こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
新築に投資するパターンでお伝えしています。
ここでお伝えしている新築への投資とは
デベロッパーが建築した新築を購入
ではなく、
自分で賃貸物件を建てる
というパターン
です。
賃貸物件建設は、とりわけ成長する市場においては投資家にとってかなり有利になります。
賃貸物件建設で投資ポートフォリオを拡大する場合、昨日も触れたように
- ほとんどメンテナンスが不要
- ビルダーによる保証
- 成長市場での大幅な資産価値の上昇
- 良質なテナントを引き付ける
- より多くの資金調達オプション
等があります。
特にアメリカ不動産市場が減速している今のタイミングでは、多くのビルダーは昨年開始した新築の過剰在庫を抱え気味です。
同時に金利の上昇により、新築分野全体での機関投資家による新築物件の購入が減速している状態。
このような独特な要因の組み合わせにより、個人投資家はアメリカの主要な市場で市場価格以下の新築賃貸物件を購入する好機なのです。
適切な市場を知ってさえいれば、売り手の市場が非常に活況だった1年前には考えられなかった在庫情報を得ることもできます。
そしてこれらの新築物件の多くは市場が正しければ、比較的早い段階で資本を増やす(リファイナンスする)ことができます。
平均的な市場に比べ、資本の回転力が高まるわけです。
かくして最良の新築賃貸市場は、新しい住民が暮らす場所を探している地域です。
- 治安が良い
- 生活に不便がない
- 学区が比較的良い(ベストである必要はない)
といった条件を満たす地域の新築物件は殊の外人気があります。
そしてこのような
「成長市場内のデベロッパーが在庫を抱える地域」
こそ、自前で賃貸物件を建てるのが最も有利なのです。
利益分配のクリエイティブ・ファイナンシング
そこで昨日はテキサス州オースティン市の実例を挙げました。
本項の時点で本当に市場に出ているボロボロ物件ですが、周囲の新築が軽く2ミリオンを超える上で、私(佐藤)が試算したところ
購入金額:$500,000
取り壊し費用:$20,000
工事費用:$600,000-700,000
許可申請費用総額:$20,000
監督費用:15%
です。
購入金額を含めると総額で
$1,351,000
となり、予備費も含めて$1,600,000くらいに見ておいた方がよい案件です。
ちなみに後期は約12か月間と見込まれ、単純計算で
「売却する場合は12カ月間で$500,000以上の収益」
ということになります。
オースティン市のポテンシャルを考えたとき、街のど真ん中のこの物件は長期的には価値が更に高まると予想されます。
焦ることなく10年くらい賃貸物件としてホールドしたとすればどうでしょうか。
私(佐藤)自身の見立てでは10年後は$3,000,000以下のままである可能性は低いと思いますが、この場合は10年後の売却時に1ミリオン以上の利益が見込めるわけです。
とはいえ、$1,600,000もの資金は個人ではなかなか出せないもの。
或いは出せたとしても全てを自分のポッケから出す理由はなく、よく数字を見立てた上での借金をもって進めるのが投資家流儀ということになります。
例えば単純計算で、自分を含めた16人が$100,000ずつ出資するとしましょう。
$1,600,000($100,000 X 16名)
をプロジェクト予算とする場合、それぞれの所有比率は1/16です。
そして保守的に見て$500,000以上の収益としていますが、ここでは$500,000ぴったりのリターンとすると
$31,250($500,000 / 16人)
と一人あたり$31,250のリターンとなり、1年で31,25%のリターンは決して悪くないはずです。
或いは出資者の同意があれば、しばらくバイアンドホールドで時間と共にリターンを増やすことも可能ということになります。
ここでのキモは、あくまでも
「現地にプロジェクトを管理できるプロがいること」
です。
カリフォルニアの失敗例
この手のクリエイティブ・ファイナンシングは決して目新しい手法でなく、現在も数多くの投資プロジェクトが存在しています。
そんな中、数年前にカリフォルニアのある地域で失敗例を見たことがありました。
その物件は、それことここで挙げた実例と同じく
「完成後にミリオン単位で売れる物件」
でした。
非常に風光明媚な丘の上から美しい西海岸の海を臨み、まさにドリームホームと言えるような景観と住設備を整えています。
このプロジェクトはある日系の不動産業者が手掛けており、本項でいうクリエイティブ・ファイナンシングよろしく、多くの日本人投資家からお金を集めてのプロジェクトでした。
結果を先に言えば、残念なことにこのプロジェクトは途中で頓挫し、かつ出資した日本人投資家の方々への連絡はプツリ途絶えてしまいます。
平等にものを言えば、このプロジェクトを担当した日系不動産業者は最初から騙すつもりがあったわけではないと思います。
けれどもこの案件、冷静に考えれば出資は控えた方が良いことは明らかだったとも思います。
その理由は前述のとおり、この物件が「風光明媚な丘の上から美しい西海岸の海を臨む家」だからです。
その立地は見晴らしがよいとはいえ、
「仮に完成しても、はて、購入したいとする手はどれだけあがるのだろうか?」
「賃貸物件に出しても、この場所で家賃を払って長期滞在したい人はどれくらいいるのだろうか?」
という、エグジットでも疑問が残る立地だったのです。
風光明媚で美しいと聞くとなんとなく成功しそうな気持にさせられますが、いかなるプロジェクトでもそれ以上に不動産の本質を見極めることが大切なように思うのです。
その立地基準はあくまでも、「成長市場の適切な地域」ということになります。
明日に続けます。
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