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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
2024年アメリカ不動産市場の動きについて、今回は数字と統計をもって深堀しています。
購入者目線でいえば、近年の急激に物件価格が高騰した流れの中にも
「物件取得の手ごろ感が戻り始める年」
これが2024年を象徴するキーワードになりそうです。
もっぱら本当にその通りになるかは蓋を開けてみなくては分かりませんが、少なくとも数字と統計が見せるベクトルの先は、落ち着きが見え始める年になることは間違いないように思うのです。
今日もここまでの流れを整理しつつ、来年の予想を見ていきましょう。
住宅価格がやや下落し、手頃さが向上
2020年後半から2022年にかけての2年間の大部分で住宅価格は2桁の年間成長率を記録し、2012年から続いていた成長の流れに続いて顕著な上昇を見せました。
けれども住宅ローンの金利が上昇すると住宅価格の伸びは頭打ちとなり、2023年初めには実際に年間ベースで下落しました。
その後に年初の住宅ローン金利の下落が購入者の需要を刺激し、依然として限られた在庫に対する競争が再燃した流れです。
住宅価格は再び上昇を始めましたが新しい月間ピークには達せず、年間平均では2023年の中間住宅価格が2022年の年間中間価格をわずかに上回ると予想されていました。
それにもかかわらず、価格が一時的に緩和された期間であっても住宅購入のための住宅ローンを利用することは依然として高価でした。
2022年5月以降、市場に出ている典型的な住宅を30年固定金利住宅ローンの当時の金利で20%の頭金を支払って購入することは、典型的な世帯の給与の4分の1以上を占めることになります。
実際、2023年10月には典型的な世帯収入の39%が必要となっており、この割合は2023年全体で平均36.7%になると予想されます。
この数字は通常21%程度であったことから、歴史的平均を大きく上回っていることが分かります。
2024年には資金調達コストに合わせた価格への回帰が始まると予想され
- 住宅価格
- 住宅ローンの金利
- 所得の成長
がそれぞれ改善に寄与することになると思います。
住宅価格はわずかに緩和され、年間平均で2%未満の下落が見込まれます。
低い住宅ローンの金利と所得の成長を組み合わせることで、住宅購入のための住宅ローン支払いの割合は2024年には中間所得に対して平均34.9%に改善されて年末には30%を下回るとの予想です。
住宅価格が1.7%下がる予想
ここでrealtor.comによる物件価格の推移を表す統計グラフを見てみましょう。
上のグラフは米国の住居物件中間価格の推移です。
時系列に
2012年1月 ~ 2024年9月
の価格推移を示していますが、見ての通り物件価格そのものは上昇基調です。
薄いグレーは前年比の割合を示しており、グレーのバーが縦に長ければ長いほど前年比の割合が高いことになります。
2012年にそれなりの割合で前年比よりも高くなり続けていたのは、この時が不動産バブル崩壊後の価格下落のピーク時にあったからです。
この時期から物件価格は上昇基調を取り戻し、徐々に無理のない正常な取引が回復してきた経緯があります。
それから無理のない5~6%の範囲で毎年価格は上昇してきました。
ここがポイントですが、この統計からも分かるようにアメリカ不動産の住居物件は間接的にもインフレの影響を受け、
「物価指数の指数の少し上の数字で毎年上昇していく」
という傾向があります。
あくまでも傾向の話であり地域市場毎に違いがあることは間違いありませんが、それでもこの力強さがアメリカ不動産の魅力の一つです。
そして上のグラフを見て一目で分かるように、前年比の動きに異常値が出たのが2020年1月以降のパンデミック時期の物件価格です。
経済が無理やり止められた中で不動産取引もほぼ一時停止状態に陥り、物件価格は急激に下がりました。
けれどもその後は量的緩和政策を受けて一気に売買が活発になり、前年比が顕著にアップしています。
結果として全米平均価格も順当に上昇し、この流れが昨今まで続いてきたわけです。
ところがこの急上昇の流れがほぼ止まり、2024年から一層落ち着くことが予想されています。
厳密には本年初頭に前年比の価格が大きく下がったものの、夏場には再び活況を呈する結果となりました。
ところがこの跳ね返りはごく一時的なもので、統計上の予測では2024年に年明け直後から前年比を下回る傾向が続くというのです。
ここ近年の上昇の動きは鳴りを潜め、2024年は年末に向かって前年比を下回る傾向が当たり前のようになるとされています。
まさにこのベクトルの大きな変化が2024年の特徴であり、春先から言えてくるこの前年比を下回る傾向が根付いてくるのが2024年です。
もしもこの価格が落ちる傾向が定着する場合、気になるのはさらにその先の2025年以降です。
恐らくはこの2024年の
「アメリカ不動産市場は一つの局面を迎えた」
という認識が大衆心理に働きかけ、それなりの動きが2024年には見えてくることが予想されます。
するとその押し引きの結果として物件価格の微減が続くか否かによって、中長期的なアメリカ不動産市場の動きが定まってくると思うのです。
明日に続けます。
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