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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
最近は
「テネシー州メンフィス市は不動産投資の対象として有力でしょうか?」
というお問い合わせを頂くことが多くなりました。
不動産市場はマーケティング市場としてとらえる意味ではその範囲は限定的な「地域市場」としてみる必要があります。
その理由は、市場を左右する三大要素
- 人口
- 人口動態
- 雇用・賃金
の全てが地域ごとに全く違うからです。
これが意味することは、アメリカの不動産市場は東から西までその広い国土の中でかなりの数の地域市場の塊であるということ。
その為、アメリカで不動産投資を検討する際には漠然とアメリカ全体を一緒くたにして見るのではなく、その地域の不動産市場の動向が自分の投資目的に合致しているかを細かく検証する必要があります。
そうした中、近年は
「テネシー州メンフィス市では安定したキャッシュフローが期待できる」
という認識が日本でも随分広がっており、その為に私(佐藤)にもテネシー州メンフィス市への不動産投資に関するお問い合わせが多くなっているようです。
実際にテネシー州メンフィス市はキャッシュフロー狙いの不動産投資家を満足させられる不動産市場なのでしょうか?
今日から数回に分け、テネシー州メンフィス市の不動産市場を検証していきましょう。
メンフィス不動産市場の変化
まずは全体像を見ていきましょう。
検証にはいつものようにうセントルイス連邦準備銀行が出している統計情報を使っていきます。
上のグラフはメンフィス市が属するシェルビー郡の住宅価格の変化を表したものです。
2000年を100とした場合のインデックス指数で、2000年の住宅価格と比較した場合の住宅価格の振れ幅を表しています。また記録は1975年1月から2016年1月のものになりますが、変化を測定するには十分な期間です。
上の如く、統計が開始されている1975年1月から一貫して住宅価格は上昇を続けていることが分かります。
ところが2007年から2012年にかけ、住宅価格が一貫して下がり続けました。
これはなぜでしょうか?
ご承知の通り、2007年夏ごろからサブプライム問題が顕著に不動産市場に影響し始めて全米で不動産価格の暴落が始まったのです。
つまり、メンフィス市が属するシェルビー郡でもサブプライム問題の影響を受けて住宅価格は下がり続けたことがハッキリと分かります。
そこでメンフィス市場そのものの住宅価格の変化を見てみましょう。
上のグラフはメンフィス不動産市場の住宅価格の変化を表しています。
記録は1997年7月から2017年4月までとなり、サブプライム問題の影響を計る期間を網羅しています。またインデックス指数は1995年を100とした場合の変化です。
ご覧の通り、シェルビー郡全体の価格変動にほぼ完璧に合致していますね。
シェルビー郡の変化
サブプライム問題前の最高指標 117.46(2007年)
サブプライム問題後の最低指標 98.06(2012年)
メンフィス市の変化
サブプライム問題前の最高指標 157.20(2007年)
サブプライム問題後の最低指標 137.546(2012年)
と、サブプライム問題前の最高指標からサブプライム問題後の最低指標までの差がどちらも20と、不動産価格が20%も下落したことが分かります。$100,000の物件であれば、$80,000まで価格が下がったわけです。
メンフィスへのサブプライム問題の影響は比較的小さかった
ただし、20%の価格下落があったとはいえそれがアメリカ全体と比較するとどうだったのかを見ると話が全く違ってきます。
アメリカ全土の住宅変化を示すインデックス指数統計が1975年1月から2017年4月までの期間で出されていますので見てみましょう。
いかがでしょうか。上記は1980年を100とした場合のアメリカ全土の住宅価格の変化ですが、
アメリカ全土の変化
サブプライム問題前の最高指標 378.23(2007年)
サブプライム問題後の最低指標 307.02(2012年)
下落率 71.21
と、メンフィスの20%と比べれば3倍以上の差があります。つまり、メンフィス不動産市場へのサブプライム問題の影響は全米と比較すれば比較的小さかったということになります。
ついでに全米で最もサブプライム問題の影響を受けた地域の一つであるフロリダ不動産市場の変化を見てみましょう。
上記は1975年1月から2017年4月までの期間において2000年を100とした場合のインデックス指数の変化です。詳細の数字を見てみると、
フロリダ州の変化
サブプライム問題前の最高指標 481.67(2007年)
サブプライム問題後の最低指標 266.28(2012年)
下落率 215.39
なんと恐ろしい数字でしょうか。。
これを見ると、メンフィスの20%という数字が可愛くすら思えてきます。メンフィスとフロリダ全体では実に10倍以上の差があったわけです。
まとめ
メンフィスの不動産市場全体を捉える意味でいくつかの統計をグラフで見ていきましたが、
- メンフィスの不動産市場もサブプライム問題の影響を確実に受けており、20%の価格下落があった
- アメリカ全土では71.21の下落
- フロリダでは215.39の下落
- メンフィスの不動産価格下落は全米では比較的小さいものだった
ということが分かりました。これが意味するところは、
「メンフィスの不動産市場は暴落時にも不動産価格が落ちにくい」
ということです。
もっぱら将来同じことが起きても結果は全く同じなのかというとその保証はありませんが、蓋然性の意味では数字の根拠となる条件に大きな差がない限り
「将来再びアメリカで不動産価格の暴落が起こったとしてもメンフィスの不動産価格への影響は小さい」
ということは言えそうです。
明日はメンフィスの不動産市場に的を絞って更に深堀してみます。
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