アメリカ不動産への直接投資、プロ案件への出資で将来の自分基金を着実に育て上げていきましょう。
→ 最新の案件詳細はこちらから
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
今のアメリカ不動産市場の中で最も難しい状況にある資産カテゴリー、オフィス物件についてお伝えしています。
オフィス物件そのものの需要が一気に減少したのはご存知の通り、新型コロナウイルスによる感染症拡大から隔離事例が断続的に発生したためです。
「リモートワーク」なる言葉がすっかりなじみとなり、人々の足は自ずと一つの場所に集まって仕事をする職場から離れ、在宅ワークが普通の環境となったのでした。
その後の経過は当ブログでも度々触れており、職に就く人々の中でも
職場に戻りたい人口
職場に戻りたくない人口
の中で、少なくともデスクワークで済む業種・役職においては
「オフィスに戻るよりも、このままリモートワークを継続したい」
と考えるアメリカ人の方が多い傾向をご紹介しました。
このあたり、アメリカではもともと仕事の時間よりも家族との時間を大切にする土壌があったことも大きいと思います。
それに加えて若い世代でもとりわけIT業界に従事する人々は仕事はデスクに終始する場合が多く、にわかパンデミック下では多くの業界において「効率の良いリモートワークの進め方」がオンザジョブトレーニング形式で、やりながら壮大な実験が行われることとなりました。
加えて、この期間に初めて就職した若者などは最初から人が集まって仕事をする環境がなかったわけで、未だにリモートワークのままでいる新社会人は
「オフィスに集まって仕事をする」
という経験がないままに今に至ります。
読書に例えるなら、キンドルを始めとする電子書籍媒体が数多く世に登場した今でも
「本はやはり紙媒体で読まないとしっくりこない」
という紙の本を至上とする世代と
「もやは人生の大半はデジタル媒体で書物を読んでいる」
というデジタル本にほぼ完全に移行した世代、そして
「紙媒体でもデジタル媒体でも、どっちでもいいよ」
という、デジタルに移行した人々もいるわけです。
この傾向はオフィスについても同じでしょうし、
「リモートワークに慣れたし、こちらの方が遥かに楽」
とする人々はとりわけオフィスでの仕事を避ける傾向が出始めていることになります。
ここはある意味起こるべくして起こったパラダイムシフトと言えるでしょうし、事実として、アメリカ人の就業人口の多くは本音では
「リモートワークが選べるならそうする」
という人々の方が圧倒的に多いのです。
オフィス空室率の変化
そこでオフィス物件に暗雲が立ち込めていると言える根拠について、数字で見ていきましょう。
概ねアメリカ不動産関連の記事では今のオフィス物件事情について異口同音に事の深刻さを伝えていますが、例えば
の上記リンク先の記事では本年5月時点で下記の要点を伝えています。
(上記リンク先記事より意訳)
不安な景気、ハイブリッドワーク、そしてより多くの企業がサブリースを通じてオフィススペースを手放すことを求めるなど、需要に影響を与えたため、アメリカのオフィス市場の第1四半期の空室率は17.8%に上昇。この数値は30年ぶりの最高水準。
CBREのデータによると四半期間でオフィスの平均賃料は年間1%上昇し、平方フィートあたり35.42ドル。それでもパンデミック前の最高水準から14.8%低い水準。
他の指標も深刻な弱さを示しており、全体的なオフィスの賃貸活動は前年同期比で35%減少して34.2百万平方フィート。
サブリースされるスペースの量も記録的な高さとなり、189百万平方フィートに上昇。
(出典:constructiondive.com)
まず需要な点は、空室率は過去の歴史の中で最高水準にあるという事実です。
空室率平均そのものは地域市場によって大きく違いがありますが、おしなべて17.8%への上昇とはかなりの数字です。
パンデミックによる緊急事態宣言が終了となった今でも30年ぶりの高水準という推移そのものが、オフィス物件離れが確実に進んでいることを示しています。
そして同時に需要減を裏付けるのは、賃料の値上げレベルです。
値上げが実現していること自体はオフィス賃貸市場が未だ壊滅的ではない証拠であるものの、今のインフレ下にあって1%のみの上昇とはあまりにも心細いものです。
かつ実績としてもパンデミック前の最高水準から14.8%低いということは、
「オフィス賃貸への需要はパンデミック前の水準に完全に戻る可能性は低い」
とすら言えるのではないでしょうか。
そして賃貸市場そのものが鈍っており、貸し出し実績そのものが未だパンデミック下であったはずの前年比で35%減少していると言います。
これらの数字が示す事実は
⇒ オフィス賃貸市場そのものが縮小している
⇒ パンデミック以前の需要水準に戻ることは難しい
という現実を示唆しているのではないでしょうか。
もちろんその一方で大企業を中心に「完全オフィス回帰」を掲げている会社も多く、オフィス賃貸そのものが消滅する方向にあるとは全く言えません。
むしろアマゾンのように元気にオフィスを拡大している企業も多く、トレンドそのものが完全になくなるとは考えにくいものです。
それでも大方の流れとしては少なくとも今の時点ではオフィス賃貸を避ける傾向が高いことは否めず、このことは商業物件の中でもオフィス物件に関し、将来に暗い影を落としているのです。
明日に続けます。
投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。