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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
2026年に向けて発表されたFHAローンの限度額引き上げについて、更新情報がでました。
今回の変更はアメリカの住宅価格が依然として高水準にあり、住宅取得環境が大きく変わっていないことを改めて示すものです。
HUD(米国住宅都市開発省の発表)によると、FHAが提供するシングルファミリー向けのフォワードローン、そしてリバースモーゲージであるHECMの最大保証額が、2026年には1,249,125ドルに引き上げられます。
これは2025年の1,209,750ドルからの増額で、金額にすると39,375ドル、率にして約3.3%の上昇です。
この数字だけを見ると控えめな上昇に感じるかもしれません。
けれども実はFHAローンの限度額はこれで10年連続の引き上げとなり、この事実はとても重要です。
なぜなら、FHAローンは「住宅価格が下がる局面」ではなく、「上がり続ける局面」を前提に制度設計が調整されてきたことを意味するからです。
FHAのローン限度額は、毎年ランダムに決められているわけではありません。
その根拠となっているのがNational Housing Act、いわゆる国民住宅法です。
この法律に基づき、FHAは全米各地の住宅売買データをもとに、郡や都市圏ごとにローン限度額を算出しています。
全米を一律に見るのではなく、地域ごとの住宅価格を反映させる仕組みになっている点が特徴です。
法律上、住宅コストは大きく三つの階層に分けられており、
- 低コストエリア
- 標準エリア
- 高コストエリア
という区分です。
FHAはこの区分に応じて、地域ごとのローン上限を調整しています。
その一方で、どれだけ住宅価格が高い地域であっても、無制限にローン限度額が引き上げられるわけではありません。
高コストエリアにおけるFHAローンの上限は、全米のコンフォーミングローン限度額の150%までと法律で定められています。
このコンフォーミングローン限度額は、Fannie MaeやFreddie Macを監督するFHFA、連邦住宅金融庁が毎年設定するものです。
つまり、FHAローンの上限は、民間住宅ローン市場の基準とも密接に連動しているのです。
今回の引き上げは、過去1年間の住宅価格の上昇が主な理由とされています。
特定の都市だけでなく、全米の多くの地域で住宅価格が上昇したことが背景にあります。
結果として、2026年には「全米の大部分のエリアで」FHAローン限度額が引き上げられる見通しとなりました。
ここで一つ、実務的な視点から考えてみましょう。
FHAローンは、頭金が少なくても利用しやすいローンとして知られています。
特に初めて住宅を購入する人や自己資金を温存したい層にとっては、重要な選択肢です。
ローン限度額が上がるということは、同じ自己資金でも、より価格帯の高い住宅に手が届く可能性が広がることを意味します。
その一方で、これは「住宅価格が高止まりしている」という現実の裏返しでもあります。
ローン枠が拡大することで購買力は維持されますが、住宅そのものが割安になるわけではありません。
むしろ、融資枠の拡大が価格を下支えしている側面もあります。
投資の視点で見ると、この動きはアメリカ住宅市場の底堅さを示しています。
大きな価格調整が起きていれば、10年連続の引き上げという結果にはならないはずです。
FHAローンという公的色の強い制度が、引き続き高い住宅価格を前提に設計されている点は見逃せません。
今後、金利動向や景気後退リスクが話題になる局面もあるかもしれませんが、少なくとも住宅価格の評価基準そのものは、依然として強気であることが今回の発表から読み取れます。
住宅を購入する側にとっては、「借りられる金額」だけでなく、「無理なく返せるか」という視点がますます重要になります。
かくして、2026年のFHAローン限度額引き上げは、アメリカ住宅市場の現状を映し出す一つの鏡だと言えるのではないでしょうか。
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