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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカンドリームの象徴として長く君臨してきた「一戸建て住宅」
その常識が静かに揺らぎ始めています。
価格高騰と金利上昇によって、もはや「マイホーム」は多くの家庭にとって簡単に手に入る夢ではなくなりました。
その一方で、家族が資金を出し合って多世代で暮らすスタイルや、複数世帯が一棟の建物を共有する「マルチファミリー(多世帯住宅)」が注目を集めています。
実際のところ、投資という観点から見るとどちらが有利なのでしょうか。
一戸建てとマルチファミリー、どちらがより早くエクイティ(資産価値)を築くのか。
結論から言えば、状況によって答えは分かれます。
2025年のデータを見ると、マルチファミリー市場の回復が顕著です。
Freddie Mac(フレディマック)の「Apartment Investment Market Index」は前年同期比で7.6%上昇し、過去2年間で最高水準を記録。
これは住宅ローン金利の低下と純営業利益(NOI)の3.7%増が背景にあり、投資家にとってより効率的な収益が得られる環境になっていることを示しています。
その一方で、一戸建て市場は減速しています。
S&P CoreLogic Case-Shiller住宅価格指数によると、2025年7月の全国平均価格上昇率は1.7%と前年を下回り、6月の1.9%からさらに鈍化。
月次でも2か月連続の下落で、いわゆる「繁忙期」でさえ価格の伸びが止まっているのです。
これらのデータから見えてくるのは、「価格上昇による資産形成」と「安定収入による利回り」のギャップが広がっているという現実です。
専門家の多くは依然として「資産価値の上昇スピード」では一戸建てに軍配を上げます。
理由は単純で、人々が求めるライフスタイルがそこにあるから。
例えば南フロリダでは土地が限られていてライフスタイルを重視する買い手が多い地域ほど、一戸建ての価格は上がりやすいといいます。
特に良い学区や庭付きの家には、感情面も手伝って大きな価値がつく傾向があるのです。
要するに「感情プレミアム」が一戸建て価格の上昇を支えてきたわけで、
- 広い敷地
- プライバシー
- 自然環境
- 教育環境
このような数字が理論値以上に人々の心を動かすことになります。
その一方で、マルチファミリーの価格上昇は「感情」ではなく「家賃収入」に連動します。
市場の熱狂よりも、賃料収入がどれだけ増えるかが鍵になるのです。
また一戸建ての方が流動性が高く、売却もしやすい傾向があります。
投資家にとっては出口戦略が柔軟で、5〜10年スパンの投資ではエクイティ形成のスピードが速いといえます。
けれども「毎月のキャッシュフロー」を重視する投資家にとっては、マルチファミリーの魅力が際立ちます。
たとえば2世帯住宅(デュプレックス)や3世帯住宅(トリプレックス)では、価格上昇率が一戸建てより緩やかでも、家賃収入で差を埋められます。
空室が出ても他の部屋から収入が得られるため、リスクが分散できるのも大きなメリットです。
テキサス州ダラスやデンバーでは、家賃がピークからやや下がったとはいえ、パンデミック前と比べて全米平均では19%も上昇しています。
長期的にみれば、家賃収入の安定性が投資を支える形です。
けれどもマルチファミリーは維持費・光熱費・修繕費などの負担も大きく、初期投資も重くなります。
つまり「短期のリターン」より「長期の安定収益」を狙う投資スタイルです。
その一方で投資の目的が「フリップ(短期売買)」であれば、一戸建ての方が売却しやすく、価格上昇も早い傾向にあります。
前述のように人気の高い地域では流動性が高く、買い手が感情的に動く分、値上がりもしやすいのです。
結果として、長期保有による資産形成を目指すならマルチファミリーの方が有利になります。
毎月の家賃収入でローンを返済しながら、ゆっくりと価値を積み上げていく。
そんな堅実な戦略が可能だからです。
さらに最近では、「多世代同居」の需要が投資判断を変え始めています。
親世代・子世代・孫世代が同居するスタイルが増え、1つの建物に複数の生活空間を設ける住宅が人気です。
例として南フロリダでも「ADU(付帯住宅)」付き物件や二世帯住宅を求める家族が増えており、その柔軟性が価格を押し上げています。
カリフォルニア州サンノゼやサンフランシスコでは、2024〜2025年にかけてADU(日本でいう母屋)を独立したユニットとして販売できる条例も整備されました。
これにより、既存住宅の敷地を活用した「追加収入のある家」が注目されています。
。。。
かくして、アメリカ不動産投資判断の基準は「どちらが儲かるか」だけではなく、「どんな暮らしと未来を描くか」へと変わりつつあります。
もし短期間でエクイティを築きたいなら、一戸建てが今も強い選択肢です。
けれども安定的な収入とリスク分散を重視するならマルチファミリーの時代。
どちらを選ぶにせよ、自分のライフプランと投資ゴールを明確に描くこと。
それが、これからの不動産投資で最も重要な基準になりそうです。
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