昨年以来、米ドルで資産運用を志す方々からのコンサルティング依頼が急増しています。
弊社ではアメリカ不動産コンサルティングに加え、州規制当局に登録されるRegistered Investment Advisor (RIA)としてアメリカ国内での資産運用全般のコンサルティングも提供しており、内容は不動産投資以外となりますが、初心者の方々からのご質問を総括する意図で株や債券に関するまとめ記事を1月7日から期間限定であげさせて頂きます。
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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカ不動産金融に関する質問の中でも頻度の多い
「金利を下げる方法」
についてお伝えしています。
ここは数字の摩訶不思議な部分でもありますが、
「物件価格を1万ドル値下げできる」
「金利を1%下げる」
とした時に、あなたはどちらを選ぶでしょうか?
ここで多くの人は前者の1万ドルの値下げを選ぶ傾向があります。
現金購入の場合は別として、少なくとも融資を受けて購入するのであれば物件が高額であるほど
「1万ドル値下げして得をした!」
とはならず、融資額が1万ドル下がったところで自分の懐から出るお金にはほとんど変化しないのです。
自分の懐から出るお金に直結するのは金利であり、例えば単純計算で4%の金利だとすると
($10,000 X 4%)/12 = $33.33
で、1ヶ月に$30ちょっとの差です。
これに対して金利が1%安い方が全体の返済額が少なく、長期的にも金利が安い方が有利になります。
不動産金融において金利との付き合い方は極めて重要であり、とりわけ今のような金利の高い時期には自分にとって少しでも金利を有利に導く必要があります。
昨日からこの
「金利を下げる方法」
についてお伝えしていますが、多くの場合
「適切な金利の下げ方が分からない」
「手続きが面倒くさそうだ」
等で流してしまいがちですが、場合によっては結構な割合で金利を下げられることもあり、その結果はボディーブローのように長期的に効いてきますので金利を下げる手間は積極的にかけた方がよいと思います。
金利を下げる方法について、本日も続けます。
頭金を増やす
ここは可能な場合と可能でない場合、或いは可能だけれどもやりたくない場合もあると思いますが
「頭金を多めにする」
こともまた、金利を下げられる一つの要素になります。
金融機関側から見た時の融資審査のポイントは後にも先にも
「債務者の返済力」
です。
言い換えると
「この融資案件にはどれくらいのリスクがあるのか」
「どれくらいのレベルでリスクを軽減できるのか」
が問われることになります。
そして不動産金融理論としては
リスクが高い ⇒ 金利を高めに
リスクが低い ⇒ 金利を低めに
という理屈があり、
「こちら(金融機関)もリスクを取る分、金利を上げさせてもらいますよ」
「リスクは少ないので、金利は低めでいいですよ」
というリスクとのバランス取りの概念があります。
結果として
頭金を多めにする = 融資側のリスクが軽減する
となりますから、金利を緩くしても良い方向に針は振れやすくなります。
その理屈で
「頭金を50%入れるので、金利を〇%下げて頂きたい」
等、強気に交渉してもよいと思うのです。
もっぱら投資目的の物件購入では頭金を極力低めにしてレバレッジをかけることに意義がありますから、高めの頭金では「キャッシュ・オン・キャッシュ」の指標ではパフォーマンスがかなり落ちてしまいます。
その意味では多額の頭金を積み上げて金利を下げる方法は自宅を購入する場合に限定されるかもしれませんが、
「融資側のリスクがされるほど金利は下がりやすい」
という本質は捉えておきましょう。
新築を購入する
そしてここは以外にも知られていない部分ですが、実は
「新築をファイナンシング購入する」
という場合にも低金利を期待できます。
たった今の実例をいえば、つい数週間前に佐藤の手元にも
「新築物件を4%固定金利で購入しませんか?」
という誘いがある市場のデベロッパーから届きました。
今の時期に4%というとかなり安い金利であり、
⇒ 物件は新築ピカピカ
⇒ 毎月の支払いは今の時期にモーゲージを組む人々と比べるとかなり安い
と買い手にとっては悪いことなしです。
なぜこのような買い手が大きく得をすることが実現できるのかといえば、ここには大きく分けて次のような2つの理由があります。
1.デベロッパーとモーゲージ会社が提携している
新築購入で売主側であるデベロッパーからモーゲージ会社を紹介される場合、そのモーゲージ会社は大抵の場合は売主(デベロッパー)と提携しています。
すなわちデベロッパーが売却するのは1軒や2軒ではありませんから、モーゲージ会社にしてみればその開発地域にある物件全てが
「モーゲージ成約見込み物件」
ということになるのです。
そこで提携により大きく商売を出来る代わりに金利を下げ、この低い低金利をもってデベロッパーは
「どうですか。うちの新築を購入するとこんなに低い金利で購入出来るんですよ。」
とアピールすることができ、デベロッパーとモーゲージ会社の双方がウィンウィンの関係に収まるのです。
2.新築はリスクが低い
同時にモーゲージ会社から見ると新築物件の場合は
- 最初から価値が高い(新築バリュー)
- 物件状態はかなり良好(価値が長い間保てる可能性)
という点から価値を高く保てる為、担保として価値が高いことになります。
ここがモーゲージ会社にとっては安心材料の一つとなり、
「金利を下げても良い」
という方向に傾けるのです。
ただしよくあるパターンとしてはデベロッパーから紹介されるモーゲージ会社を通して低い金利を獲得する場合、
「条件はFHAローンのみ」
等の成約がつくこともあります。
FHAローンは政府保証のローンプログラムであり、新築で低い金利を全面に出しつつもモーゲージ会社としては政府保証をつけることで自分にも保険をつけるわけです。
このあたりは表に出てくる事情ではありませんが、これらの理由で新築物件購入時にも低金利を期待することが出来ることになります。
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