こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨日までに1031 Exchange(テンサーティーワンエクスチェンジ)から派生し得る
Cash Boot(キャッシュ・ブーツ)
Mortgage Boot(モーゲージ・ブーツ)
についてお伝えしてきました。
一言でいえば
Cash Boot(キャッシュ・ブーツ)
Mortgage Boot(モーゲージ・ブーツ)
はそれぞれ
「交換の結果、キャッシュを手元に残してしまった時」
に発生し、その手にした現金に課税が発生することになります。
正確には物件のBasis(ベイシス:簿価)が影響してきますので計算はより複雑になりますが、少なくとも
「1031 Exchange(テンサーティーワンエクスチェンジ)を使えばどんな場合でも課税を避けられるわけではない」
ということは覚えておく必要があります。
もちろんBoot(ブーツ)が良いか悪いかはその時の戦略や事情にもよると思いますし、
「何が何でもBoot(ブーツ)は避けた方が良い」
ということでもありません。
むしろ
「ここまでの運用分からある程度は利確して現金を手にしたい」
ということであれば望む分だけ手元に残し、支払うべき税金を支払って利益を享受するのでよいと思うのです。
ちなみに私(佐藤)自身はアメリカ不動産投資は「バイアンドホールド」であり「長期投資」のスタンスを取っています。
その過程では基本的に
「税金は繰り延べを続ける」
方法を選んでいますが、その理由は単純で
「げっへっへ、自分の資産をどこまでも大きくしてやるぜ」
というよりも、現金は生活に必要な分だけキャッシュフローから享受しつつ
「現代の金融資本主義を通してお金の学びを続けていきたい」
という純粋な好奇心が止まらないからです。
現実を見ると
「はて、自分がこの世を去る時まで金融資本主義はそのシステムそのものを維持できるのだろうか?」
そんな風に思わなくもなりません。
先日は日本でも
このように保険料納付期間を現行の20歳以上60歳未満の40年間から延長して65歳までの45年間とする検討に入ったとのこと。
米国を始めとする現代社会の資本主義はここに極まり、ここから先の世代はどの国でも昇る坂がきつくなる一方です。
自分がこの世を去るのが早いのか
金融資本主義のシステムが崩壊するのが早いのか
は分かりませんが、人類の歴史を学ぶと
「一つの時代を支配し続けた貨幣価値交換システムが崩壊しなかった事例はない」
ことは明らかですし、その意味では近代史の金融資本主義のシステムも終わりに近づいているのかもしれません。
可能性としては近い将来、デジタル通貨が取って代わる可能性も否定できないのではないでしょうか。
いずれにせよ、これからはますます個の時代の様相が深まる一方でお金の知識を学び続けることは誰にとっても必須でしょうし、アメリカ不動産のスピードと規模感は私(佐藤)にとってはちょうどよく、これからも長期投資の姿勢でお金について学び続けていきたいと考えています。
1031 Exchange(テンサーティーワンエクスチェンジ)をどう使うべきか

そこでBoot(ブーツ)に関する質問にお答えする形で1031 Exchange(テンサーティーワンエクスチェンジ)についても言及してきましたが、1031 Exchange(テンサーティーワンエクスチェンジ)はアメリカ不動産投資で税金を繰り延べながら長期投資を続けていくのであればほぼ避けて通れない手法の一つです。
そのシステムの最大の利点である「税金の繰り延べ」を活用するにはBoot(ブーツ)を発生させない必要があることは分かりましたが、そうすると1031 Exchange(テンサーティーワンエクスチェンジ)を五段活用するにはどのような手法が理想なのでしょうか。
ここはあくまでも佐藤の例ですが、私(佐藤)自身は1031 Exchange(テンサーティーワンエクスチェンジ)の活用は下記のように心がけています。
価値の高い物件へと飛躍
1031 Exchange(テンサーティーワンエクスチェンジ)を使う時に将来のリターンを最大化させることが出来る手法の一つは
「価値が高い物件への飛躍」
を実現させることです。
数字で例を挙げてみましょう。
例えば$250,000のシングルファミリー物件を
LTV:75%
で購入したとします。
自分の頭金は
$62,500($250,000 X 25%)
であり、融資額は
$187,500($250,000 X 75%)
です。
この物件を10年間保有した結果に物件価値は$350,000まで上昇し、元金残高は$150,000まで減少していたとします。
減価償却としては27.5年を適用し、建物比率を80%とすると
$7,272(($250,000 X 80%)/ 27.5年)
ですから、10年間で$72,720の償却がなされています。
するとこの場合はBasis(ベイシス:簿価)は他に上下させる要素がなかったとすると
$177,280($250,000 - $72,720)
まで下がっていることになります。
ここで普通に売却すると、修繕費用やクロージングコストを除外して単純に計算しても
$172,720($350,000 - $177,280)
この差額に対する税金が発生することになります。
そこで1031 Exchange(テンサーティーワンエクスチェンジ)を使う場合はここにかかる税金を繰り延べることになるわけですが、このようなパターンで私(佐藤)が交換対象としたいのは「マルチファミリー物件」です。
その交換手法の詳細を見ていきましょう。
明日に続けます。
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