不動産業界の大変化 ～ 大量データの活用

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

アメリカ不動産業界を飲み込み続ける技術革新として、

AI（人工知能）の応用

ブロックチェーンの革新

VR（仮想現実）の活用

スマートコントラクト

大量データと不動産

についてお伝えしています。

最近、

「AIの台頭により失われるだろう職種」

というテーマの話を聞くことがよくあるのではないでしょうか。

18世紀後半から19世紀前半に英国で起こった産業革命の際にも大量生産の機械が疎まれ、極端な例では腹いせに数多くの機械が破壊行為を受けたといいます。

けれども機会を壊したところで、トレンドが元に戻るはずもなく、仕事形態は大きく変化するしかなかったのです。

同時に、昔を知る人々に言わせると

「技術革新で仕事がなくなったとしても、他の仕事はいくらでもある」

「相対的に、仕事を奪われた人々が職に就けなくなることはない」

とのこと。

確かに、この体験に基づく見解はうなづけるものがあります。

それこそ人間は機械ではありませんから、自分の職種がなくなってもそれならそれで、代わりの職につこうとするものです。

「資格を有する専門職の場合は難しいのでは」

という意見もあるかもしれませんが、例えば佐藤の従事するアメリカ不動産業界で、ここまでにご紹介した

• AI（人工知能）の応用
• ブロックチェーンの革新
• VR（仮想現実）の活用
• スマートコントラクト

により

「仲介業は人がやる必要はなくなった」

としても、私(佐藤)自身は全く困りません。

そもそもがアメリカの不動産エージェントはコミッション100%の世界であり、自分で仕事を取れない者は退場するしかない厳しい世界。

とはいえ私(佐藤)自身は人様との無味乾燥な競争は興味がありませんし、それこそ不要な競争を避けるべく、

ブルーオーシャンへ

ブルーオーシャンへ

。。。

と逃げてきた経緯があります。

結果としてAIには取って代われない、感性を主軸にするコンサルティング形態にたどり着いており、この路線で更に充実拡大させていく次第。

そうすると、ここまでにご紹介した不動産業界の激変は大歓迎ですし、

事務的手続き ⇒ 技術革新に丸投げ

感性を元にするコンサルティング業務 ⇒ 佐藤

という具合に、発展の方程式が描けるのです。

そこで技術革新がもたらす大きな変化のスポットして、今日は最後に大量データと不動産に触れておきたいと思います。

大量データと不動産

大量データの扱いはAIの得意とするところですが、数あるAI活用法の中でも、アメリカ不動産業界において考えられる

顧客行動の理解

価格設定と投資判断

の二つについて、見ていきましょう。

顧客行動の理解

アメリカ不動産業界において、AIは顧客の購入パターン、好み、レビューなどのデータを解析し、特定の地域や物件タイプに対する需要の傾向を把握する重要な役割を果たしています。

顧客行動データは非常に多岐にわたりますが、AIと機械学習アルゴリズムを活用することで、この複雑なデータから有意義な洞察を抽出することが可能なのです。

AIは、顧客の過去の購入履歴、オンラインでの検索行動、物件に関するレビューやフィードバックなどのデータを分析し、特定の顧客セグメントがどのような物件に興味を持っているか、どの地域が人気があるかといった情報を非常に明快に明らかにしていきます。

たとえば、ZillowやRedfinといった不動産プラットフォームは、AIを用いて顧客データを解析し、個々のユーザーの行動パターンに基づいて物件を推薦しています。

恐らく、利用者の大半は、これらMLSサイトの裏側でAI技術が活用されていることに気づいていないのではないでしょうか。

これらのプラットフォームは、ユーザーがサイト上で見た物件、保存した物件、検索した条件などを記録し、そのデータを元にして個々の顧客に最も適した物件を提示します。

これにより、ユーザーは自分の好みに合った物件を効率的に見つけることができ、不動産会社はよりターゲットを絞ったマーケティングを行うことができるわけです。

さらに、AIは顧客の好みやトレンドを予測するためにも用いられます。

例えば、AIは社会メディア上のトレンドやレビューを分析し、特定の地域や物件タイプに対する人気の傾向を把握することも出来ます。

これを活用して、不動産開発者や投資家は、市場の需要に基づいた投資や開発の決定を行うことができるのです。

かくして、AIによる顧客行動の理解は、不動産業界におけるデータ駆動型の意思決定を強化します。

そしてこれがより効果的なマーケティング戦略、顧客満足度の向上、そして市場の需要に対応した物件の提供につながり得るのです。

価格設定と投資判断

不動産業界では、AIは大量の市場データを基に物件の価格設定や投資判断を行う際の意思決定をサポートし、リスクを減らし、収益性の高い選択を可能にしています。

不動産の価格設定は、多くの変数に基づく複雑なプロセスです。

市場の動向、物件の場所、特性、現地の経済状況など、多様な要素が価格に影響を及ぼすことになりますが、AIはこのプロセスにおいて、過去の取引データ、現在の市場条件、さらには将来の経済予測を分析することで、物件の適正価格を推定できるのです。

たとえば、Zillowの「Zestimate」という機能は、機械学習アルゴリズムを用いて、個々の不動産の市場価値を評価し、売却価格を推測しています。

これにより売り手は物件の価値をより正確に把握し、適切な価格で市場に出すことが可能になる、というわけです。

また、AIは投資判断のプロセスにおいても重要な役割を果たします。

不動産投資家は、投資先の選定やリターンの見積もりにAIを活用しています。

例えば、AIは複数の市場指標を分析し、特定の地域や物件タイプの将来的な収益性を予測します。

さらに、AIは潜在的なリスク要因を特定し、投資家がよりリスクを抑えた選択を行えるようサポートするのです。

このように不動産市場のデータ解析にAIを活用することで、不動産業界はよりデータ駆動型の意思決定を行うことができます。

結果として市場の変動に対する敏感さが向上し、より効率的で収益性の高い取引が可能になるのです。

。。。

数日に渡り、現代の技術革新がアメリカ不動産市場にもたらすだろう変化についてお伝えしてきました。

私たちは変化の先頭に立ち、これからの時代においても優位性を保ち続けていきましょう。