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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
引き続きQ&Aシリーズでお伝えしています。
クライアント様方と問答を続ける中で
「なるほど、その視点ですか。」
「それは目からウロコです。」
そんな風に、人様の投資手法を少しでも「チューンアップ」の技をお渡しできた手応えが確認出来ると、とても嬉しく思います。
私(佐藤)自身の過去の成功と失敗の両方から少しでもクライアントの皆様の資産に好影響を与えられたとしたら、これほど嬉しいことはないと思うのです。
その一方でどの質問へのどんなお答えがその方のウロコポイントになるかは分かりませんので、このあたりは反応を伺いながら
「なるほど、このような疑問は初心者の方々の分母としてありそうだな」
と思える質問は特に抽出度を高くしています。
今回のQ&Aシリーズも、そんな風に抽出された「多くの方々が同様に疑問に思うだろう質問」に絞ってお伝えしているつもりですが、2022年以降の皆様の投資戦略の一助になれれば幸いです。
本日も続けます。
質問
運用成績を見立てる際に作成するプロジェクションで「Vacancy Rate」という支出項目を見ることがあります。
空室率という意味は分かりますが、この割合が5%や6%等、まばらに出ていますが、この空室率はどのように算出されているのでしょうか?
もしも正式な公式としての見方があればご教示ください。
お答え
プロジェクションとはいわゆる「運用成績予測」のようなものです。
不動産投資からの主な収入は家賃収入であり、複数世帯物件の場合はコインランドリーその他が収入として考えられます。
支出項目としては一般的に
- 管理料
- 固定資産税
- 保険
- 修繕費
- 水道光熱費
等の代表的なものに始まり、
- ゴミ回収費
- HOA料金
- 特別課税
等、その地域特有の支出、或いはその物件特有の支出が発生する場合もあります。
不動産投資においてはこれら支出がないことはあり得ませんから、
「支出は100%発生する」
という前提で、その物件に投資した際の運用成績を物件購入前に見立てておくことが肝要です。
この「運用成績予想」を見立てる表のことがプロジェクション(Projection)と呼ばれるものです。
そしてより厳密に支出項目を突き詰めるプロジェクションに登場する項目の一つが、ご質問にある
「Vacancy Rate(空室率)」
というものです。
売主が投資家を買主として想定している場合、プロジェクションをもらう時にはこのVacancy Rate(空室率)が含まれていることが通常ですし、もしもこのVacancy Rate(空室率)が含まれていなければその売主は素人と断定しても間違いないと思います。
それくらいVacancy Rate(空室率)をプロジェクションに含めておくことは不動産投資の世界では常識ですし、事実、
「所有期間に一度も空室が発生しない物件」
があるとすればそれは「自宅」のみであり、投資物件であればテナントが入れ替わるターンオーバーと呼ばれる期間は必ず発生します。
そしてこのターンオーバーの期間はテナントが入居していないわけですから、同期間には家賃収入はゼロということになります。
そこでプロジェクションをしてより正確にその予想を見立てようとするのであれば、この家賃収入ゼロの期間は「支出要素)」としてプロジェクションに形状するわけです。
空室率を計算してみる
この空室率は通常
4%
5%
6%
と割合で表示されますが、この割合はどのようにして算出されているのでしょうか?
この点はVacancy Rate(空室率)を深く理解する上でマルチファミリーと呼ばれる複数世帯物件の場合を見ると分かりやすいですので、複数世帯の場合で例をあげてみてみましょう。
例えば4戸の複数世帯、Fourplex(フォープレックス)物件を所有しているとします。
この時、1戸からの家賃が毎月$700と仮定します。
そうすると毎月の家賃収入合計は
$2,800($700 X 4戸)
ですから、満室のままで12ヶ月(1年間)運用できた場合は
$33,600($700 X 4戸 X 12ヶ月)
の家賃収入となる計算です。
ところが投資物件においてはテナントが入れ替わるターンオーバーは必ずどこかで発生します。
ここでは仮に
「1年の間に1戸ターンオーバーが発生し、次のテナントが入居するまでに2ヶ月かかった」
としましょう。
ここで、先の満室が続いた場合の公式で
戸数 X 月数
ここを少しいじってみます。
考え方としては
「1年を通して総数何戸から収入が入るのか?」
です。
この場合、前述の例では
48戸(4戸 X 12ヶ月)
ですから、
「年間を通して48戸から家賃収入が入った」
と考えることが出来ます。
家賃$700に対し年間48戸ですから、答えは同じ$33,600です。
ところが先のように
「1戸にターンオーバーが発生し、新しいテナントが入居するまでに2ヶ月かかった」
ということであれば、戸数で考えると
2戸(1戸 X 2ヶ月)
で、2戸分の家賃がマイナスです。
そうすると実際の年間収入元は
46戸(48戸 - 2戸)
であり、
「一年を通して46戸から家賃収入があった」
という考え方で
$32,200(46戸 X $700)
が正しい計算になります。
ポイントはここですが、この空室という2戸のマイナス要素に対してこれを割合で表すと
4.16%(2戸 / 48戸)
で、これがVacancy Rate(空室率)と呼ばれるものです。
この空室がプロジェクションで現れる時には支出項目として
Vacancy Rate(空室率)4.16%
という表現で出てきます。
この空室は帳簿上の本質としてはマイナスの支出ですから
(年間家賃 X 空室率)
の式で、
$1,400 ≒($33,600 X 4.16%)
あたりを支出として見立てることになります。
見方を変えると、例えばこの例でプロジェクションが
Vacancy Rate(空室率)5%
としているのであれば、
2.4戸(48戸 X 5%)
で、この場合の戸数はそのまま家賃収入のない月を表すわけですから
「この物件はターンオーバーで1戸のみ空室が2.4ヶ月出ると見積もられている」
或いは
「この物件はターンオーバーで2戸の空室がそれぞれ1.2ヶ月出ると見積もられている」
と言えるわけです。
不動産投資においてはターンオーバーは確実に発生します。
プロジェクションで先の予想を見立てる上では、このVacancy Rate(空室率)は確実に加えておくようにしましょう。
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