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Underwater(アンダーウォーター)に注目する

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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

本年の締めくくりとして本項の時点でのアメリカ不動産市場の様子についてお伝えしています。

昨日おさらいした通り、過去2年間の資産バブルと言われた時期にモーゲージを組んで物件を購入した人々のクレジットスコアは確実に

「プライムローン」

と呼ばれるレベルです。

2008年までのサブプライムローンが多く混じっていた時期とは違い、あの時の苦い経験を経てアメリカ不動産金融はかなり健全化されていることになります。

プライムローン

サブプライムローン

この違いはそのまま「返済能力」に比例することになり、仮に価格調整が進んだとしてもそれに十分耐えられる層が新たにローンを組んでいるわけです。

そうすると少なくともアメリカ不動産市場では内因で大暴落が起こる可能性は低く、かつ現在見えている価格下落は間違いなく

「暴落ではなく価格調整のレベル」

であり、2023年もこの価格調整が続く見込みです。

この価格調整も

「膨らんだものは萎む」

というごく自然な力学で発生するものであり、全米の物件平均価格は下がるべくして下がることになります。

この価格調整の動きとは別に、私(佐藤)が気にしているのは過去にも触れたShadow Banks(シャドーバンク)からの影響です。

Shadow Banks(シャドーバンク)は伝統的な大手銀行とは違い

  • プライベート・エクイティ・ファンド
  • ヘッジファンド
  • 保険会社
  • モーゲージ会社
  • 投資銀行

といった、いわゆるFRB(連邦準備制度理事会)の規制が届かない金融機関です。

Shadow Banks(シャドーバンク)は連邦政府がモニタリングしきれないレベルで貸し借りがなされる世界であり、その正確な統計は分からないものの、このShadow Banks(シャドーバンク)による融資はFRB(連邦準備制度理事会)規制下の金融機関の全融資額と同等、或いはそれ以上に借金は積み上がっていると言われています。

現時点でヘッジファンドだけでも20兆円を軽く超える金額が貸しに出されており、2021年3月26日に債務不履行に陥って破綻した「アルケゴス事件」のような爆弾が次々と連鎖した場合、アメリカ不動産市場へも小さくない影響が考えらえると思います。

ここからのアメリカ不動産については内因で心配するよりも、未知の外因による影響を気にしておく必要があるかもしれません。

Underwater(アンダーウォーター)の変化を見る

そこでここまでに

「アメリカ不動産市場では内因で大暴落が発生する可能性は低い」

「価格調整は2023年も進む見込み」

という趣旨でお伝えしましたが、そうすると2023年は実際にどれくらいの割合で価格調整は進んでいくのでしょうか。

このあたりのアメリカ不動産市場の統計に関しては近年redfin.comが力を入れており、非常に参考になる情報が出されています。

そこでredfin.comから

2022年11月~2023年12月

の期間において

「価格が〇%下がると〇%の物件がUnderwater(アンダーウォーター)になる」

「それに伴い、過去2年間に積み上がったエクイティ(物件価格上昇)はこのあたりになる」

という統計が出されていますので見ていきましょう。

ちなみにUnderwater(アンダーウォーター)とは

「物件価値が融資額を下回った状態」

のことを言います。

通常、金融機関が物件を担保に資金を貸し出す際には

「物件価値の80%まで」

を目安に融資が行われます。

厳密には

FHAローンで物件価値に対する96.5%まで融資

コンベンショナルローンで物件価値に対する95%まで融資

等、政府保証あるなしに関わらず90%以上の融資が実行される場合もありますが、融資率が80%を超える場合は毎月の返済に

Mortgage insurance(モーゲージインシュランス:モーゲージ保険)

が加算されることになります。

いずれにせよ融資枠としては

「購入時(融資が行われた時)の物件価値以下で融資が実行される」

ことに間違いはありませんが、その後の物件保有期間中に予想外に物件価値が下がってしまった場合、下手をすると融資を実行した時よりも物件価値が下がることも起こり得るのです。

この場合は仮に債務不履行が発生して金融機関が差し押さえたとしても十分に元金残高を回収できるとは限らず、下手をすると全額回収は出来ないことになります。

このような物件価値が融資額を下回った状態をUnderwater(アンダーウォーター)と言い、「水面下に溺れた状態」で表現するのです。

この前知識をもってredfin.comが出している予想を見てみましょう。

2022年11月~2023年12月の価格変化アンダーウォーターの割合購入時からの価格上昇
(2021年1月~2022年9月に購入)
変わらず1.60%$44,279
-4%3.40%$27,318
-8%6.30%$10,950
-12%10.30%($5,026)
(出典:redfin.com)

上記統計の詳細について明日に続けます。

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