こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
「最も安全な不動産投資はどんな方法か?」
と言われた時、
「所有はしない」
という条件であれば、最も安全なのはプロミゾリーノートだと思います。
プロミゾリーノートの場合は定期預金にお金を預けるのと同じ感覚で、貯金が着々と増えていくかの如くに固定された
6% ~ 7%
程度の金利で利息を受け取り続けることになります。
不動産収入に絡むリターンですから受取利息は課税対象ですが、それは定期預金の利息も課税対象になることと同じです(日本の定期預金は源泉分離課税なので気づきにくい)。
税率は自分の所得に応じた累進課税ですが、その税金を差し引いた分がリターンとして手元に残ることになります。
また複数ではなく自分一人で所有するプロミゾリーノートの場合、対象物件の価値がそのまま自分の投資への担保となりますのでより安心します。
これに対し
「所有する」
という条件であれば、最も安全に投資できる確率が高いのは築年数にして
10年落ち ~ 新築
あたりの物件を購入し、かつ
「たった今はキャッシュフローはいらない」
「けれども30年後の老後には潤沢な資金が欲しい」
ということであれば、恐らく最も無難な方法は
「新築をファイナンシング購入すること」
ではないでしょうか。
例えば25万ドルの新築物件があったとしましょう。
投資物件として75%の融資を受けられるとすると
$187,500($250,000 × 75%)
を借入れることになります。
すると30年固定金利で購入して30年間所有するのであれば、この時点で
「借金した金額を30年後にもらえる可能性が高い」
と言っても過言ではありません。
言い換えると、この場合は
「$187,500を借金した」
ではなく
「向こう30年の間に$187,500をもらえる可能性が濃厚」
と同義です。
なぜならば、借入れた以上はそこから向こう30年かけてモーゲージローンを返済する必要があります。
厳密には借入れた$187,500のみならず、利息も加えた借金を返済していかなくてはなりません。
けれどもその元金一部と利息の合計であるモーゲージローンを30年間返済し続けるのは自分でなく、テナント(からの家賃)なのです。
そして(家賃収入による)借金完済後には
$187,500 = 純資産
となります。
特に新築の場合は
⇒ テナントがつきやすい
⇒ 市場平均以上の家賃がとれやすい
という式で好スタートを切れる可能性が高く、かつ
⇒ 修繕はほぼ皆無
⇒ 欠陥が発見されてもデベロッパーが保証してくれる
という形になりますから、収益性としては極めて高い部類に入るわけです。
「けれども、デベロッパー価格が上乗せされているのでは」
といえばそれはそうなのですが、そもそもの目的が
「たった今はキャッシュフローはいらない」
「けれども30年後の老後には潤沢な資金が欲しい」
というのであれば、むしろ価格は高めでも良いはずなのです。
価格がいくらだろうがモーゲージローンはテナント(からの家賃)に返済してもらうわけですから、自分自身は資産を30年間寝かせるつもりで気長に待ち、実際に30年後には$187,500のエクイティがそのまま自分の純資産となります。
そこで少ない自己資金でこのようなマジックを実現できるのが
「キャッシュとエクイティを生み出す『良い借金の力』」
ということになりますが、
⇒ 富を生み出す良い借金
⇒ 富を奪ってしまう悪い借金
これらの違いを理解した上で良い借金を使いこなしながら自分基金を回していくと、行く先は経済的にかなり楽になってくるものだと思います。
良い借金を重ねる

けれども、特に日本で生まれ育った方々は良い意味で借金を避けるきらいがあります。
「借金が残っていると落ち着かない」
「早く完済してラクになりたい」
そんな感覚の人々が大多数ですし、
「他人様には迷惑をかけるものではない」
といった至極真っ当な感性だからこそ、借金にも抵抗がある人々が多いものです。
けれども誤解を恐れずに言えば、少なくとも現代の資本主義社会の枠組みの中では適切に資産を積み上げていくには
「良い借金を使いこなす能力を身につける」
ことは避けられないと思います。
表現を変えるのであれば、
「自分が暮らす国の政府方針に沿いながら」
「個人・法人として良い借金をしていく」
ことが万人に通じる富を積み上げていける法則です。
けれども同時に借金にはリスクがあることは間違いありませんから、それ以前に金融リテラシーを高めて自分で良し悪しを判断できる力は身につけておくことが絶対条件になります。
そこで良い借金をする上ではその融資元や手段には実に様々なものがありますが、アメリカ不動産投資を通して
「良い借金の使い方」
を覚える場合、やはり最初は
1 ~ 4戸
の「住居用物件」のカテゴリーに入る物件への投資を通してモーゲージローン契約を体験してみるのが得策だと思います。
大きく分けて
1 ~ 4戸:住居用物件
5戸以上:商業用物件
に分類される中でも前者の住居用物件の場合は
- 大手銀行
- 地元銀行
- モーゲージ会社
等、そのほとんどの金融機関が投資用物件への融資を行っています。
そして良い借金を積み上げるにしてもこれらの金融機関とやりとりをする前に融資条件を事前に把握しておくと、いざ融資を申請する際にも慌てずに有利に展開できると思います。
そこで今回は
「4戸までの住居用物件に対し借入れる場合の知識」
について、その根幹となる初歩的な部分を押さえておきましょう。
明日に続けます。