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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカ不動産を購入する際に物件購入価格以外に発生する費用で代表的なものとして
- Property Inspection Fee(物件調査料)
- Appraisal Fee(物件鑑定料)
- Lender Fee(レンダー手数料)
- Escrow Fee(エスクロー手数料)
- HOA Fee(HOA料)
の6つをお伝えしています。
昨日のLender Fee(レンダー手数料)までを見ただけでも
「結構な種類の費用が発生するな」
「複雑で覚えられない」
という印象を持つものではないでしょうか。
費用そのものは
- 物件の大きさ
- 現金購入
- ファイナンシング購入
等の要素も変化してきますので、実際に購入する際には
「物件価格以外にどれくらいの費用を見込む必要があるか?」
をご自身のエージェントに予め尋ねるとよいと思います。
同時に知っておきたいのは
「費用の一部も売主との交渉になる」
という事実です。
アメリカで不動産物件を購入する際に最も融通の利きにくいパターンは「新築の購入」ですが、中古物件の購入であれば物件価格のみならず、諸費用もまた交渉の対象になり得ます。
初心者の方の中には
「物件価格はMLSで表示されている希望価格で固定されている」
と購入価格そのものも交渉の余地がないと誤解されている方もいますが、実際は購入価格すら
「自分はこの価格で購入したいです」
と購入契約書と共に希望価格を提示(オファー)するものであり、それと同時に購入契約書の中で
「〇〇の費用は売主もち」
「〇〇は買主もち」
と、どの費用に対してどちらが負担するかも最初のオファーで買主側から提案できるのです。
そのオファーを売主がそのまま受け入れる、もしくは売主から
「いや、こちらの費用は買主持ちで」
とカウンターオファーを返してくる場合も多く、最終的にお互いが合意する費用負担が定められることになります。
その為に最終的にかかる費用はオファー後により正確に見立てられることになりますが、大まかな諸費用の種類そのものは本シリーズでお伝えする内容ですのでその概要だけでも把握しておきましょう。
引き続き、今日はEscrow Fee(エスクロー手数料)を見ていきます。
Escrow Fee(エスクロー手数料)
「Escrow(エスクロー)」という仕組みを世界に先駆けて導入したのはカリフォルニア州の不動産協会です。
米国でも100年ほど前までは不動産法はまともに機能しておらず、ある程度の決まりごとがあったとしてもグレーゾーンが多くありました。
それ以前の不動産取引では常に泣きを見るのは買主でした。
取引の詳細以前に物件状態を知らされないまま買わされることも多く、
「買った後の祭り」
が多く見受けられました。
そこに米国でも先駆けてメスを入れたのがカリフォルニア州であり、
「カリフォルニア州不動産協会設立」
を皮切りに次々と不動産法を整備し、その法律は今でも毎年修正・加筆が繰り返されています。
カリフォルニア州不動産法の最新版は
https://www.dre.ca.gov/publications/realestatelaw.html
こちらになりますが、上記リンク先を見てのとおり誰でもアクセスしてダウンロードできる形で不動産法が開示されています。
このカリフォルニア州を先駆けとして過去100年ほどの間にかなり不動産法は整備されてきた経緯があり、現在は素人でも安心して取引が出来る環境が整ってきました。
そして売主と買主がほぼ平等な立場で取引が出来るようになった一番の要因は
「Escrow(エスクロー)システム」
にあります。
Escrow(エスクロー)はご存知の通り
- 売り手
- 買い手
の両者の間に入って取引の中継地点として機能するシステムで、日本ではヤフージャパンがオークション取引に導入したことでその名を広く知られるようになりました。
Escrow(エスクロー)システムをもって
- 必要書類のまとめ
- 登記
- 資金の預かり
- 資金の分配
等を行う上で、売主と買主の双方が安心して取引に臨めることになります。
このような不動産取引にこそ必要不可欠な Escrow(エスクロー)機能を果たすのが
Escrow Company(エスクロー会社)
であり、このEscrow Company(エスクロー会社)に支払うのがEscrow Fee(エスクロー手数料)です。
ちなみに言葉の定義として
「Escrow Fee(エスクロー手数料)とClosing Cost(クロージングコスト)の2つは何が違うのか?」
という質問を頂くことがありますが、Closing Cost(クロージングコスト)とは
「この取引を完結(クロージング)させる為に必要なコスト」
というニュアンスがあり、すなわち
Lender Fee(レンダー手数料)
Escrow Fee(エスクロー手数料)
等をまとめた総称がClosing Cost(クロージングコスト)です。
そこでEscrow Fee(エスクロー手数料)はカリフォルニア州の場合、概ね
物件価格の0.2%
あたりが
Escrow Agent(エスクローエージェント)
に支払われる手数料となります。
例えば
$500,000
の物件であれば、
$1,000($500,000 X 0.2%)
あたりが目安です。
ただしEscrow Fee(エスクロー手数料)をより厳密に言えば、そこにはEscrow Agent(エスクローエージェント)に支払われる直接の手数料のみならず
- 役所登録料
- 書類郵送料
- 書類取り扱い料
- 日割り計算後の固定資産税
等も含まれ、かつその詳細は
- 地域市場毎
- エスクロー会社毎
に大なり小なりの違いがあります。
また昨日お伝えしたLender Fee(レンダー手数料)もEscrow Fee(エスクロー手数料)の一部として取り扱われるきらいもあり、どこまでをEscrow Fee(エスクロー手数料)と呼ぶかはややグレーゾーンが残されているものです。
いずれにせよ
「物件売買取引に必要不可欠なEscrow(エスクロー)システムを使うにあたり派生する費用」
がEscrow Fee(エスクロー手数料)であることは覚えておきましょう。
明日に続けます。
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