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数字の概要を見る

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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

マルチファミリー市場のキャップレートが上昇しつつある時期にあたり、リアルタイムに市場に出ている案件を見ています。

このことはマルチファミリー案件に限らず、少なくとも自分から特定の市場にある物件を探しにいく以外は

1.立地をみる

2.数字の概要を見る

3.物件の概要を見る

の順番が最も効率が良いと思います。

私(佐藤)自身はおかげさまで

  • 趣味
  • ライフワーク
  • 仕事

の全てが境なく混ざる中で365日稼働し続けて(遊び続けて)いますが、手元に寄せられる情報を確認するのはその隙間時間です。

不動産という資産カテゴリーは本質的に「流動性が低い」と定義されていますが、ところがこと取引になるとその正反対です。

本当に良い物件を取りたいのであれば

⇒ 電光石火で案件を精査する

⇒ 精査結果後になるべく早い段階でオファーを入れる

という式で、オファーを入れるまではフルスピードで進めていく必要があります。

理由はただ一つ、「良質な案件は競争相手も多い可能性が高い」からです。

完全にオフマーケットとして自分以外に取引相手がいない状況でない限り、その物件がオンマーケットであればその案件は常に世界中に晒されています。

商業物件は案外狭い世界とはいえ、狭いからこそ良質な物件の絶対数も多いとはいえないわけで、事実、オファーが受け入れられるまでは全速力で然るべき準備を整える必要があります。

その最も効率の良い流れが

1.立地をみる

2.数字の概要を見る

3.物件の概要を見る

というステップですが、今回リアルタイムのケーススタディとして取り上げている案件は

カリフォルニア州ハリウッド近郊

の良好な地域です。

映画産業はこれからも激震が走り続け、否応なしにハリウッド映画も変化の波に晒されていくことになります。

ところが地場産業の意味でいえば、近年のドラマ・映画産業を大きく揺さぶるきっかけとなったNetflix(ネットフリックス)のような巨人もこの物件の最寄りにオフィスがあるのです。

すなわち通信産業のメッカであるシリコンバレーに人が集まり続けるのと同様に、映画産業のメッカであるハリウッドに人が集まり続ける流れはおいそれと変わることはありません。

その意味でハリウッド近郊のマルチファミリー物件に対する需要は非常に地盤が固いと言えるのです。

そこで立地条件が自分の投資条件をクリアしている場合に限り、次の「数字の概要を見る」というステップに入ります。

数字の概要を見る

先の立地をしっかりと確認できていればこそ、ここからの数字を見るという行為に無駄はないことになります。

立地が悪ければ数字を精査する行為そのものに意味がありませんから、先に立地を確認しているからこそ、自分が使う時間に安心と自信が持てることになります。

そして手元に届いている数字情報の概要は

Price Per SqFt$443 PSF
Price Per Unit$516,667
GIM13.87
CAP Rate4.97%
NOI$770,209
BuildingSqFt±34,953 SqFt
Land Area±27,557 SqFt
# of Floors4
ParkingSubterranean
Year Built2022
ZoningLAR3
(売り出し中マルチファミリー物件:実際の概要数字)

となっています。

「あれ、数字はこれだけ?」

という印象ですが、概要というからには本当に大まかな数字のみで、真っ当な商業物件の資料であれば最も大切な情報がこれくらいの項目にまとめられています。

この概要を見た上で

「条件の数字に合いそうだ」

「これ以上数字を見ても意味がない」

を一気に判断するわけです。

そして前者であれば更に詳細の項目と数字をみていくことになります。

ただし前提として知っておきたいのは、どんな案件でも概要に示される数字は「盛られた数字」であることは理解しておかねばなりません。

このことは反対に自分がマルチファミリー物件を売る立場になるとよく分かります。

自分が所有するマルチファミリー物件を市場に出す

商業物件市場はそもそも需要の絶対数が少ない

その中でも少しでも高値で売り抜けたい

という時、自分の物件をより魅力的に見せて市場に投入したいのは誰もが思うところです。

それでも紹介文と数字情報は全くの嘘を記載するわけにはいきませんから、目立たせる数字としては

「現在の市場でベストな状態の期待値」

が記載されることがしばしばあります。

売主としては自分の物件に少しでも注目を集めたいわけですから、

  • 物件紹介文
  • 数字概要

は精一杯、嘘にならないレベルで背伸びをするのです。

そこで数字の概要を見る上ではこのことを念頭において、それぞれの項目と数字を見ておかねばなりません。

例えば上記のように

CAP Rate 4.97%

ということであれば、現状の実際の数字は

4.00 ~ 4.50%

ということもあり得るわけです。

このあたり、初めて商業物件のDue diligence (デューディリジェンス)を進める方々は

「全然数字が違うじゃないか」

と裏切られたかのような印象をもってしまうものですら、あえて自分が売主の立場になれば現状の市場で「あり得るベストの数字」を記載する気持ちも分かるはずです。

ある意味そこは「そういうものだ」と割り切って数字の精査を進めていく必要があります。

だからこそ全ての紹介資料には「免責」が添えられており、

「実際の数字は買主の責任で調べるものとする」

等の注意事項が添えられているのです。

明日に続けます。

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