昨年以来、米ドルで資産運用を志す方々からのコンサルティング依頼が急増しています。
弊社ではアメリカ不動産コンサルティングに加え、州規制当局に登録されるRegistered Investment Advisor (RIA)としてアメリカ国内での資産運用全般のコンサルティングも提供しており、内容は不動産投資以外となりますが、初心者の方々からのご質問を総括する意図で株や債券に関するまとめ記事を1月7日から期間限定であげさせて頂きます。
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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカ不動産投資において必ず関わることになる保険について、その種類の違いをお伝えしています。
保健を選ぶ際は通常、保険代理店を通じて見積もりを取得するのが一般的な流れです。
保険会社に問い合わせる時、その保険会社そのものが補償を行うというよりも、窓口の会社はあくまでも代理店。
表向きはその代理店の名前で見積もりは出てきますが、その実、代理店としては実際に補償を担当する保険会社とのつなぎ役でしかありません。
この時に
⇒ 保険代理店を通じて見積もりを取得する
⇒ 自分で直接保険会社から見積もりを取る
のどちらが良いかといえば、よりよい見積もりを取得する上ではやはり前者のプロに依頼するのが得策だろうと思います。
代理店を通じて保険加入することで保険料が高くなるわけではありませんし、同時に直接の加入は受け付けてくれない保険会社もあります。
そうするといよいよ自分で保険会社を探す理由はなく、代理店を通じて探すので良いと思うのです。
また代理店を通じて購入するとはいえ、全ての保険代理店が横一列に同じ結果しか出さないということはありません。
その意味で
「保険を掛ける際は複数の見積もりを取った方が良い」
とは正確には
「複数の保険代理店から見積もりを取得した方が良い」
という意味で、この流れでその時のベストな見積もりを取得できる確率が高まることになります。
そこで住居用賃貸物件を所有する上では主に
DP1 (Dwelling Property、ドゥエリング・プロパティ 1)
DP2 (Dwelling Property、ドゥエリング・プロパティ 2)
DP3 (Dwelling Property、ドゥエリング・プロパティ 3)
の3種類があり、昨日は補償範囲が最も限定されるDP1についてみていきました。
今日はDP1が一段階引き上げられたDP2について見ていきましょう。
本日も続けます。
DP2 (Dwelling Property、ドゥエリング・プロパティ 2)
DP2(Dwelling Property 2)もまた、アメリカ不動産で使用される不動産保険の一つです。
DP2はDP1に比べてその補償内容がワンランク上になり、より広範な補償が約束されます。
タイプとしてはDP2もまた「指名災害」(named perils) 補償となりますが、そのカバーする危険災害の範囲はDP1よりも広範となるのが一般的です。
例えばあなたがテキサス州で賃貸物件を所有し、その物件にDP2タイプの保険を掛けているとしましょう。
この保険の補償対象にはDP1のように
- 火災
- 雷
- 爆発
- 飛行機または車両による衝突
- 暴動
- 悪意による損傷(故意による破壊など)
- 風
- 雹(ひょう)
- 煙
等に加え、
- あらゆる種類の破壊的な風(ハリケーン等)
- 洪水
なども指名災害として明記されています。
そこである日テキサス州の物件がハリケーンによって大きな損害を受けた場合、保険会社はその風による損害を補償することになります。
DP1にも風による被害の補償はあり得ますが通常はハリケーンレベルは補償しておらず、DP2はより広範囲にハリケーン等の特定の災害レベルの風に対し補償をかけてくれるわけです。
この辺りのDP1とDP2の補償対象は2つを並べてみないと分かりづらい為、見積もりを取って検証する際は補償対象の範囲をずらっと並べ、補償の有無を一つひとつ検証していくしかありません。
補償金額の算出方法
そしてDP2補償では補償額が「修繕・交換費用」(replacement cost)で計算されることが一般的です。
DP1の場合は「実際の現金価値」(ACV)でしたが、DP2の場合は
「物件を修理または再建するための現在の費用」
に基づいて補償が行われることになります。
例えば突風で物件が大きく損傷したときはその修理または再建に必要な実際のコストが業者から見積もられることになりますが、その見積もりに対して補償されるのです。
ある意味このDP2の「修繕・交換費用」(replacement cost)は最も分かりやすく、投資家にとっては安心できるプランかもしれません。
DP1の場合は現状の物件価値に対しての補償となると、減価償却の概念により年数が経てば経つほど不利になってきます。
また修繕・交換費用たるものは特にアメリカのようなインフレ基調の国ではその
- 材料
- 工賃
の双方が年々上昇していく傾向にありますが、DP2の場合はこの値上がりをそのまま補償額の上昇という形で追いかけてくれるのです。
ただし、その一方でDP2の場合は地震によって物件が損傷した場合、地震は多くのDP2補償の指名危険災害には含まれていないため補償を受け取ることは出来ません。
すなわちDP2はDP1よりはカバーされる補償範囲が広いものの、DP2でもその全てのリスクをカバーするわけではないのです。
しているわけではないことがわかります。
まとめると
⇒ DP2は基本的なリスクに加えて特定の追加リスクに対する補償もある
⇒ 補償額は「修繕・交換費用」(replacement cost)を採用
である一方で、
⇒ 全てのリスクをカバーするわけではない
ということになります。
もちろん全てを補償しない分DP2のプレミアム(保険料)は比較的手頃な価格ということになりますが、これもまたやや広範のカバレッジを提供する一方で一部のリスクに対する補償は限定的であるというトレードオフがあるのです。
結果としてDP2のタイプはより広範な補償を求める不動産投資家にとって魅力的な選択肢ということになりますが、全てのリスクに対する補償を求める場合、最後のDP3のタイプを検討することが必要となります。
保険の種類について、明日に続けます。
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