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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
近年アメリカ不動産金融で大きく台頭しつつある「DSCRローン」についてお伝えしています。
DSCR(Debt Service Coverage Ratio:元利金返済カバー率)
とは、いわゆる「借金返済能力が数値化された指数」です。
「この人(法人)はこれだけの借金がある」
「その借金にたいして収入はこれだけある」
「然るに、この人 (法人) の借金返済能力は十分だ(不十分だ)」
という判断を下す尺度の一つがDSCRであり、通常のプライムローンを取り扱う
- Commercial Banks(商業銀行)
- Thrifts(貯蓄貸付組合)
- Credit union (信用組合)
等のInstitutional Lenders(機関レンダー)における融資審査の過程でも似たような判断指標(Debt to Income Ratio)が使われることになります。
そこで
「融資の判断基準に使われる借金返済能力のローン」
と解釈するとピンきませんが、「DSCRローン」とは日本語的には
「借金返済能力を担保とするローン」
であり、
「対象物件そのものに借金返済力があれば融資を受けられる」
というローンなのです。
DSCRローンと従来の融資との違い
「借金返済能力を担保とする融資」
という趣旨ではコンベンショナルローンの類と全く変わりがなく、ここまでにお伝えしたように全ての金融機関において融資審査時では借金返済能力が問われることになります。
厳密には個人の借金返済能力を審査する場合、コンベンショナルローンを受けるにはほぼ間違いなく
- W-2(日本でいう源泉徴収票)フォーム
- 給与明細
等の提出が求められ、
「この個人は住宅ローンを毎月返済できる経済力があるか?」
を審査することになります。
このことは法人対象でも同じであり、同様に財務諸表の類を提出することで
「この法人は住宅ローンを毎月返済できる経済力があるか?」
が審査されることになるのです。
その経済力の担保は個人であれば「給与」であり、法人であれば「収益性」がその根拠になるわけです。
これに対し、DSCRローンのパターンではコンベンショナルローンのそれと比較すると「返済能力」や「経済力」といった言葉の定義が違います。
ここで思い出しておきたいのが
「DSCRローンは投資物件専門のローン」
という前提です。
コンベンショナルローンの場合は
住居用物件購入
投資用物件購入
のどちらにも適用され、言い換えると
「融資額の用途は自宅用でも投資用でも構わない」
「返済してくれさえすればよい」
とされる一方で、DSCRローンの場合は
「融資の用途は投資用物件に限られる」
ということになります。
まさにここがコンベンショナルローンとDSCRローンの違いであり、DSCRローンの場合は
「その投資物件の収益力はいかほどか?」
が融資審査の鍵を握ることになるのです。
担保となる経済力の大元は法人・個人ではなく対象の投資物件ですから、その審査過程においてコンベンショナルローンに必ず出てくる
- 所得証明
- Debt-to-Income(収入に対する借金の割合)
- タックスリターン書類
等のありとあらゆる個人・法人そのものの財力を調べる過程は、DSCRローンの場合は皆無に等しいのです。
DSCRローンの条件
かくして、対象物件の収益力を大きな審査要素とするDSCRローンはコンベンショナルローンと比べるとその審査過程が大きく違ってきます。
コンベンショナルローンの場合は前述のように
- 所得証明
- 銀行口座明細
- クレジットヒストリー
等をもって借り手の背景が調べられることになります。
これに対し、DSCRローンの審査過程の場合は
- 借り手のクレジットスコア
- 銀行残高(数カ月の返済は出来る現金は確保されているか)
くらいはちらりと見られますが、それ以外は法人・個人の経済力は一切問われないことになります。
それよりもDSCRローンの審査過程で問われるのは
「この投資物件の収入はどれくらいになりそうか?」
「収入に対し支出はいかほどか?」
「毎月の融資返済を十分に継続できる見込みはあるか?」
という、融資の申込者ではなく融資対象物件そのものの経済力を推し量るのです。
このような物件の収益性の精査は正に投資家自身が行う取り組みです。
私(佐藤)自身も過去に数多くの
- 住居用投資物件
- 商業用投資物件
の収益運用予想を計測し続けてきましたが、この場合は投資家の立場として
「この投資物件は回りそうか?」
をシュミレーションすることになります。
DSCRローンの審査ではこれと全く同じ投資家目線で審査が行われることになり、その違いは
「債権者になる立場の融資機関そのものが、投資物件のシュミレーションを行う」
ということになります。
実際にはこのような物件の収益性を推し量る動きはコンベンショナルローンでも投資物件用の融資の場合は同じであり、コンベンショナルローンでは債務者の返済能力が問われるとはいえ対象物件そのものの収益性も問われます。
けれどもDSCRローンの場合は債務者の経済力はほとんど審査されず、あくまでも対象物件の収益性が問われることになるのです。
ここに投資家にとってのDSCRローンの魅力があり、理屈上は
「十分な収益性の見込める物件でありさえすれば、借り入れ対象の物件数上限を大きく引き上げられる」
ということになります。
DSCRローンの審査過程について、もう少し深堀して詳細を見ていきましょう。
明日に続けます。
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