こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
先だってコロナウイルスの影響による不動産市場の状況をお伝えさせて頂きましたが、
「この時期の購入の仕方をより具体的に教えてほしい」
という声を頂いています。
・昨年から3月以降に購入を検討していた
・買い手市場になって安く購入できる好機
・安全性を確保しつつ、上手に購入したい
という趣旨の要望です。
それでも気になるのはバーチャル方式が主流になる中で、いかに上手に間違いのない購入を実現するかということ。
確かに、目隠しをされているわけではないもののバーチャル方式のみで購入を進めるのは不安も大きいことでしょう。
けれども見方を変えると、実際にはバーチャル方式での購入はリアル方式よりも論理的に間違いのない購入を実現できる可能性が大きいものです。
というのも、通常は物件の購入というといくつかの候補物件を実際に歩いてその良し悪しを確かめていきます。
数時間の中で同地域内でいくつかの候補物件を見て歩いて回るわけです。
もちろん可能であれば最終的に実際に物件を見るべきことは当然ですし、見ないことには雰囲気も分かりようがないものです。
けれども、準備なしに実際の物件を見て回る場合は「感性寄りの判断」に陥りがちになることがあるのも事実。
視覚的にみて回る中で感性で判断する部分が先走ってしまい、資料にある数字もそこそこに感覚で物件購入を決めてしまうパターンです。
結果として、購入後に見落としていた箇所で後悔してしまうパターンはそれなりにあります。
これを割合でいえば、
感性:論理 = 8:2
くらいでしょうか。
これに対し、バーチャル方式で物件を選ぶ場合はその真逆になる傾向があります。
すなわち十分に物件を見ることが出来ない分、購入者の感覚は必然的に視覚よりも論理に偏る傾向が出てくるものです。
そしてよりよい買い物をする上では、感覚以上に理に適う方式で検討をした方がよいに決まっています。
データ的にしっかりと物件を検討することで、数字的によい買い物が出来るのです。
これを割合で
感性:論理 = 2:8
としましょう。
事実、とりわけ不動産投資の場合は日本を含むアメリカ国外からの購入者のみならず、アメリカ国内であっても物件を現場で見ることなく数字だけで売買を繰り返す人々は結構多いのです。
かくして、やや論理に偏ってデータ上でしっかりと吟味する意味では、バーチャル方式の方が手堅い買い物が出来る傾向があります。
そこで今日から、バーチャル方式で物件購入を進める上で押さえておきたいチェックポイントを見ていきましょう。
写真でフィルタリングをかける
バーチャル方式で購入を進める時のポイントは、極めて細かく論理的にアプローチすることです。
自分が現場で最終確認出来るのであればそのようにするべきですし、ある意味最後に物件を見るのは「答え合わせ」の機会とするとよいでしょう。
そこで効率よく論理的に進める上では、まずはMLSで確認出来る写真をよく見てフィルタリングをかけることです。
例えば写真を見て次のような点が確認できるようであれば、それ以上は進まなくてもよいと思います。
物件外観の写真の方がはるかに多い

物件を売りに出す場合、無意識にも物件内の写真が多く出されて然るべきです。
当たり前ですが、購入した人は物件の外で暮らすわけではなく中で暮らすことになります。
そうすると、売る側の姿勢としては物件内の隅々の写真を見せて当然なのです。
意識せずとも物件の中の良さを伝えようとするのが人の心理というもの。
それにも関わらず外観の写真の方がはるかに多い場合、
「物件の中身はあまり見せたくないです」
「うちの物件はかなり修繕が必要です」
と言っていることと同義です。
もっぱら、完全な投資目的であれば立地と数字が自分の条件に見合っているのであればそれでも検討の余地はあります。
必要となる修繕費用ははしっかりと値引いてもらえばよいからです。
それでも自分が暮らすことが前提であれば、内装の写真が少ない物件はパスした方が無難でしょう。
カーテンやブラインドが閉まってる

物件内の写真で、窓にも注目してみましょう。
カーテンやブラインドで締めきっている場合は注意です。
ここも人の感性に従って考えてみれば分かることですが、売却する物件に自信があるのなら部屋の窓はカーテンやブラインドを開けて外が見えるように整えるものです。
本来人は明るさを好みますし、写真全体で明るさを演出する意味でも窓は開けるものでしょう。
またこだわる人は物件内から見える外側の風景をかなり意識して撮影するものです。
けれどもそれとは正反対に、写真上で窓のカーテンやブラインドが完全に閉まっている場合があります。
特に個人部屋の窓がカーテンやブラインドで覆われているパターンです。
一見、これらの写真ではあえてカーテンやブラインドを見せてオシャレ感を演出しているように錯覚することがあるかもしれません。
けれども大抵の場合、明るさを好む人の本性に反して窓を締めているということは
「この部屋から外の風景は見せられません」
という意図の裏返しである場合が多いのです。
物件の不具合であれば修繕することできちんと整えることが出来ます。
けれども窓からの景観が悪いことはどうにもなりません。
見せては売れにくいだろうからこそ、売主も隠している可能性があるのです。
そこで、カーテンやブラインドで覆われて窓の外が全く見えない写真が使われている物件は要注意です。
それでも検討したいという場合は、エージェントにその窓から見える外の風景写真を依頼するのが無難だと思います。
明日に続けます。
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