「ロサンゼルスやオレンジカウンティで理想の住まい」を。
全米最大手の不動産会社ケラーウィリアムズが日本語で南カリフォルニアの魅力的な物件をご紹介します。
ペット可、学区の良い新築物件からリフォーム済みの一戸建て、豪華なマンションやコンドミニアムまで、あなたのご希望に合った住宅が見つかるはずです。
予算100万ドル以下の安い不動産から高級住宅まで、プール付き、駐車場完備、家具付き賃貸など、様々な条件でお選びいただけます。
安全で便利なエリア、自然が多い地域に住みたい方にもぴったりの物件を取り揃えていますので、
南カリフォルニアで住宅購入をご希望の方は、こちらのレターから詳細をご確認ください。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
物件調査レポートを見る際のポイントに始まり、レポートには出てこない、順守されるべき法令についてもみてきました。
昨日までに引き続き、本項でもレポートから派生するべき確認事項についてみていきたいと思います。
レポートから派生して知るべき重要事項の一つ。
それはずばり「過去の維持管理履歴」です。
想像に容易いと思いますが、維持管理履歴は物件状態と同様に購入した後に大きく影響してくる重要事項です。
「過去に何があったのか」
「それに対してどのような対処がなされたのか(なされていないのか)」
そしてここからさらに飛躍して
「そうすると、将来の維持管理計画はどのように立てられるべきか」
まで将来像を描いておくことができます。
このあたりを合わせてみていきましょう。
過去の維持管理履歴と将来の維持管理計画
物件の過去の維持管理記録や修繕履歴がどの程度整っているか、また将来的にどのような維持管理が必要になるかの見通しがあるか確認することは大切です。
アメリカの不動産における物件調査で過去の維持管理履歴と将来の維持管理計画を評価する際には、以下のポイントに特に注意して確認することが推奨されます。
修繕履歴の詳細
具体的な修繕: 物件の過去に行われた主要な修繕やアップグレードの記録を確認します。例えば、屋根の修繕や交換、HVACシステムのアップデート、配管の修理や更新などです。
修繕の日付と費用: 各修繕がいつ行われたか、そしてその際にどの程度の費用がかかったかの記録も重要です。これにより、物件の保守管理が適切に行われていたかの評価が可能となります。
保守契約の有無
契約内容: HVACシステムやセキュリティシステムなど、定期的なメンテナンスが必要な設備について、継続的な保守契約が存在しているかを確認します。
サービスプロバイダー: これらの契約がどのサービスプロバイダーと結ばれているか、そしてそのサービスの質に関する情報も収集します。
予想される修繕と更新
長期計画: 物件に必要とされる将来の修繕やアップグレードについての計画があるかを確認します。例えば、屋根や外壁の予定された交換時期、古いインフラの更新計画などです。
コスト予測: 将来の修繕にどの程度の費用が見込まれるか、その予算が計画に組み込まれているかを確認します。
リスク評価
環境リスク: 地域の気候変動影響や自然災害のリスクを考慮した維持管理計画が存在するかどうかを評価します。
技術的進歩の影響: 新技術の導入が必要となる可能性や、それによるコスト削減効果も検討します。
これらの詳細なチェックを通じて、物件の維持管理が適切に行われているか、そして未来に向けた計画がしっかりと立てられているかを評価します。
良好な維持管理履歴と明確な将来計画は、物件の価値を維持し、不測のコストから保護するために重要なのです。
このまま、将来予測にいきましょう。
将来の修繕にかかるコストの予測は、不動産の維持管理において非常に重要な要素です。
この見立てを行うためには、いくつかのステップと考慮すべきポイントがあります。
- 建物の評価と検査
建物全体の詳細な検査を実施して、各設備の現状を把握します。特に注意すべきは屋根、基礎、外壁、HVACシステム、配管、電気システムなどの主要なコンポーネントです。
寿命評価: 各コンポーネントの残存寿命を専門家が評価します。これには、メーカーの提供する耐用年数や過去のメンテナンス履歴を考慮に入れます。
- 修繕コストの見積もり
単位コストの算出: 特定の修繕作業に必要な材料と労働の単位コストを算出します。これには地域の建築費用、労働率、材料費の現在価格が反映されます。
見積もりの作成: 残存寿命と現状の評価をもとに、各修繕作業が必要となる予定年を定め、それに必要なコストを見積もります。
- 総コストの計算
将来価値計算: 複数年にわたる修繕計画であれば、インフレ率や資金の時価を考慮して、将来のコストを現在価値に換算することが重要です。
コストの合計: すべての予定された修繕作業のコストを年度ごと、またはカテゴリーごとに合計し、総予算を算出します。
- リスクと不確実性の評価
リスクマージンの設定: 建物の老朽化や予期せぬ破損が発生する可能性を考慮し、予算にリスクマージンを加えることが推奨されます。
定期的な見直し: 市場の変動や物件の使用状況によっては、予定していた修繕コストが変わることがあります。定期的に計画を見直し、必要に応じて予算を調整します。
- 予算計画の統合
総合的な資金計画: 修繕コストの見立てを不動産の総合的な資金計画に組み込み、資金調達の戦略を立てます。これには、予備費の設定や、必要に応じて金融機関からの融資の検討が含まれます。
将来の修繕にかかるコスト予測は、不動産を健全に維持し、価値を維持するための計画的なアプローチを提供します。このプロセスを通じて、物件所有者は財務的なサプライズを避け、長期的な投資利益を最大化することが可能になります。
そこで具体的に、将来の修繕コストを計算する際の例を用いて計算方法をみてみましょう。
このプロセスでは、将来価値計算、コストの合計、およびリスクマージンの設定を含みます。
例: 10年間の屋根修繕コスト計算
仮定
• 現在の屋根修繕コスト: $10,000
• 年間インフレ率: 3%
• 修繕が必要と予測される年: 10年後
• リスクマージン: 10%
ステップ 1: 将来価値計算
将来の修繕コストは、インフレ率を考慮して計算します。インフレによる価格上昇を考慮するため、以下の式を使用します。
将来価値=現在価値×(1+インフレ率)年数将来価値=現在価値×(1+インフレ率)年数
この場合の計算は
将来価値 = $10,000×(1+0.03)10
です。
ステップ 2: コストの合計
将来価値を求めた後、その金額が次回の修繕時に必要な総コストとなります。ここでは、さらにリスクマージンを加えて最終的な予算を設定します。
ステップ 3: リスクマージンの設定
予期せぬコスト増に備えるために、計算された将来価値にリスクマージンを加えます。
リスクを考慮したコスト=将来価値×(1+リスクマージン)リスクを考慮したコスト=将来価値×(1+リスクマージン)
で、これらの計算を実行して、具体的な数値を求めます。
計算の結果、10年後の屋根修繕の将来価値は約$13,439となります。
さらにリスクマージンを10%加えた後のリスクを考慮した総コストは約$14,783です。
このように将来の修繕コストを計算することで、適切な予算計画を立て、未来の不測の経費に備えることが可能となるわけです。
最後は商業物件レベルの細かい話にまで及びましたが、おぼろげながらも、ここまで精度をあげて数字に落とし込むことが可能になる、という点は覚えておきましょう。