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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
マルチファミリー物件を検証する際の手順について、
1.立地をみる
2.数字の概要を見る
3.物件の概要を見る
の中でも2番目の数字概要の検証を進めています。
不動産投資の取引で数字と実際の物件の検討で順番を付けるなら
第一優先 ⇒ 数字の検証
第二優先 ⇒ 物件の検証
です。
いくら
「この物件は素晴らしい!」
と見た目に惚れたところで、数字が成り立たないのであれば投資としては成立しません。
論理と感性でいうなれば、間違いなく論理が優先されるべきか投資事業ということになります。
そして数字として成立するのなら全てが良いかと言えば、それもまた違います。
いくら数字的には良かったとしても(その数字が本当だったとしても)、その物件に実際に入居するテナントが
「この物件はちょっと。。」
「治安がいいのは分かるが、それにしてもこの周囲の環境は。。」
と気持ち的に受け付けない場合は需要を取り切れず、取れるはずの数字も取れないことになります。
その意味で現場に足を運んでのフィールド調査は必須ですが、それ以前に数字として成立するかを検証するのがこの「数字の概要を見る」という過程です。
改めて概要を下に示し、昨日の続きからいきましょう。
Price Per SqFt | $443 PSF |
Price Per Unit | $516,667 |
GIM | 13.87 |
CAP Rate | 4.97% |
NOI | $770,209 |
BuildingSqFt | ±34,953 SqFt |
Land Area | ±27,557 SqFt |
# of Floors | 4 |
Parking | Subterranean |
Year Built | 2022 |
Zoning | LAR3 |
昨日の続き、NOIからいきます。
NOI
NOI(Net Operating Income:純収益)はよく知られるとおり、
年間総収入 - 年間総支出
から算出される、一年間の純粋な収益を表しています。
マルチファミリー物件の場合、簡単に言えば
家賃収入
ランドリー収入
管理費収入
等から全ての支出を差し引いて、手元に残る収益がNOI(Net Operating Income)として表現されるわけです。
ちなみに融資を受けて購入している場合は毎月の返済が出てきますが、この毎月の返済額はNOIを算出する際の支出には含まれておらず、あくまでも
現金購入
借入購入
のいずれの場合でも通用する収益の見方となり、毎月の返済があるのならばその返済額を勘定した上で
「実際にはいくら手元に残るのか」
を考えなくてはなりません。
そして今回の実例では上のように
NOI:$770,209
とされており、キャップレートは4.97%ですから物件価格は
$15,497,162($770,209 / 4.97%)
で、15ミリオン程の価値を期待されていることが分かります。
ただし、ここは数字の概要を見る過程でも非常に大切なので強調しておきますが
「NOIの数字情報が正しいことは極めて稀」
であることは常識としておきましょう。
近年は男性でもお化粧をする方々が大勢いますので無難にお化粧をする男性の意味で例えますが、お化粧を取ると
「あれ??」
と見える男性も少なくありません。
同じように投資したくなるような美しい数字に見える概要でも、いざ契約が始まってDue Diligence (デューディリジェンス)を深めてみると
「あれ??」
ということが当たり前なのです。
このことはお化粧をする男性(或いは女性も)の気持ちになってみるとよく分かります。
決して騙すような意図はなく、けれども自分が人前に出られるようには整えたい気持ちは誰でも同じです。
同様に自分が所有する物件を世間に晒す前には、誰だって数字的にちょっと背伸びをして整えたいと思うもの。
そこで数字概要でNOIを見る時はあくまでも冷静に、盛った数字である前提で捉えておきましょう。
Building SqFt / Land Area
この2つは分かり易いようにまとめますが、想像つくようにBuilding SqFtは建物の面積、そしてLand Areaは土地の面積です。
すなわちこの場合は
BuildingSqFt ±34,953 SqFt
Land Area ±27,557 SqFt
ということであれば、建物面積と土地面積の合計が62,510SqFt前後ということになります。
ただし「Building SqFt」 という記載がある場合、それは通常は建物全体の全フロアの合計面積のことです。
そこでこの場合、Floor 4で4階建てとのことですので、1つのフロアが
±8,738(34,953 / 4)SqFt
と予想されます。
また「Land Area」は土地面積を示しており、建物部分を含めた土地全体の面積を意味しますのでこの場合、約27,557 SqFtが土地面積です。
ということは、1つのフロアが±8,738SqFtですから
18,819(27,557 - 8,738)SqFt
と、約18,820SqFtが建物周りの面積と予想されます。
Parking Subterranean
Subterraneanは「地下の」という意味合いがあり、すなわちこの物件には地下駐車場がついていることが分かります。
このようなハリウッド近郊の住居物件では駐車場がついているか否かは非常に重要な要素です。
Zoning
Zoning(ゾーニング)は都市や自治体が土地利用の規制や区分けを行うための制度や方針を示す用語です。
具体的には、その土地がどのように利用されるべきか、どのような建物や施設が建てられるべきかを定めるルールや規制が示されています。
そこで「LAR3」とありますが、LAR3はロサンゼルス市のゾーニングコードの一部で、特定の土地利用と密度の基準を定めたものです。
LAR3は主に中密度の住宅ゾーンとなり、
用途:複数の住居ユニットが許可されるマルチファミリー住宅(例: アパート、コンドミニアム)の建設を想定
密度:一定の土地面積あたりの住居ユニット数が定められており、それを超える建設は基本的に許可されない
建物の高さやセットバック:特定のセットバック(建物のフロントやサイドからの距離)や最大建物高さなど、建物の設計に関する制限も存在する
と定められるコードです。
結果としてこの実例は「複数の住居ユニットが許可されるマルチファミリー住宅」に当てはまっていますから、ロサンゼルス市からも許可された土地利用の範囲ということになります。
もちろん実際の契約期間のDue Diligence (デューディリジェンス)では本当にゾーニング割当がLAR3か裏をとる必要がありますが、この概要部分で重要情報に(すぐにバレる)嘘を記載するようでは、契約する相手にはなり得ないと思います。
明日に続けます。
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