件購入価格と同額に至る
負債
テナントのセキュリティデポジット … テナントからの預かり金。管理会社を雇っている場合は管理会社の口座内にある。
クレジットカード返済額 … 物件維持の必要経費をクレジットカードで支払った際の未返済額
モーゲージ残高 … 融資を受けて購入した際の元金残高
純資産
オーナー資本金 … 運用開始時に口座に入金した資金
利益剰余金 … 損益計算書の純利益部分
。。。
各項目をざっくり並べましたが、
「Equity(純資産)を最大化させること」
とは上の表では一番最後の
「利益剰余金」
この部分を青天井に膨らませていくことです。
すなわちバランスシートとして通常どおりに並べた場合、右下を中心として全体が大きく膨らんでいくことになります。
そこでこの右下部分を膨らませていく方法が
- 極力安く購入すること
- 物件をアップグレードすること
- 融資元金を減らすこと
- キャピタルゲインを得ること
の4つです。
ここから、今度はこれらのポイントを表を見ながら見ていきましょう。
明日に続けます。