こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
不動産価格が比較的安い市場についてみてきました。
いつの時期にも不動産物件そのものは
「家は高くておいそれと買えるものではない」
という認識がありました。
例えば1970年代と今を比較すると$1の価値は全く違います。
当時は20万ドルで購入できた物件が、今ではミリオンを超えている事例はざらにありますし
インフレによる間接的な物件価格の押し上げ
人口増による需要増
を始めとして、あらゆる複雑な要素が影響して価格を押し上げてきた経緯があります。
それでも曲がりなりにも人々の基本給も上昇しつづけてきましたから、
「家は高くておいそれと買えるものではない」
という今も昔も変わらないセリフを聞きつつ、それでも家を購入する人々はいつの時代にもいたわけです。
けれどもここにきて、特にコロナ禍に起こった人為的な資産バブルの影響で物件価格も跳ね上がり、かつその時の跳ね上がりは
急激なインフレ
高いモーゲージ金利
の双方により、本来然るべき価格に戻ることなく高止まりの感があります。
これがいつか完全に調整されるか否かといえば、いつかは大きく下がる可能性も決して否定できません。
けれども少なくとも今の時期には在庫数そのものの減少もあいまって、価格はなかなか落ち切らない現状です。
そこで住居用物件もしくは賃貸物件のいずれを購入するにせよ、今の時期にはここに紹介する
「地味だけれども、着実に賃貸需要が見込める街」
への投資は有効な方法だと思います。
今日は安く物件が購入できる都市10選の最後、第2位から第1位までを見ていきましょう。
物件価格が安い都市2位:Scranton, PA(ペンシルベニア州スクラントン)
ペンシルベニア州スクラントンはアメリカ北東部のノースイースタンペンシルベニア地域に位置する歴史ある都市です。
この地域はかつて石炭産業によって栄えた産業都市として知られていましたが、その産業の衰退により経済状況に大きな変化が生じ、けれども近年は再び活気を取り戻して不動産市場において注目され始めているのです。
スクラントンは地形的にはラッカワナ渓谷に位置し、山々、湖、公園、自転車道に囲まれた自然豊かな環境になっています。
東部も元々緑が豊かですが、スクラントンも間違いなく自然豊かな地方都市です。
スクラントン市内には5つの大学や大学があり教育の中心地としても重要な役割を担っていますが、特にアウトドア愛好家にとっては市中心部から30分圏内に4つの州立公園があることも大きな魅力です。
歴史的には石炭産業の衰退後、スクラントンはそのイメージを一新して
- 芸術
- 文化
- 食文化の祭典
が年間を通じて開催されるようになりました。
人口の変化に関しては石炭産業の衰退に伴い一時的に減少しましたが、最近では都市の再生と共に安定しつつあります。
失業率も同様にかつての高い水準から徐々に改善しており、経済の多様化に成功していることが伺えます。
そして何よりも不動産市場において、スクラントンは特に魅力的な市場となっています。
手頃な価格の物件が豊富で、例えば1920年に建設され最近全面的に改装された5ベッドルーム、1.5バスルームのタウンハウスが$158,888で売り出されているなど、購入者にとっては大変魅力的な条件です。
2020年10月の中央リスト価格は$239,495とされており、これは生活水準と比較しても手頃な価格帯です。
かくしてスクラントンは経済の衰退からの回復を遂げ、新しい生活様式と文化的な魅力を提供する都市へと変貌を遂げつつあります。
住宅購入者が求める手頃な価格と快適な生活を組み合わせたこの都市は、今後も注目され続ける要素にあふれた地域市場であることは間違いありません。
物件価格が安い都市1位:Toledo, OH(オハイオ州トレド)
オハイオ州トレドはミシガン州境に接するエリー湖の西端に位置する都市です。
この都市は長年にわたってガラス産業や自動車製造業(特にジープの生産地として)で知られてきましたが、現在は魅力的な都市型の目的地として再定義されています。
経済状況の歴史を見ると、トレドは主要な産業の変遷を経てきました。
ガラス産業や自動車製造業の衰退に伴い経済は一時的に低迷していましたが、最近では多様化が進み安定した成長へと変化しているのです。
地元不動産エージェントによると
「トレドは米国の中央に位置し、東海岸や西海岸、サンベルト地域のような大きな経済的変動を避けている」
とのこと。
人口の変化については産業の変遷に伴う一時的な減少が見られましたが、都市の再生により安定した成長を見せています。
失業率も、産業の多様化と経済の安定により大きく改善されつつあるのです。
そして特に不動産市場においてトレドは初めての家を購入する人々にとって魅力的な選択肢となっています。
2020年10月の中央リスト価格は$205,725と比較的手頃な価格帯です。
例を挙げると、トレドのオールド・ウエスト・エンド地区にある歴史的な家屋が$154,777で売り出されており、5ベッドルーム、3.5バスルーム、3,624平方フィートの生活空間はかなり広い住宅環境と言えます。
最近の傾向としてターナーは州外からの投資家がトレドの低価格の住宅市場を利用するケースが増えている様子。
これらの不動産投資家は現金で物件を購入し、全面的に改装した後に賃貸に出すフリップ狙いがほとんどです。
この傾向はトレドが低価格で魅力的な不動産市場として成長していることを示しており、今の時期に見合った投資戦略と言えると思います。