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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
テネシー州メンフィス市の不動産市場について検証しています。
昨日はメンフィスの不動産市場の動向を全米と比較してみたところ、
- メンフィスの不動産市場もサブプライム問題の影響を確実に受けており、20の価格下落があった
- アメリカ全土では71.21の下落
- フロリダでは215.39の下落
- メンフィスの不動産価格下落は比較的小さいものだった
ということが分かりました。(数字はインデックス指標)
結果、メンフィスの不動産市場の過去から現在までの動向としては
「メンフィスの不動産市場は暴落時にも不動産価格が落ちにくい」
ということが言えます。
そうすると不動産投資家として気になるのは、
「果たしてこの傾向は今後も続くのか?」
ということです。
確かに過去から現在まではそうだったかもしれませんが、本当にメンフィスの不動産物件は今後も価格が安定しているのと言えるのでしょうか。
確率論でいう蓋然性という言葉を使うのであれば、その再現性はどれほどの可能性が見込めるのか、この辺りを突き詰めて理解しておきたいところ。
そこで今日からはこの点を深堀し、メンフィス不動産市場が今後も同様に動く可能性があるかどうか、その蓋然性を検証してみましょう。
いつもお伝えさせて頂いているとおり、アメリカ不動産市場の需要と供給の中でも需要の元になる三大要素は
- 人口
- 人口動態
- 雇用・賃金
です。
突き詰めて言えば、これらの要素が過去と変わらない傾向が見込めるのであれば将来の需要もこれまでと同様に見込めることになり、すなわち不動産価格は少なくとも同様の傾向が再現される可能性が高く、かつ供給力が強まれば期待以上に不動産価格が伸びていくことになります。
それを踏まえ、メンフィスの人口変化を見てみましょう。
メンフィスの人口推移
いつもの通り、セントルイス連邦準備銀行のデータを引用させて頂きます。
上のグラフは1970年1月から2016年1月までのデータです。動向を見るには十分な期間ですね。
ご覧のとおり、統計が取られ始めてから近年までメンフィスの人口は一貫して増え続けてきましたが、2010年を最後に人口増加にやや歯止めがかかっています。厳密には、それまでの堅調な人口増加が微増に変わりました。
アメリカ全体の人口は過去から現在まで一貫して増え続けており、今後も堅調に人口増加が続くことが予想されています。
とはいえ、アメリカ全体で見ればそうなのですが実際には
- 人口が増え続ける地域
- 人口が横ばいの地域
- 人口が減る地域
の三種類の地域が混ざり合っているわけで、この中でもニューヨーク近郊やボストンのような東部あるいはサンフランシスコやロサンゼルスを中心とする西部では人口増加の傾向が続き、
反対にアメリカ中部の地域では人口が横ばいの地域、或いは人口が減り続けている地域が多く見られます。
少し例をあげると
東部:ボストン市のあるマサチューセッツ州
東部:マイアミ市のあるフロリダ州
西部:シアトル市のあるワシントン州
西部:サンフランシスコ市やロサンゼルス市のあるカリフォルニア州
このように、東部と西部では人口は増加傾向が続いています。これに対し、
中部:デトロイト市のあるミシガン州
中部:シカゴ市のあるイリノイ州
ミシガン州では微増と減少を繰り返していますね。ちなみにデトロイト市の人口減少は甚だしいものです。イリノイ州では近年人口減少が始まっています。
このように、中部では人口が横ばい或いは人口が減少している州と市が多くあるのです。
メンフィス市の人口は要注視だが増加傾向はほぼ固い
メンフィス市の人口変化とアメリカの他の地域を参考に見てみました。
テネシー州全体としては人口が増えてはいますが、これは州都ナッシュビルを始めとするダヴィッドソン郡の人口増加に大きく牽引されている部分が大きいと思います。
また不動産はあくまで地域市場ですからテネシー州全体が増えていることとメンフィス市の人口変化を関連づけることは早計です。
通常は人口増加は経済成長の著しい地域で起こりますので、その意味ではメンフィス市の人口が微増に変わってきたということは魅力ある雇用条件が減ってきている可能性があるということになります。
ただし、メンフィス市はもともと世界的なビジネスを産み出してきた土壌があり、世界規模で展開している大運送会社のフェデックスがメンフィスに本部を置き、またナイキが自社最大の流通センターを構えるなど、安定した大企業が腰を据えていることで人口が大きく減少に転じてくるということは考えにくいと思います。
またメンフィスの人口に関する一番の好材料として、2017年時点の世代別の人口割合は
70代以上 7.3%
60代 9.3%
50代 12.7%
40代 12.3%
30代 13.6%
20代 16.7%
20代以下 28.1%
と理想的なプラミッド型になっているのです。
メンフィス市の人口推移はその変化を今後も注視していく必要がありそうですが、将来に向けてメンフィスの人口が増加し続ける傾向はほぼ固いと思います。
メンフィス市の人口変化の不動産への影響は
結果として、メンフィス不動産市場の需要要素の一つとなるべき人口推移の意味では
「人口が増加から微増に転じている為、今後の人口変化が不動産価格を急激に押し上げる可能性は低い」
ということが言えると思います。
前述のとおり人口増加と雇用率は密接に関係してきますので雇用が安定している限りは人口の減少は考えにくく、すなわち不動産価格が下がってくる可能性は低いことになります。
現実には人口というものは転出者と他界される人々を加味すると
- 外部からの転入
- 内部での生誕
のどちらかもしくはその一方が増加していかないと、全体として人口は下がり続てしまいます。
その意味ではメンフィスでは微増傾向であることは転入と生誕の合計が少なからず転出者と死亡者の合計を上回っているわけで、その中でも働き盛りの世代が多くかつ若者の就職率が高ければ、将来の人口はかなりの確率で保証される(大きく減少する可能性は低い)ことになります。
実際にはメンフィス市の雇用の実態はどのようになっているのでしょか。明日はこのメンフィスの雇用率について深堀していきます。
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