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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
「自宅購入から派生する控除項目」
についてお伝えしています。
大きく分けて8つの控除項目
1.モーゲージの利息(Mortgage Interest)
2.ホームエクイティローン(Home Equity Loan Interest)の利息
3.ディスカウントポイント(Discount Points)
4.固定資産税(Property Taxes)
5.改築費用(Home Improvements)
6.ホームオフィス関連の支出(Home Office Expenses)
7.モーゲージ保険(Mortgage Insurance)
8.キャピタルゲイン(Capital Gains)
の中で、ここまでに3番目の
ディスカウントポイント(Discount Points)
まで見てきました。
このような控除項目はIRS(Internal Revenue Service:アメリカ合衆国内国歳入庁)から自宅購入者に与えられるインセンティブに他なりませんが、この点はどこの国でも同じで自国の経済を活性化させるには
「最大公約数に力を注ぐ」
ことが必須です。
分かりやすいのは「消費税」ですが、消費税の場合はどの業種にも関わらずかつ仕事をするしないに関わらず、生きていくに必要な衣食住にかかってくる万人が避けられない税金です。
自分の消費にどれくらいの税金がかかるかは万人が関心を持つことであり、この数字の上下によって大衆心理は動き、世の経済が大きく動くことになります。
そして消費税の数字に及ばないながらも、その国に決して小さくないインパクトを与えるのが不動産業界です。
モーゲージ金利などは購入者の購買意欲そのものに大きく影響してくることになり、今のようなモーゲージ金利が上昇し続ける時期には
「物件購入は控えよう」
と思う人々がいる一方で、本シリーズでお伝えする8つの控除項目をもって数字で検証してみると
- 物件価格
- 物件の立地
- 個々の経済状況
と総合的に考えた時に
「なんだ、購入の方がいいじゃないか」
そんな結論に達することもあります。
ちなみに
自宅用購入
賃貸用購入
を比較した時に
「控除項目に違いはあるか?」
といえば、ここには大きな違いがあります。
大きな違いとは数字の意味も含まれますが、一番分かりやすいのは
「Depreciation(減価償却)」
です。
より端的に言えば、
自宅物件 ⇒ 自分が暮らす私用物件
賃貸物件 ⇒ 他人様に貸しに出す賃貸物件
であり、後者の賃貸物件もまた「事業に使うモノ」という考え方で一定年数をかけて経費計上出来るわけです。
反対に自宅として使用する物件は「私用」の範囲になりますから、残念ながら
「自宅の場合はDepreciation(減価償却)は経費計上出来ない」
という考え方になります。
今日は
自宅物件
賃貸物件
の双方で共通して経費計上が可能となる
固定資産税(Property Taxes)
について見ておきましょう。
固定資産税(Property Taxes)
![](https://wedgerc.com/wp-content/uploads/2022/10/shutterstock_1743129581.jpg)
前述とは反対に、自宅用であれ賃貸用であれ共通に控除項目と出来るものに
固定資産税(Property Taxes)
があります。
「〇〇州は固定資産税が高い」
「自宅を所有することは不利」
と言われる場合もありますが、同時に
「けれどもその固定資産税は控除項目になる(その分節税が出来る)」
ことが言えます。
そこで自宅を所有する上では確実に固定資産税は固定費として支払う必要がありますが、
「同時に経費計上出来る」
という点を踏まえると、それも一つの大きなインセンティブになり得ます。
そして実際にどれくらいの経費計上が出来るかといえば、固定資産税額は
1.その物件が立地する地域を管轄する郡の担当者が鑑定士を雇う
2.鑑定士が物件価値を査定する
3.査定価値に税率を掛ける
という流れで算出されます。
詳細は毎年送られてくる固定資産税請求書に細かく課税対象項目が記載されていますが、請求書には単純に査定価格のみならず
- 学区税
- 消防税
- 水道税
等、その物件が立地する特有の課税項目が記載されているはずです。
結果として固定資産税額は千差万別ということになりますが、この固定資産税として請求される全額が控除対象となるわけです。
固定資産税の上限
ちなみに固定資産税は控除対象になるとはいえ、そこには「上限」があることも知っておく必要があります。
基本的な税制としては控除と出来る金額は
夫婦が合算して申告する場合 ⇒ 上限$10,000
独身、もしくは既婚の個人が別々に申告する場合 ⇒ $5,000
が上限です。
またカリフォルニア州の場合は1978年に可決された
Proposition 13(Prop 13:住民投票事項13)
があり、
「固定資産税率の上限は1%まで」
「査定額は前年の2%を超えてはいけない」
というルールがあります。
これによりカリフォルニア州の大抵の物件は固定資産税率が1%となるわけです。
自宅所有の控除項目について、明日に続けます。