こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
所得税に絡む知識をお伝えしています。
昨日までは物件の保有期間中に上下していく変数Cost Basis(コスト ベイシス)と税の回避策となるTax Shelter(タックス シェルター)についてお伝えしました。
これらの不動産金融知識を一つひとつ身につけていくことで、不動産投資からのリターンは着実に大きくなってきます。
「不動産投資は専門的すぎる」
「敷居が高い」
という声を聞くことがありますが、確かに専門的な知識を必要とする分野であることは間違いありません。
けれども楽をして稼げるということは全く幻想でしょうし、そんなうまい話が世の中あるわけがないのです。
しかるに
専門性を高め続ける = 稼げる力が増す
であることは間違いありませんから、むしろアメリカ不動産投資にしても、このような専門知識を一つひとつ増やしていくことでリターン回収力が高まっていくことは間違いないと思うのです。
そこでTax Shelter(タックス シェルター)に言及した上で、それと同時に押さえておきたい控除の項目について触れておきたいと思います。
いわゆる会社経営における経費の話ですが、もちろん、不動産運用においても経費として計上してよい項目は数多くあります。
年間純収益は
NOI = 家賃総収入 - 経費
の式で年間家賃収入から経費を差し引いた額となるわけで、この経費についても最低限の知識を身につけて使い分けていくと良いと思います。
そこでアメリカ不動産投資で
1 ~ 4戸
の住居用物件に限ってみていく場合、厳密には
- 住居用物件
- 賃貸用物件
の二種類があります。
アメリカ不動産投資とはいわゆる後者の賃貸用物件を指し、賃貸用物件を運用する上ではそこには経費計上されるべき項目がいろいろと出てきます。
同時に見落とされがちなのが、前者の住居用物件であってもその所有期間に発生する費用によっては経費として計上されるべきものもあるのです。
要するに
- 住居用物件
- 賃貸用物件
の二つでは経費計上できる種類に違いがあることになりますが、住居用物件であったとしても計上できる経費を正しく知ることで、それこそ
- Cost Basis(コスト ベイシス)
- Tax Shelter(タックス シェルター)
をコントロールしながら適切に資産価値を高めつつ、手元に残る現金を多くしていくことが出来るのです。
住居用物件の控除
アメリカ不動産を自宅として使う場合も、物件そのものは大切な資産の一つです。
税制上も自宅に関連する様々な経費が控除対象となっています。
とはいえ、全ての経費が控除対象となるわけではありませんので、その違についてはしっかりと理解しておきましょう。
許容される経費
固定資産税
先日も固定資産税について触れましたが、住宅を所有しているだけで発生する固定の一つが固定資産税です。
固定資産税は毎年のように支払う必要があるのが一般的であり、住宅の評価額に基づいて計算され、支払う固定資産税は自治体の予算の一部として使用されます。
税制上、固定資産税は控除対象となっています。
州によっては「固定資産税がけた違いに高い」という場合もありますが、経費計上できる控除対象でもあるのです。
利息
住宅ローンを組んで住宅を購入した場合にはローンの利息が発生します。
そして自宅用物件の場合も、この利息は経費として控除することができます。
返済するローンの額は毎月一定に見えても、実際にはそのローンがAmortization(アーモチゼーション)形式であれば、内訳の利息は毎月少しずつ少なくなっているはずです。
それでも年間の利息は決して小さいものではなく、その年間合計を経費計上することで住宅ローンの負担も軽減することが期待できるのです。
保険をかけていない災害損失
何らかの理由で保険がかけられていない場合の災害による損失も、一部控除の対象となることがあります。
ただしここれは限定的なケースでの控除となるため、詳しくはその災害損失が控除対象となるかは、公認会計士に確認する必要があると思います。
コンドミニアムの共有エリアに関する利息
コンドミニアムのユニット所有者は、共有エリアに対する債務の利息を控除することができます。
これは共有エリアの維持や改善のための費用が住民全員に共有されるためです。
そこでコンドミニアム所有者はHOA(ホームオーナーズアソシエーション)からくる財務情報にはよく目を通し、控除対象となる項目であるかを確認するとよいと思います。
残高一括支払いペナルティ
ローン支払いが残っている中で、元金残高をまとめて一括払いすることをPrepayment(プリペイメント)と言います。
この点は自分が組むローンの種類と契約により違いがありますが、Prepayment(プリペイメント)を実施するとそれに対しPenalty(ペナルティ)が発生する場合があるのです。
自分が組んだローンにPrepayment Penalty(プリペイメント ペナルティ)があるか否かは事前に把握しておくべきですが、場合によってはPenalty(ペナルティ)を支払ってでもPrepayment(プリペイメント)を実施した方が良いという場合、このPenalty(ペナルティ)は控除対象となることは覚えておきましょう。
控除できない経費
上記とは反対に住居用物件の場合、下記は控除対象とはなりません。
減価償却
住宅は資産としての価値を有していますが、それに関する減価償却の経費は控除対象とはなりません。
維持費
住宅の維持にかかる経費も控除対象外です。これには修理や清掃、リノベーションなどが含まれます。
損失
住宅の売却による損失や他の理由での価値の減少は税制上の控除対象とはなりません。
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