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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
2024年のアメリカ不動産市場についてお伝えしています。
本シリーズを通して来年の見通しを語るうえで、論調がややネガティブに読めてしまうかと思いますので一つ補足しておきたいのですが、
正真正銘、
「買主にとっては大きく値下げできる時期」
これは本当です。
私自身、不動産ブローカーとして数々の取引に携わる中で様子をみていますが、今の時期は買主にとって大きく値段を落とせる時期です。
その証拠の一つに
上のモーゲージ分布を見るとよく分かりますが、金利毎に並べると
3% ... 29%
3% ~ 4% ... 38%
4% ~ 5% ... 15%
5% ~ 6% ... 9%
6%以上 .. 9%
となっており、なんと4%以下は67%となっています。
すなわち今は市場に出回る売却物件そのものが少ない時期であり、このことは正に現在のアメリカ不動産市場全体を正確に表しています。
一言で言えば、今の市場に物件がほとんど出ていないのは
「せっかくの低金利を手放したくない(なので余程のことがない限りは家を長期保有したい)」
「今の時期に低金利を手放すと、賃貸物件の家賃は高く、新しい家を買うにも金利が高すぎる(経済的に大損をする)」
というオーナー心理が働いているからです。
今現在米国内で物件を所有する人々は、今のように金利の高い時期には
「家を手放してわざわざ高い金利を掴む理由がない」
と考えています。
実際に上記のグラフのように、たった今の米国住宅ローンの約3分の2がちゃっかり4%未満の低金利を掴んでおり、90%以上が6%未満の金利なのです。
そうすると、どう考えても今の時期に物件を売ることは大損してしまいますので、特にカリフォルニアのような物件が高額な地域ではイソギンチャクが縮み込む状態のようにオーナーたちは鳴りを潜め、物件が市場には出てきにくい状況になっています。
そしてこのことを逆にいえば、どうしても今の時期に売りたい理由がある物件オーナーにとっては今ほど苦しい時期はないはずです。
今の時期に物件を市場に出している = そのオーナーはどうしても売りたい理由がある
であり、けれども金利の高い今、そう簡単には売れません。
そしてとりわけ今のような年の瀬も迫るオフピーク極まる時期には不動産市場は冷え込みますから、多くのリスティングエージェントからブローカーとしての佐藤の元に
「買主はいないか?」
と聞いてくるのです。
結果として、今の時期に最も有利なポジションを取れるのは
- 現金買いが出来る(売主にとって融資審査がない買い手は大変魅力的)
- 賃貸用に購入する(自分の暮らす場所はある為、余裕がある)
という投資家になると思います。
賃貸需要の伸びが供給を上回り、賃料が下落へ
そこで賃貸市場に目を移すと状況はどうでしょうか。
実は、2024年には賃貸需要の伸びが供給を上回り、賃料がわずかにさらに下落することが予想されます。
2021年半ばから2022年半ばにかけてのほぼ1年間、賃貸市場は二桁の賃料上昇を経験していました。
それが2023年5月に始まった前年比の下落により、賃貸市場の家賃上昇はついにほぼストップ。
2024年には賃貸市場が2023年に見られた動向に近いものになると予想されます。
厳密に見ると、供給と需要のバランスが変化し中央値の賃料に年間-0.2%のわずかな下落をもたらす見込みとなっています。
ここで参考になる家賃の推移を見てみましょう。
この家賃下落の予想を理解するには、不動産市場の基本的なメカニズムを考慮する必要があります。
需要と供給の関係でいえば、通常は供給が需要を上回ると価格は下落するはずです。
この需要と供給のバランスはそのまま賃貸市場にも当てはまり、賃料の動向に大きな影響を与えることになります。
2021年から2022年にかけての賃料の急激な上昇は、パンデミックの影響を受けた市場の回復に伴うものでした。
多くの都市でロックダウンが解除され、経済活動が再開されると人々は再び都市部への移住を始め、賃貸需要が増加しました。
けれどもこの需要の増加は一時的なものであり、やがて供給が追いつくにつれて市場は再び均衡状態に戻りつつあるのです。
そして2023年の賃料の年間下落は、新築物件の完成やリノベーション物件の増加による供給の増加が大きな要因です。
さらに経済的な不確実性や金利の上昇など、外部環境の変化も賃貸市場に影響を及ぼしています。
これらの要因が複合して、今私たちが目にする賃料の下落圧力を生じていることになります。
2024年の賃貸市場に関してはこのまま、前年の傾向が続くと予想されています。
つまり供給と需要のバランスが維持され、賃料の大幅な変動はないというわけです。
けれどももちろん、地域によっては市場の動向が異なる可能性があります。
特に世界中から注目される経済的に活発な都市や新しい雇用機会が増えている地域では賃貸需要が高まる可能性があり、その結果に賃料が安定するか、わずかに上昇するパターンも見られるのではないでしょうか。
結果として2024年の賃貸市場は一般的には安定した状態を維持すると予想になるものの、市場の動向は地域ごとの経済状況や不動産市場の特性によって左右されることになると思います。
その意味では不動産投資家や賃貸物件のオーナー、テナントはこれらの市場動向を注視し、適切な判断を下す必要がありそうです。
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