昨年以来、米ドルで資産運用を志す方々からのコンサルティング依頼が急増しています。
弊社ではアメリカ不動産コンサルティングに加え、州規制当局に登録されるRegistered Investment Advisor (RIA)としてアメリカ国内での資産運用全般のコンサルティングも提供しており、内容は不動産投資以外となりますが、初心者の方々からのご質問を総括する意図で株や債券に関するまとめ記事を1月7日から期間限定であげさせて頂きます。
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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
フロリダ州の南東部フォート・ローダデール市場についてお伝えしています。
興味深いことに、
「海の近くに暮らす人々は、内陸に暮らす人々と比較すると幸福度が高い」
という統計があるそうです。
このことは何となくイメージできますね。
人々は古来自然と共に暮らしてきましたし、
波の音
海の景色
といった五感で感じる解放感たっぷりの高揚感を忌み嫌う人はほとんどいないのではないでしょうか。
誰でも広大な海を見ると心が晴々とするものですし、その意味では海の近くで暮らす人々が幸福感を感じる割合が高いことは納得がいきます。
そして私(佐藤)自身、これまでの人生で見てきた「窓から見える海の景色」の中でナンバーワンを挙げるとすれば、間違いなくここフォート・ローダデールの運河沿いに立つコンドミニアムのベランダから見た大西洋の光景です。
真っ白な砂浜に並ぶパームツリーが風になびき、目の前に180度広がる白い砂浜に繰り返し寄せては返す波は透明度が高く、訪れる度にそのベランダから見る風景に心が洗われました。
ましてフォート・ローダデールではマイアミ市のような喧騒が無い分、余計にこのあたりのビーチは人気があります。
今日からこのフォート・ローダデール市場を観察する初歩的な切り口として、いつものように不動産需要の3大要素
- 人口
- 人口動態
- 賃金・雇用機会
の観点から見ていきましょう。
フォート・ローダデール市の人口増加
まずはフォート・ローダデール市が傘下となるBroward County(ブロワード郡)全体の傾向を見ていきましょう。
ブロワード郡は31の市・街・村から構成されており、全体としては順調に人口が伸びてきたものの2005年あたりを機に人口がやや減少に転じ、そこからしばらく人口減が続いた後は2010年あたりから再び人口が増えてきました。
それ以降の伸びは非常に堅調であり、昨年のパンデミック以前から更に力強く人口増に転じているのです。
数字で言えばフロリダ全体の人口はパンデミック前の2019年にも毎日1,000名から人口が増加していました。
それが昨年2020年にはパンデミックを機にニューヨーク等の都市部からの人口流入が加速し、このブロワード郡だけでも現在は毎日相当な人口増が続いています。
フォート・ローダデール市はブロワード郡の中で最も人口が多い市であり、その市政開始は1911年と歴史が長く、ブロワード郡の中心地としてこのパンデミック下でも人口が増えつつあるのです。
そこで今度はフォート・ローダデール市の最新の人口グラフを見てみましょう。
2021年現在、市の人口は183,000を超えているようです。
2010年に記録された165,000人と比較すると過去10年で10%以上も人口が伸びており、このままの勢いで人口が増え続けていくことが期待されています。
前述のとおり市政そのものは1911年からですが、着目するべきはグラフの中でも1945年の第二次世界大戦終了後から1970年代まで急激に人口が伸びている点です。
この理由は厳密には第二次世界大戦終了後に集まったわけではなく、人口の爆発的な増加の要因は第二次世界大戦中に見えていました。
その直接的な起因となったのは第二次世界大戦当時にこの地に海軍が使用するマリーンパイロット基地が出来たことです。
基地そのものは第二次世界大戦終了と共に閉鎖となり現在はフォート・ローダデール空港として使われていますが、海軍基地閉鎖後も当時の流れからその美しさに惹かれて一気に人口爆発が起こり、集まった人々が街の基盤をつくって今日の安定した発展につながっています。
そのことを如実に証明する図をフォート・ローダデール市全体の物件価値の観点から見ていきましょう。
上記の黒い枠で囲まれた部分がフォート・ローダデール市で、色が濃くなるほど当地で価値の高い物件が多いエリアになります。
予想できる通り、ビーチや運河沿いに価値の高い物件が並んでいることがデータにもはっきりと現れているようです。
興味深いのは海岸沿いの濃い青はフォート・ローダデール市に固まっている点で、そこから上に向かうとウェストパームビーチまで価値の高い物件が並んでいることになります。
そしてここは全米各地に共通する点ですが、人口が増え続ける街づくりを試みる時に必須になるのが
学区の充実(質の高い教育)
大企業の誘致
のいずれか、もしくはその両方です。
特に学区を充実させることは子供を抱える世帯を誘致することになり、よほど大きな大企業を呼ばない限りは学区のレベルを上げることが
- 更なる人口増加
- 物件価値の上昇
につながることになります。
ここフォート・ローダデールの場合は典型的な前者であり、当地の学区を高めることでさらに人口増加の安定を図ってきた経緯があり、実際に今でも人口増加が安定している理由は学区の高さに家族世帯が惹かれる理由もあるのです。
かくして
海辺の風光明媚な土地柄
アクセスの良さ(フリーウェイと地元の空港)
学区の高さ
という好条件の下に特筆するべきはパンデミック下でもその人口が増加し続けている点であり、将来を見据えると人口減となる理由は見当たりません。
明日に続けます。
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