こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
新築購入時の注意点についてお伝えしています。
中古物件購入とは勝手が違う新築購入ですが、その特徴を掴んでおくとスムーズに取引が出来るのみならず、賃貸使用でも非常に有利になり得るものです。
賃貸物件としての利点は何よりも修繕発生率の低さですが、後述する保証もまた強い味方になってくれます。
新築物件購入にあたり予め知識武装をして、
自宅用購入
賃貸用購入
のいずれであっても、その利点を最大限に引き出せるように備えておきたいもの。
本日も新築物件購入時に犯しやすい間違いについて、ポイントを押さえてみましょう。
契約書をしっかり読まずに署名してしまう
当然ながら、新築物件の購入時にも購入契約書に署名することになります。
昨日も触れた点ですが、アメリカで新築を購入する際の契約書は物件が立地する州の不動産協会が作成したテンプレートは使用されず、デベロッパーが独自に作成した契約書であることが常です。
中古物件の売買では使用される売買契約書は州不動産協会作成のテンプレートが使われるのが一般的であり、売る方も買う方も契約書に記載されている内容については余計な神経を使う必要はないことになります。
けれども新築の場合はデベロッパーが独自に弁護士指導により作成した契約書ですから、端的にいえばデベロッパーが毎にその内容は異なるわけで、少なくとも中古物件を購入する際に目にする契約書以上に気合を入れて読む必要があるのです。
そこで新築購入の契約書には通常、
頭金に関する約束
販売の基本的な概要
基本的な含有物
建設スケジュール
等が細かく記載されています。
特に建築スケジュールなどは中古物件取引には全く登場しませんし、この手の新築だからこそ契約書には派生する内容が含まれているのです。
そこで新築購入の際には署名する内容を正確に理解することは非常に重要であり、それによって完成への期待とコスト管理を同時に実現することが出来ます。
ところが、ほとんどの購入者は不動産法の専門家ではないこともあり、ついつい契約書内容を流し読みしてしまうことも少なくありません。
購入者が流し読みしようがしまいが、契約書内容そのものは、そこに厳としてあります。
だからこそ新築購入時は契約を慎重に読み、何か不明な点があれば署名せず、自分を仲介してくれるブローカーに尋ねるようにしましょう。
新築物件の購入プロセスを成功させるために、経験豊富なブローカーは必須の存在だと思います。
物件調査をしない
新築であればこそ、建物はすべてが新品ピカピカです(当然)。
内装はおろか、物件はそれこそ構造部分から全てが新しいはず。
そして全てが新しいという前提があるからこそ、多くの新築物件の購入者は新築物件に対し、専門家を雇っての物件調査を実施することは少ないものです。
けれどもここは一つの落とし穴でもあり、物件が新しいからといって全てが完璧であるとは限りません。
新築の家であっても、信頼できる第三者の立ち位置にいる専門家を雇って物件調査を行うことには意義があります。
専門調査では素人の目には見えない潜在的な問題を特定し、必要な手直しのために建築業者との交渉を手伝ってくれることもあります。
また融資を受けて新築物件を購入する場合、レンダーが物件調査を要求しておらずとも、心の安心の為に調査は実施するに越したことはないと思うのです。
実際に、とあるクライアントさんが新築を購入された際にもあえて物件調査を行うことで
「これは聞かされていなかった!」
という問題が出てきたことがありました。
この時はクロージング直前でしたが、この方は結局その新築購入を中止し、別の新築物件にされたのです。
新築物件に保証がついていることを知らない
多くの新築物件には家の保証が付いています。
ここでいう保証とは、ある一定期間(通常は1年間)内に壊れた個所を無償で修繕する、という約束です。
これ自体は新築ならではの素晴らしいおまけですが、多くの場合、新築購入者は
それが何をカバーしているのか
どのくらいの期間カバーしているのか
を単に知らないか、或いはそれ以前の保証があることすら知らず、修繕すべき個所が発見されたとしても通常通り有料で業者を雇ってしまったりするのです。
もちろん保証期間中に外部業者を雇ってはいけないという決まりはありませんし、デベロッパーが気を利かせて
「何か保証で修繕するべき個所はありますか?」
と聞いてくることもありません。
けれどもこの保証は万が一にも粗悪な建築品質や予期せぬ欠陥に対する買い手にとっての安全策でもあるのです。
またこの保証は建築業者毎に異なる保証を異なる期間で提供しているものですので、新築の契約時には署名する前に
「クロージング後は何が保証対象とされているか」
は確認するようにしましょう。
とりわけ家電や暖房・冷房システム等の大型システムにこそ保証は必要なものです。
だからこそ自分が購入する新築物件では何が保証されているのかを完全に理解することが非常に重要となります。
クロージング当日のウォークスルー中や最初の1年間に自宅で見つけた建物構造の問題
見逃したかもしれないドライウォールやシートロックの取り付けからの釘の飛び出し
フローリングの問題(たとえば緩んだタイル)
等、極めて重要な個所にこそ保証は使われるべきなのです。
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